ニューヨーク その14(5月31日)

okmrtyhk2008-06-12


メトロポリタン美術館を出る。この頃には雨は上がっていた。
ブロードウェーで「コーラス・ライン」のチケットを取る。
地下鉄の乗換えが面倒だからとタクシーに乗って行く。
マンハッタンはイエローキャブだらけ。すぐにも捕まえられる。
運転手は黒人。親切だった。
目的地近辺で渋滞になっていると「ここで下りた方がいい」ということになって、
君らの行こうとしているのはあそこだからねと何度も指差し、
下りた後もクラクションを鳴らして窓から身を乗り出して「間違えるなよ」と。
消防車だろうか、通りにサイレンの音が鳴り響いていた。
渋滞の原因はどうもこれらしい。


ホテルの下の「tkts」(チケッツ)に向かうと大勢の人たちが列を成していた。
電光掲示板に当日券が入手可能なミュージカルとその代金が表示されている。
「コーラス・ライン」もあった。56.5ドル。これに手数料が3ドル。安いね。
日本で事前予約していたら倍ぐらいになるのかな。
目につく周りの全てがミュージカルの看板。
「シカゴ」「ヘア・スプレー」「ヤング・フランケンシュタイン」「ウィキッド」・・・


公演開始は20時。時間があるのでエンパイア・ステイト・ビルに上ってみることにする。
タイムズスクエア界隈を歩く。ここがニューヨークで一番の繁華街となるか。
壁という壁を埋め尽くす看板、ネオンサイン、巨大スクリーン。目まぐるしい色彩の洪水。
ああ、ニューヨークを舞台にした映画によく出てくる、
細長いビルの映ってる通りってここだったのか。
大勢の観光客でごった返している。


ヴァージン・メガストアがあったので入ってみる。
アメリカのタワレコは倒産、HMVアメリカから撤退。
日本でも名の知られた外資系チェーンのうち、残りはヴァージンだけか。
日本ではヴァージンがパッとしないのに・・・
$10セールってのをやっていて多くの商品がバーゲンの対象になっていた。
なんか買おうかなーとも思うが、どれも日本で買えるだろうと我慢する。
ブロードウェイにあるだけあって、
ミュージカルのサントラを入口近くで大々的にフィーチャー。
同期はここで「コーラス・ライン」のサントラを買う。
僕は見た後でいいか、と思う。


南に下って行って、やがて東へ。
「CHASE」(チェイス・マンハッタン銀行)の支店を見かける。
そういえばあちこちで目にするなあ。
CITI BANK ばかりかと思ったらそんなことはなかった。
むしろ見かけた記憶がない。
サブプライムで巨額の損失を出したことと関係するのだろうか?それはあんまり関係ないか。
もう1つよく見かけたのが「HSBC
成田空港でも搭乗口付近で広告を見かけた。
これってどこの銀行だったっけ?と思い、今探してみたら香港上海銀行。知らなかった。


エンパイア・ステート・ビルの中に入る。
キング・コングがよじ登ったあのビルですよ。
入場料は19ドル。86階まで。
さらに102階の特別展望台に上ろうとすると追加料金となる。
その後の自由の女神のフェリーだったり、ロックフェラー・センターの展望台だったり、
どこの観光名所や美術館に行ってもそうだったけど
フランス語、ドイツ語、スペイン語、中国語、日本語などの
オーディオ・ガイドが用意されていて、これが10ドル近くする。
どうせたいしたことは喋ってないだろうと僕らは見向きもしない。


展望台までのエレベーターに辿り着くまでは
空港のような危険物持込の身体検査をくぐり抜け、
後で記念に買えるようにと写真を撮られて、お土産屋もあってと大変。
どっかのコーナーでは黒人の係が、僕らが日本人だと知ると喜ばせようとして
「オッパッピー!!」と笑顔で叫んだ。


いざ、86階へ。
・・・と思ったらまずは80階へ。ここで行列になってえらく待たされる。
案内板を見るとどうも今は工事中であるらしい。
列を作っている部屋も元々何か他の目的で使われていたのを間に合わせで使っているっぽい。
なーんか「たいしたことない」感があちこちに漂う・・・


ようやく86階に上って、マンハッタンを眺める。
さっきまであれこれブーブー言ってたものの、眺めのいい場所に来ると気分がいい。
ロウアー・マンハッタンの向こうに小さくちょこんと見えるあれは自由の女神だろうか?
ハドソン・リバーの対岸、すぐ先に見えるのがニュージャージーか、近いなあ。
イースト・リバーの向こうのあっちがブロンクス、そっちがクイーンズ、こっちがブルックリン。
見渡す限りビルばかり。これが世界一発展している都市か・・・


102階はまあ上っても上らなくても一緒か、となる。下に下りていく。
2階の土産物屋で母に送る絵葉書で何かいいのかないか探す。
見事にいいのはない。どれもいけてない・・・
そもそも回りの他の土産物で欲しくなったもの1つもなし。
仕方なく2ドル(高いよ!)出してこれが一番ましだと思った絵葉書を1枚買う。
そしたら帰りのエレベーターの前で黒人の女性の係が「また来てね」と絵葉書を配っていて、
なかなかきれいなものだった。
なんだよ。最初にこの絵葉書をくれたらよかったのに!


ブロードウェーまで歩いて戻っていく。
目抜き通りから1本外れた通りを歩いていく。
土曜だというのにほとんどの店が閉まっている。いや、土曜だからなのか。
服やアクセサリーの店だったか、5番街の高級店ではなくて、地元の人向け。
唯一開いているのがポルノ・ショップ。
その後ニューヨークのあちこちで見かけた。
後日後輩に指摘されて気付いたけど、こういう店はあってもいわゆる風俗の店はない。
どうなっているのだろう?歌舞伎町の裏通りみたいな場所がない。いや、昔はあったのか。
後輩曰く、風俗店というものはなくコールガールを呼ぶのだそうだが・・・


タイムズ・スクエアに戻る。
吉野家を探す。西の方に歩いていったら、あっさり見つかった。
19時ごろ。開演前の時間帯なのでブロードウェイは芋の子を洗うかのような大混雑。
観劇を目的としない人たちであっても
他にも見たり遊んだり買い物したりと何でもあるのでとにかく人が集まってくる。
夜遊びして朝を迎えそうな地元の若者たちも多い。
露店もたくさん出てて、ナッツを売ってたり、ケバブを売ってたりする。
ホットドッグと一緒に串焼きの肉を売る露店ってのがマンハッタンでは多かった。


吉野家はかつてニューヨーク全体で何店舗か出店したのであるが、
今残っているのはここブロードウェイの1店舗のみ。
客層はほぼ日本人皆無。
アジア系の人たちと黒人が多かっただろうか。
もうほんと普通に地元のファーストフードなんですね。
僕はビーフ・ボウルとチキン・ボウルのコンボをオーダーする。
昔、国立にあった「吉野屋USA」のチキン・ボウルが懐かしくて、
今それは日本にはなくアメリカにしかないと聞いていたため、どうしても食べに行きたかった。
ビーフボウルが4ドルぐらいでコンボが6ドルぐらいだったか。安い。
コンボは容器が2つではなく、横長の大きな容器にご飯2倍。左にビーフ、右にチキン。
ビーフ・ボウルは牛肉・米共に日本の味に近かったけど、
チキン・ボウルはなんか違ってるなあと思った。味付けが濃くなっている。
テリヤキの捉え方だよな。とにかくしょっぱい。
日本のテリヤキはもっと甘辛い。
うーん、懐かしのチキン・ボウルは今となっては幻、海の藻屑と消えた。