「僕らのミライヘ逆回転」

金曜の夜、「エターナル・サンシャイン」のミシェル・ゴンドリー監督の最新作
「僕らのミライヘ逆回転」を見に行った。
http://www.gyakukaiten.jp/
日比谷シャンテ


ニュージャージーのとある街。
しょぼくれたレンタルビデオ(DVDではない)で働く店員(モス・デフ)と
謎の常連(ジャック・ブラック)が
ひょんなことから店のビデオを自分たちで勝手にリメイクすることになる。
その手作り感というかチープさが受けたのか、大ブレイク。客が押し寄せ、町の人気者になる。
再開発計画で取り壊しを迫られていた店は難を逃れそうになったのだが・・・


ゴーストバスターズ」「ロボコップ」「2001年宇宙の旅」「ライオンキング」・・・
これらの名作たちを段ボールとガラクタでホームメイドな「作品」にでっちあげるんだけど
これがまた例によってかなりとぼけた仕上がりで。
↓こんな感じ。
http://w11.mocovideo.jp/movie_detail.php?KEY=MC_1319489


映画ファンなら失笑せずにはいられない。というか失笑しっぱなし。
ミシェル・ゴンドリー監督のセンスというか発想は素晴らしいなあと感心させられる。


それが、後半になって内容が一転。
シガニー・ウィーバー扮する弁護士が著作権の侵害だって乗り込んできて
みんなの夢が詰まった愛すべき作品たちが全て取り上げられて廃棄処分。
だったら自分たちで映画を作ろうってことになって、
町ゆかりの有名人ファッツ・ウォーラーの伝記映画をみんなで撮影。
ここから先、僕は涙がこぼれだす。エグエグと泣く。
みんな楽しそうに映画作りに参加していて、
「そうだよなあ、みんな集まって映画を撮るってものすごく楽しいことだったよなあ」と。
そんで上映会があって、子供たちが「僕の出てるシーンだ!」って喜んだり。誰も彼もが笑顔。
映画に対する愛がスクリーンいっぱいに溢れ出す。
あのラストは奇跡的だったなあ。
ここまで衒いのない、映画に対する愛をストレートに描かれたら
映画ファンたるもの泣かずにはいられないよね。
ニュー・シネマ・パラダイス」以来の感動。


映画史上に残る大傑作、名作ではなく、やんちゃな末っ子的佳作。
だけど僕としては今年1番泣いた。映画の好きな人は見たほうがいいと思う。

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劇中の素人手作りリメイクが「スェーデン製」ってことになっていて、
「Sweded」って言葉が一般化しているようだ。
世界中の人が自分たちで撮ってて、それがYouTubeにアップされている。


「僕らのミライヘ逆回転」の公式ブログに秀逸なのが集まっていて便利。
「トロン」がすごかった。
http://gyakukaiten.blog105.fc2.com/blog-category-0.html


あと、この記事。
http://wiredvision.jp/blog/takamori/200809/200809051449.html


こういうの見ると、自分でも作りたくなるよね。
和製「インディ・ジョーンズ」とかね。

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客の1人として、Beastie Boys のアダム・ヤウクがチョイ役で出てたように思うのだが、
単なるそっくりさんなのだろうか。