連画


学校関係の縁で、「連画」の集まりに参加する。
お題の歌が出て、そのイメージに基づいた写真に銘を添えて運営サイトに投稿する。


初回はこの歌。
「神無月ふりみふらずみ定めなき 時雨ぞ冬のはじめなりける」
(『後撰集』よみ人しらず)


先々週出題されて、パラパラと写真が送られてくる。
山茶花やモミジ。
僕もやってみようと思うが、なかなか難しい。
11月、雨が降ったりやんだりのうちに、冬になる。
もっと高度な解釈があるんだろうけど、僕はまあまずはその程度で。


こんな感じだろうかというイメージは沸くものの、
いざその写真を撮ろうとすると相応しい場面には全然出会わないもので。
何をもって11月とするか? 落ち葉だろうか。
土日に時間を取って紅葉を見に行けばいいんだろうけどそんな暇なし。
それにやっぱ雨だよな。降らないことには始まらない。


しかし、そういう直接的なイメージにこだわらなくても、
もっと連想の幅を広げていけばいいはずなのだ。
(僕が学校で教えているのもそういうことだ)
なのにいざ実践しようとするとなると難しい。
頭の中のどういう筋肉を使うべきなのか、どこに回路を結ぶべきなのか。


なんか撮れるとしたら朝晩の会社の行き帰りのみ。
しかも夜は最近日が暮れるのが早いので
朝、丸の内・大手町から皇居のお堀端を経て、神保町へと向かう道中のみ。
最初の投稿は、ようやく11月末。
全く雨が降らずにいて仕方なくビルの前の人工の池に水が溜まっていて
空もどんよりと曇っている、そんな写真を iPhone で撮ってみた。
その次の日、12月に入ってぐっと寒くなったときに雨が降る。
皇居のお堀端を歩いてみたらいい感じに落葉していて、風景がしっとりしている。
これを先ほど PC に取り込んで送ってみた。


そんなこんなでどうにかこうにか追いついていくんだろうけど
僕の場合最大のネックになるのが植物に全く持って疎いというところ。
区別のつくのはヒマワリとタンポポぐらいか。朝顔も覚束ない気がする。
その季節に何が咲いているのかというところに無頓着なまま生きてきた。
うーん、なんでみな、知ってるんだろう? 常識なのか。


今日の昼、図書館から植物関係の歳時記を借りてきた。
パラパラめくってみたけどもう何がなんだか。
うーん、カトレアとポインセチアは冬の季語なのか
なんて言ってるうちはよかったものの、
「千両」と「南天の実」は別物なのか? 「藪柑子」は? 「深山樒」は?
いきなりレベル高いんですけど。
というか写ってる写真がどれも山奥で、撮りにいけるわけないじゃん!


しかし、こんなふうにこれまで体験してこなかったものに
トライするというのはなかなか楽しいことであって。
僕も半年後には一眼レフが欲しくなっていたりするのか。