うどん県の旅 その3(9/6)

12時、八栗ケーブルカーの登山口駅へ。
夏休みも終えて広々とした駐車場には車がほとんど停まっていない。
ため池が静かに広がっている。
その奥にゴルフの打ちっぱなしが。
那須与一にちなんでか的が扇形になっている。
ケーブルカーの駅も閑散としていて、土産物屋と切符売り場が併設されている。
犬向けの讃岐うどんが売られていた。これはその後あちこちで見かけた。
山頂と往復して930円。


ケーブルカーはオレンジ色に塗られていて
高尾山のケーブルカーのように車体そのものが階段状に傾斜している。
運転手が解説しながら山を上って行く。
線路は単線でちょうど真ん中にすれ違いポイントが設けられていて
ここだけが膨らんで複線となっている。
上下線は必ず同時に出発することになっていて、上から下りて来たのは青だった。
車両は昭和39年日立製でワイパーも手動。今も無事故で運転している。
日立のプレートが欲しいという人が時々現れるのだとか。
盗まれても困ると夜は駅に停めずに途中のすれ違いポイントに停車させて
乗務員は下りてくるという。
通常は15分置きだが、年末年始の初詣シーズンは4分置き。その間15万人が利用する。
車内を「いろは歌」が流れる。
途中、寅さんの撮影で使われたというよもぎ餅を売る古民家があった。


山頂で下りて五剣山八栗寺へ。
四国霊場八十八ヶ所のうち、第85番礼所。
空海が八つの栗を埋めたとされるのがその由来。
http://www.88shikokuhenro.jp/kagawa/85yakuriji/
はやってなさそうな半分閉じられた土産物屋を通り過ぎ、山門へ。
八十八箇所をお参りしている年配の方たちが白装束に身を包み、山笠をかぶり、お経を。
ツアーなのか気もそぞろになんちゃってな風情のおばさんもいれば
般若心経を朗々とした声で唱えているおじいさんもいる。
なんらかの願掛けなのだろう。
境内の端から端までを早足で歩いて賽銭箱にお金を入れて頭を下げるということを
何度も何度も繰り返している。


五穀豊穣ということなのか大根を祀っていて、象った石像が何箇所かに置かれていた。
天狗も祀っていて、お堂の裏には天狗の下駄(もちろん一本足)が、
中には髪がぼうぼうと伸びた天狗の面が飾られていた。
蛇を祀った祠や少し上ったところにご利益のあるとされる馬の像があった。
皆に触られて足の部分はテカテカと光っていた。
薬師如来大日如来などの像もしっかりとあって、中心には鐘楼。
除夜の鐘の時には鐘を突く人で行列になる。
僕らも鐘を突いてみる。鐘には歌人会津八一の歌が刻まれていた。
「わたつみの そこゆくうをの ひれにさへ ひひけこのかね のりのみために」


毎月1日と16日にはお参りの方々を迎える法要が開催され、「お接待」が無料で提供される。
先生は必ず訪れているとのこと。
ケーブルカーも1日は午前5時から営業している。
南側の山門を出て最近出来たばかりの「お迎え大師」を見る。
ここからの高松方面からの眺めがよかった。
振り向くと五剣山の険しい面持ち。剣のうちのひとつは安政の大地震にて崩れた。
山肌が削れて岩が露出していて、石切たちが長い年月をかけて掘り出したのだろう。
この日はこの頃が一番熱かった。日差しがサンサンと降り注いでいた。


13時、ケーブルカーを下まで。
シルクロード」のテーマ曲が流れていた。


車で「山田屋」へ。
http://www.yamada-ya.com/
香川県の有名店のひとつ。駐車場も広い。
旧家を改装して店舗に利用している。鯉の泳ぐ庭園もある。
「釜ぶっかけ」はこの店が発祥だとかで登録商標をもっている。
中に入ってサービスはロードサイドの和風レストランのように効率的。
そういう商売に敏い店ってあんまりいい気持ちがしないですね。
不都合はないしうどんも悪くはなかったけど。
僕は「ざるぶっかけ」にした。570円。
食べ終えて、庭園で記念撮影をする。


店を出ると曇、雨がぱらつき出す。
栗山記念館へ。
http://mureaji.jp/?cat=77
栗山公園が高松市内の中心部にあったり、よく見かける名前ではあったけど、
これは柴野栗山に由来する。朱子学を学んで寛政三博士の一人とされる。
その書や書物、手紙などが展示されていた。入館料200円。
2階はホール。子どもたちが書いたのかその生涯をモチーフにした屏風があった。