「World Beat 2006」(Konono No.1)

続いて、この日のトリ、Konono No.1
中央アフリカコンゴから登場。
http://plankton.co.jp/konono/


Wikipedia で調べたんだけど、
一口に「コンゴ」と言っても
コンゴ民主共和国」と「コンゴ共和国」と2つあるんですね。知らなかった・・・
Konono No.1 が来たのは「コンゴ民主共和国」の方。首都はキンシャサ
キンシャサと言うと僕みたいなSF好きは旧ソ連が作成したカルト映画
 「不思議惑星キン・ザ・ザ」を思い出す。関係あるのかな、とずっと気になっていた)


ジャンルで言えばアフリカ特有の歌もの系グルーヴと
とにかく音のばかでかい「人力テクノ」が合体、というか。
どういうグループか?
サイトのプロフィールを引用します。

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音楽大国として知られる、
アフリカ・コンゴ民主共和国のリケンベ(親指ピアノ)グループ。
1969年頃にマワング・ミンギエディ(33年生)によって結成される。
88年に仏のレーベル"オコラ"から出たオムニバス盤に
今とほとんど変わらない演奏が収録されているが、
戦争によってオリジナルメンバーのほとんどが行方不明に。
その後、ミンギエディが自分の息子や孫を参加させてバンドを再生した。
先祖伝来の音楽を、手作りの金属製親指ピアノにエレキギターのようにアンプにつなぎ、
音を増幅しているのが特徴。この電気親指ピアノをはじめ、
自動車部品の磁石を使ったマイク、車のホイールを改造したメタル・パーカッション、
50年代のラジオ放送で使われていたスピーカー、アンプを動かすバッテリーなど
全てジャンク品からの手作り。
騒音の多い首都キンサシャから音を天国の祖先に届けるため音をラウドに増幅していった結果、
コンゴアンゴラの国境地域に住むバゾンバ族の伝統音楽が、
誰もを踊らせる爆音トランスとなって生まれ変わった。

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なんかとてつもない経歴。
「戦争によって行方不明に」とか、
「天国の祖先に届けるために音をラウドに」って辺り。
日本人からするとものすごく
「遠い」ところからはるばる来たグループなのだなあという印象を受ける。


ステージにはスピーカー(拡声器の方)が左右に並べられ、
コンガとメタルパーカッションが2人。
(普通にスネアみたいだったけど、確かに金属的な音がしたような)
唯一の女性メンバーもエレクトロなパーカッション。
そこに3人の親指ピアノ担当の男性が現われる。


親指ピアノの音はといえば
丸みを帯びた、子供用のおもちゃの鍵盤ピアノとでも言うべきか。
丸くてコロコロした音が出る。


全員揃って最初の一音が出るや否やあとはもう終わりなき饗宴に突入。
すごかった・・・
パーカッションと親指ピアノだけで生み出される
ハレハレでズンドコドコドコなリズムのうねり。
そこにコロコロ、ロコロコと親指ピアノが朴訥なメロディーをかぶせる。
ボーカルの男性は歌ってるのか語ってるのかアジってるのか、朗々と声を発し続ける。
この声も最初から最後までずっと同じテンションで、
一晩中歌っても全然平気な様子。むしろそれが普通というか。
合間合間に「オドリマショー」「アリガトー」を連発。


会場中みんな我を忘れたようになって踊ってた。
アフリカのグループだけあって
1コードでどこまでも押していって延々演奏し続けるんだけど
そこに得体の知れないマジックが宿る。
フェラ・クティの往年の演奏はもっとすごかったのか!?


途中男2人、女1人のダンサーがステージ袖から出てきて踊っては去っていく。
ダンサーとしてわざわざ来日したのだろうか?
スタッフやメンバーの家族だろうか?


いやーほんとすごかった。
とにかくパワーが違う。見てよかった。
世界は広い。まだまだユニークな音楽はいくらでもあるんだなー。


ステージには1人だけ70歳ぐらいのおじいさんがいて、
親指ピアノを弾いてんだか弾いてないんだかって感じで
6人の中では圧倒的に存在感に乏しい。
「なんなんだろ?この人」と不思議に思う。
途中ステージからいなくなるし。
その後はステージの真ん前に出て踊ったりして
拍手喝采を浴びたもののイマイチ存在意義が不明。
親指ピアノから音が出てるような気がしないし。
僕はボーカルの人の親父かなんかで、よくわからないうちについてきた人、
あるいはグループにとっては象徴としてなんらか重要な役割の人だと考えた。
Arrested Development のおじいさんのように)
だけど実際は違ってて、上のプロフィールからもわかる通り、
この人が創始者にしてグループのドンだった。


司会の男性がこのグループのことをあれこれ補足してくれる。
かの Bjork が気に入って、一緒にレコーディングを行ったこと。
楽屋ではみんな黙り込んで元気がなくて机に突っ伏して寝てるメンバーがいたので
こいつらほんとに大丈夫なのか、と思ってスタッフに聞いてみたら
これがいつもの状態なのだということ。

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Konono No.1 が終わって時間は終演まで1時間近く残っていて、
ステージ上には Konono No.1 が使ってなかったドラムセットが2台。
あー渋さがもう1回出るのかなと思っていたら、
Konono No.1 としてのアンコールだった。
ROVO と渋さのメンバーが加わってのセッション。
まずは ROVO の2人のドラムと勝井祐二が加わる。
そして渋さホーンズ。
(アンプにつなぐセッティングがなかったからかベースとギターは加わらず)
相変わらずの1コードのまま、音のカオスへ。


山本精一不破大輔も二人揃って登場して、山本精一はマイクをつかんで叫んだり、
ペットボトルの水を客席に向かって投げつけたり。
(ここだけ往年の Boredoms ノリか)

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終了すると、別々の席で見ていた知人と合流して
カレー食いましょうってことで銀座の「デリー」に行く。
タンドーリチキン、サモサ、サグカレー、コールマンカレーを食べる。
おいしかった。