青森帰省6日目

okmrtyhk2007-02-23


(2月21日)


7時に目が覚める。母が朝食を作る音が聞こえる。
外は雪が降っていた。6日目にして初めて、青森市に雪が降るのを目にした。


朝食までの間、「宇宙船とカヌー」という本を読む。
世界的に有名な宇宙物理学者フリーマン・ダイソン
その息子にしてカヌー乗りのジョージ・ダイソン、2人の評伝。
著者ケネス・ブラウワーはもともとジョージの友人だったようで、ジョージ寄りに話は展開する。
相反する方向に進んでいった父と子。
父は太陽系を軽々と飛び越えアルファ・ケンタウリまで行かんとする宇宙船の青写真を描き、
息子は若いうちに家を出て
カナダのブリティッシュ・コロンビアとアラスカを手製のカヌーで往復し、
多くの自由な人たち(芸術家、イルカの研究者、インディアンなどなど)と出会う。
ジョージ・ダイソンのこの冒険譚の合間に
フリーマン・ダイソンの壮大な宇宙計画が語られるのだが、
共にこれからの人類が暮らすべきコロニーはいかにあるべきかを追い求めるという点で
表裏一帯重なり合う。互いについて暗示的な関係となる。
これもまた、素晴らしい本だった。
帰りの新幹線の中でいっきに読んだ。
家を飛び出してもう何年も会っていない息子に、遂に父親が会いに行く。
2人の正反対に伸びた道はどこで1つに交わるのか?
・・・感動的。
ジョージ・ダイソンがあれこれ学びながら
カヌーをつくって旅に出る光景を読んでいるだけでも楽しい。


「長いお別れ」「オリガ・モリソヴナの反語法」「宇宙船とカヌー」
この3冊は今年読んだ本のそのままベスト3になるのではないか?


朝食は昨晩のカレーとサラダ。


家中に掃除機をかけて、部屋を雑巾で拭き掃除する。
母が古いポスターを処分してくれというので、取っておくものを選ぶ。
古い映画のや(「ゴジラ」「レインマン」etc.)
CDを買ったときの特典(ブルーハーツレベッカXTC etc.)
などなど、ほとんど捨ててしまう。
ビートルズの「Let It Be」のアルバムジャケットのポスター、
ストーンズの「Aftermath」の頃のと「Steel Wheels」の頃のポスター、
この3枚だけは残すことにする。
ビートルズの「Abbey Road」のアルバムジャケットのポスターを
以前母が額に入れてくれていて、
この3枚を同じようにしたくて値段を聞いてみたら1枚5千円かかるとのこと。
けっこうするね。まあそのうちやるとするか・・・と今回は諦める。


10時過ぎに家を出る。
雪は雨に変わる。
母には見送ってもらわない。
バス停まで歩いていると遮断機が下りて津軽海峡線が通り過ぎる。


バスを待つ。
そういえば土曜も同じ時間帯に同じバスを待った。
そのとき僕と同じような年頃の女性を見かけて、今回もまた見かけた。
僕みたいな年の男性がこの時間にこんな場所にいるのが珍しいのか、
彼女は僕の方をチラッと見た。
派手な格好をしている。
だけど、上から下まで青森市で買ったような服だ。
東京とか大都市の匂いがしない。
恐らく仕事に出かけるのだろう。
昼から夜店通りのどこかで働く、そんなところだろうか。
顔に見覚えはない。
中学校は一緒だとして、僕の上なのか、下なのか。


バスは相変わらずお年寄りで混んでいた。駅西口で降りる。
LOVINA の本屋で本を眺めようかと思ったら、休み。
AUGA へ。
PAX で +/- と Black Rebel Motorcycle Club アルバムを買う。
土曜に来たときに買おうかどうしようか迷って、買わなかったもの。
給料日直後だったし、まあいいでしょうと買うことにした。
引き続き、Village Vanguard で The Detroit Cobras の1枚目、
Linda & ... の3枚目(このグループの正式名称がなんなのかよく分からず)を
買うつもりでいたら、店内でかかっていて気に入って
Sotte Bossa というグループの「Innocent View」というアルバムを買う。
名前の通り、ボサノヴァ系の音。男性プロデューサーと女性ヴォーカリストのコンビ。
主に90年代以後のヒット曲をカバーする。
「チェリー」「イージュー★ライダー」「やさしさに包まれたなら」「遠く遠く」「夜空ノムコウ
など。反則と言っていいぐらいの選曲。


青森駅へ。
八戸までの特急を待つ。写真を何枚か撮る。
雨が強くなって、やがてみぞれになる。


特急の中では、缶コーヒーを飲みながら「宇宙船とカヌー」を読む。
野辺地を越えて八戸に近づいたら、急に晴れた。以後、雨は降らず。


乗り換えて、八戸駅で駅弁を買う。
「大間のマグロづけ炙り丼」1680円。
月曜だったか、火曜だったか。
夕食を食べながらテレビを見ていたら全国駅弁ベスト100ってのをやってて、
上位にランクインしていた。
マグロといえば今や大間は有名。取れたてのマグロをさっと炙って・・・
確かにうまかった。
番組では1位は富山のマス寿司、2位は峠の釜飯
超有名な駅弁が当然のごとく定位置を押さえていて、
3位はなんと崎陽軒シウマイ弁当。驚いた。
食べたことあるし、もちろんおいしいけど、そこまで駅弁として愛されてるとは。
でもよくよく考えてみるとこのシウマイ弁当の飾りのなさ、
駅弁の本来あるべき姿かもしれない。


一緒に、昨日母の友達というか僕の同級生のお母さんが家に来て
母とおしゃべりして帰ってった時にもらった菓子パンを食べる。
3種類5個あってどれもモチッとしていてうまかった。
部屋で本を読んでいて、部屋を出て挨拶すべきかどうか迷って
結局めんどくさがって部屋から出なかった。
僕もいい年してるんだから挨拶のひとつぐらいちゃんとしておけばよかった。


「宇宙船とカヌー」を読んでいるうちに東京に到着。
ダウンジャケットでは暑かった。


仙台を過ぎた頃から鼻がムズムズしてきて、
どうやら東京は花粉が飛びまくっているようで。
次の日22日は鼻水が詰まって目が覚めた・・・