「モーターサイクル・ダイアリーズ」

南米ペルーに旅行することを書いたところ、
モーターサイクル・ダイアリーズ」を勧められる。
公開当時ものすごく気になったんだけど、
忙しかったのか他に見たいのがあったのか、見れないまま。
先日荻窪駅前のブックオフに入ったら中古で見つける。
しかもコレクターズ・エディションで
ボーナス・ディスクに「トラヴェリング・ウィズ・ゲバラ
という長編ドキュメンタリー(というかメインキング)付き。
即購入して先週末の土日に見た。土曜が本編で日曜がメイキング。


1952年。
医学を志すエルネスト青年は友人アルベルトと共に、バイクで南米を旅して回る。
故国アルゼンチンを出て、チリ、ペルー、コロンビア、ベネズエラ
2人は行く先々でその土地の貧しい、虐げられた人々に出会う。
束の間の触れ合いを繰り返すうちに、
エルネストはこれらの人々のために生きていくことを決意する。
理想と使命権に燃えた革命家チェ・ゲバラの誕生である。


青春映画にして、ロードムーヴィー。
映画そのものの出来から言えばあと一歩というところなんだけど、
(監督の若さゆえか、手堅く作りこまれてはいても、ざっくり心を打つものはない)
そういうのとは別の観点で忘れられない作品だった。
映画を貫く瑞々しさと誠実さ。
「ああ、この若者がゆくゆくはチェ・ゲバラになるのか」
という視点で眺めていても全然違和感がなく、嘘がない。
素直にエルネスト・ゲバラ、アルベルト・グラナードに好感を持つ。


これまでチェ・ゲバラについてはなんとなく「かっこいいなあ」
ぐらいにしか思ってなかったけど、
見終わってさっそく原作のゲバラ旅行記を買いに行った。
ボリビアでの最後の日々を綴った「ゲバラ日記」共々
角川から出てて、今でも普通に売ってる。
旅の間は「モーターサイクル・ダイアリーズ」読むぞ。


僕としてはやはり、2人の訪れる土地の風景の美しさに心惹かれた。
ペルーならばマチュピチュやリマの古い街並み。
あれを今月後半見に行くのかと思うと心躍る。
チリのサンチャゴだったかな、あのケーブルカーも乗ってみたくなった。
映画見てて一番行ってみたくなったのは実はペルーじゃなくて、チリ。
うー行きたい。

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「トラヴェリング・ウィズ・ゲバラ」は2時間のドキュメンタリーなんだけど、
今や80を越えたアルベルト・グラナードが撮影に同行して、
50年前の旅を再体験するというもの。
でも、アルベルト・グラナードが主体かっていうとそんな感じでもなく、
半分は普通のメイキング。とはいえ気になるのはやはりこの老人の立ち振る舞い。
ゲバラと共に南米を旅した、歴史の生き証人。
50年以上前のことをよく覚えていて、
撮影のときにも「実際はあの位置にバイクがあった」といった助言を随所で行う。
あの当時に南米を横断するなんて、バイク乗りにとっては生きる伝説だ
みたいなことを言われる。


メイキングなので主に映るのは今の南米の風景。
モーターサイクル・ダイアリーズ」が
50年前の南米の姿を再現したものだとしたら、
両者見てその比較を行うってのも見方の一つかもしれない。
意識的にそうしたわけではないけど、僕はそういう見方をした。
南米に行きたい!という思いがやはり強まった・・・