ベルリン その17(2/7:ライヒスターク)






3時半に目が覚めて、2度寝。時差ぼけか。
6時半に再度起きる。
朝食はヨーグルトとコーヒー、紅茶のみ。昨日のグリルで食べ過ぎた。
8時になって外に出る。今日は晴れている。


昨日ベルリン中央駅を出たとき、
帝国議会議事堂(ライヒスターク)もついでに見に行くべきかどうか迷った。
ガラス張りのドームからの眺めがよく、旅行客の訪れる定番であるという。
明日にしよう、と決めた。まずはそこへ。戦勝記念塔経由で歩いていこう。


この2日間で見たい場所はほとんど見た。
月曜が入館無料のグッゲンハイム美術館を残したぐらい。
昨晩ガイドブックを見ていたら
東側にシュタージ(秘密警察)の博物館があるのを知り、訪れてみたくなった。
ここはオープンが11時。
その後グッゲンハイム美術館と、文化のデパート「Dussmann」か。
明日はベルリン発が早朝7時と早い。
夜早々と寝るために、夕方にはホテルに帰ってくることにする。


Sバーンに乗って、Zoologischer Garten の隣の Tiergarten で下りる。
一昨日もバウハウス資料館に行くためにここで下りている。
同じように戦勝記念塔まで歩いていく。ボケーッと何も考えず。
林の中には小さな池があったり、子供たちのための遊戯施設があったり、
英雄なのだろう、銅像が建っていた。


戦勝記念塔からは北東の方角に進む。
ベルビュー宮殿に出る。白くて気品のある、美しい宮殿。
18世紀に建てられたが今は大統領官邸として利用され、
各国首脳が訪れたときの公式行事が執り行われる。
守衛が立っているが、それほど厳戒な警備ではない。


シュプレー川に出て、川に沿って歩く。
ジョギングをしている人がいる。
そういえばこれまでけっこうジョギングしている人を見かけたな。
朝8時過ぎ。土日だともっと多いのだろうか?
自転車に乗ってる人も見かける。気持ちよさそうだ。


この辺りまで来ると林の中というよりも庭園の中の林の中、という雰囲気になる。
ベルリン、というよりドイツの政治の中心地区。
「世界文化の家」という武道館? のようなドーム型の建物が見えてくる。
ヨーロッパの外にある文化を紹介するとのことだが、閉まっていた。
その横に、連邦首相府。建物そのものが現代アートの粋を集めてつくったかのよう。
それでいて浮ついたところはなく、毅然としている。ギリシアの神殿のようでもある。


さらにその奥にライヒスターク。こちらはもっと神殿っぽい。
間には芝生の植えられた広場が広がる。テクテクテクテク歩く。
目の前まで来て見るととてつもなく大きい。
警備員なのか何らかのスタッフなのか制服を着た人たちが大勢、
思い思いの方角へのんびりと歩いている。
(ベルリンの人々には常に、この緊張感あるのんびりがあったように思う)


どこがドームの入り口だろうと裏側に回ってみたら
各国の言葉で「The dome is closed !」とあった。
時計を見ると9時過ぎ。まだ早かったのだろうか。
しょうがない、また帰りに寄るかと決める。


シュタージ博物館に行くために Hauptbahnhof の駅を探す。
橋を渡る。少し進むと森鴎外記念館があった。
この辺りだろうかと右に曲がる。
劇場や高級なオフィスやホテルの立ち並ぶ通りだった。
突き当りまで来て、見渡してみる。駅のありそうな雰囲気にない。どうも違うようだ。
道を迷っている。慌てず、地図を見る。
恐らく Hauptbahnhof からかなり西まで来て、全然違う場所にいる。
ま、いいか、時間はあるしどこかに辿り着くだろうと川沿いに歩いていく。
川面を見るとボートが通り過ぎていく。
向こうにはテレビ塔が見える。最悪、テレビ塔まで歩いていけばいい。
普通の人が住んでいる地域に入る。
敷地はどこも門があって、鍵が掛けられていたように思う。


川の向こうに宮殿のような博物館のような建物が見えてくる。
相変わらずそこがどこなのか分かっていない。
そろそろ南に曲がってみるかと歩いていく。
工事現場に差し掛かる。ベルリンはどこもかしこも工事中だな…
もしかしたら、Friedrichstr.はこの辺りかも?
いや、通り過ぎたのかもしれない。やはり周りは駅がありそうな雰囲気にない。
テレビ塔がどんどん大きくなる。
こうなったらテレビ塔まで歩くかと腹を括る。東西の通りに入って西へ。
通りの先に先ほどの宮殿が。
遠くに「L'Oreal」の巨大な広告。見覚えがある…
あ、これって博物館島の博物館たちではないかと気付く。
ようやく、方向感覚がつかめてきた。
というかベルリン中心部を流れる川ってそんなにないのだから、
川を中心に考えれば土地勘が掴めたはず。
僕としたことが何たる失態。


ボーデ博物館、ペルガモン博物館、旧博物館、そして大聖堂。
大聖堂前の広場は中国人の観光客でいっぱいだった。
(3日間、ベルリンのあちこちで中国人の集団を見かけた)


アレクサンダー広場へ。
その前に一昨日ベルリンの壁のかけら買った店でもう1つお土産用にかけらを買って、
土曜には足を踏み入れなかったマリーエン教会へ。
13世紀につくられたという教会。素朴というか、清楚な佇まい。
大聖堂と比べるととてもこじんまりとしている。
礼拝の席は今でも大勢のベルリン市民が祈りを捧げるために利用されるのだろう。
中ではパイプオルガンの調律がなされていて、プーとかパーとかいう音が聞こえてきた。


テレビ塔の脇を通り抜けてアレクサンダー広場へ。
時計を見ると10時。2時間かけてベルリンを西から東へ歩き通したことになる。