ベルリン その16(2/6:ハンブルガーバーンホフ現代美術館)








この時点で16時過ぎ。
1日を終えて夕食を取ってホテルに戻るか、もう1箇所どこかを訪れるか。
もう1つ美術館を訪れる時間がありそうだ。
Hauptbahnhof(ベルリン中央駅)のハンブルガーバーンホフ現代美術館にする。
Oranienburger Tor駅から地下鉄で、Friedrichstr.へ。
Sバーンに乗り換えて隣の Hauptbahnhof へ。


ここは2006年に完成したばかりの長距離鉄道発着の駅。とてつもなく大きい。
東京駅のような位置づけなんだけど、
吹き抜けを有効利用した空間に僕は横浜のランドマークタワーを思い出した。
スーツケースやバックパック姿の旅行客のグループがあちこちに固まっていた。
駅の構内は全て禁煙なのだろう、
駅の外に一歩出ると煙草を吸う人たちがワサワサと集まっていた。


美術館は駅の北側にある。
日が暮れかけている。17時になろうとしているところ。18時には閉館となる。
なのに入り口はなぜか長蛇の列。なかなか進まない。
明日休みだからか。それとも日曜だからか。
いくつかあった企画展のうち2つが今日、最終日だった。
チケットを持ってた人たちが駆け込みで訪れようとしていたのかもしれない。
ようやく僕の番になる。展示の全てを見るチケットで6ユーロ。安い。
http://www.smb.museum/smb/sammlungen/details.php?objID=21&n=13&r=3


残り1時間、駆け足で見る。
常設展はアンディ・ウォーホルがあった。毛沢東エルヴィス・プレスリーなど。
他は思い出せず。ヨーゼフ・ボイスがあったようだが…
かろうじてアンゼルム・キーファーサイ・トゥオンブリー
ロバート・ラウシェンバーグの名前がメモに残っている。しかし何を見たのか…


企画展は5つあった。


・「Else Lasker-Schuler.The Pictures」
  http://www.smb.museum/smb/kalender/details.php?objID=29814&typeId=10


  エルゼ・ラスカー=シューラーと読むようだ。
  作品を見る限りではエジプトに影響を受けた女性の画家のようだ。
  時間があったらちゃんと見たかった。


・「Pause. Valeska Gert: Moving Fragments」
  http://www.smb.museum/smb/kalender/details.php?objID=29032&typeId=10


  これは全く思い出せず。


・「Philipp Lachenmann. Some Scenic Views」
  http://www.smb.museum/smb/kalender/details.php?objID=29033&typeId=10


  美しい動画を超スローモーションで再生するというもの。


・「Cory Arcangel. Here Comes Everybody」
  http://www.smb.museum/smb/kalender/details.php?objID=29371&typeId=10


  これはよかった! 唯一まともな記憶がある…
  Wikipediaで調べたら1978年生まれのブルックリンのディジタル・アーティストとあった。
  ホームページがあった。http://www.coryarcangel.com/
  今回の展示は音楽がテーマのようで、
  音楽に合わせてギターを弾くゲーム(既に日本のゲーセンにあるが…?)。
  ジミヘンのギタープレイが映し出されているモニターなど。

 
  「a couple thousand short films about Glenn Gould」ってのがすごかった。
  途中だけだけど僕が見た、ベルリンでの映像がYouTubeに上がってた。
  http://www.youtube.com/watch?v=K6_yLC3JeAk
  これで見ると雑音のようだけど、リアルに聞くととてもキャッチーな音楽でした。


  スクリーンは左右2つに分かれている。
  左にヘヴィメタギターを弾く若者、右にピアノの上を飛び跳ねる猫が映って、スタート。
  グレン・グールドゴルトベルク変奏曲
  様々な人が様々な楽器で弾いてる場面を1音ずつ切り取って繋げていく。
  どんな発想というか遊び心があったらこういうのが生まれるのか。
  これを日本で見ることができないのが残念だ。


・「Soma」
  http://www.afpbb.com/article/life-culture/culture-arts/2784784/6787902?utm_source=afpbb&utm_medium=topics&utm_campaign=txt_topics
  http://www.smb.museum/smb/hbf/exhibition.php?id=25193&lang=en


  美術館のメインフロアいっぱいに展開されていた近未来的なトナカイ牧場。
  冷蔵庫に笠の大きな茸が詰まっていたり。
  巨大茸のオブジェの側に寄り添うトナカイ。

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閉館前にミュージアムショップに駆け込んで、これまで時々アート系土産物屋で見かけてきた
『Street Art in Berlin ver4.0』を買う。19.95ユーロ。
ベルリンのグラフィティの数々。


夕食はドイツ料理にしたいと考える。ガイドブックを見て、
Hauptbahnhofの隣、Bellevueのレストラン「Brewbaker」に決める。
ガード下にあるというのでこれだろうと入ってみる。
グリルの店だった。ドイツ語語のメニューをもらう。ふと見たら店が違ってた。
「Marjan Grill」という名前だった…
でもまあそれもよし。雰囲気のいい店だった。
混んでたので地元の人が気軽に利用する店なのだろう。
メニューがよく分からず、英語のに変えてもらう。
(持ってきたドイツ語会話のハンドブックは結局ここでしか使わなかった)


グリル盛り合わせにする。ベーコン、ポークチョップ、ハンバーグ、レバーなど。
ベーコンは厚いけどしょっぱかった。塩漬けにしてつくるのだから、本場の味はこういうものか。
ザワークラフトの入ったサラダと、付け合せはポテトと煮込んだ豆。
ビールは「bit burger」というのを2杯。
これで20ユーロしなかった。テーブルで払う。
チップとして釣り銭を置いてくるべきが、そこまで気が回らず。


2駅隣の Zoologischer Garten で下りてホテルへ。
19時半ぐらいだっただろうか。
シャワーを浴びて缶ビールを飲む。
EURO SPORT ではビリヤードのドイツ選手権決勝。神業のようなプレイが繰り広げられる。
2本目を途中まで飲んでいるうちに眠くなって、21時半だったか、ふらっとベッドへ。
その瞬間眠り込んでしまって、目が覚めたのは23時半。
缶ビールの残りを飲んで眠る。


日曜はドイツ語で「ソンタグ」と言うと知る。
スーザン・ソンタグはスーザン・日曜日ってことか。


ハンブルガーバーンホフ現代美術館がつまらなかったのは
駆け足だったからというだけではなく、
ベルリンの街全体が現代アートのようなものだから
相対的にそう感じられるのだ、と考えた。


野田努『ブラック・マシン・ミュージック』を読み終える。
ジェームズ・エルロイ『アメリカン・デス・トリップ』を読み始める。