伊勢神宮・紀伊勝浦ツアー その3

近鉄伊勢市駅
ホームに停まった車両の中で途方にくれて待っている人たちがけっこういる。
今、一切停止しているのだという。
駅の脇を歩いていたら車庫に入りきれなかった車両なのか、
踏み切りを閉じっぱなしにしてカンカンと鳴らしたままにして一般の線路に退避している。
駅に引き返し、線路の向こう側に渡りたいと駅員に伝えると入場券をくれる。
階段を上って通路を歩いて階段を下りてJR側へ。
近鉄のほうはまだ穏やかだったのが、JRの方は少し苛立っている。
大勢が困り果てて眉間に皺を寄せている。
駅員を捕まえて状況を確認する人たち。会社員の姿が多い。
主婦層は諦めきって椅子に座っている。
高校生たちもシリアスなムードに包まれて、騒いだりせずにいる。


駅を出て歩く。
目の前に広がるこじんまりとした商店街にこざっぱりした土産物屋が並ぶ。
昭和な感じではなくて、木を活かしてしゃれている。
そこに木造の鳥居が立っているのが伊勢神宮っぽい。
この商店街の突き当たりに森のようなものが広がっているのが見える。
ああ、あれが外宮か。
母から頼まれていた播田屋のせんべいを買うつもりが、
行ってみるとシャッターが下りている。大雪だからか。
駅前の商店街に戻って大きな土産物屋に入る。
母に電話をして播田屋はしまっていたと伝える。お茶を送ることにする。
伊勢神宮遷宮の本をもらった、母の友達の方にも代理で送る。


商店街の端まで行って、ある人から教えてもらった鰻屋「喜多や」に入る。
14時過ぎ。客が何組か入っていた。特上3,150円にする。
関西の焼き方なので関東のようにふっくらさせない。
あっさりと引き締まった焼き方。
テレビではソチオリンピック
羽生がショートプログラムで史上初の100点台となる101点を出して1位。
高橋が4位。


外宮へ。入り口の橋の前に柵が並んでいて、入れなくなっている。
え? そんなのあり? ここまで来て。
神宮の人に聞いてもやはりそうだった。
あー知ってたら名古屋で電車の再開を待ってもよかったなあ…
しまった。まあいいか。
14時半。なにもすることがなくなる。
内宮にも行ってみるか。しかし、バス停もタクシー乗り場も人影はなく、
観光案内所で聞いてみると大雪でバスもタクシーも走っていないという。
内宮もおはらい町・おかげ横丁も閉じている。
地図をもらって歩き出す。1時間ほどの距離。
歩道は雪が踏み固められているものの、脛の高さまであるとなかなかうまく歩けず。
こんなに降るとは思っていなかったので普通のスニーカーで来てしまい、
中の靴下までグショグショになる。
他に歩いている人はほとんどいない。平日で雪だからか。伊勢市が元々そうなのか。
歩くうちに雪が雨となる。コンビニで傘を買いたいが、コンビニが見当たらない…


猿田彦神社」というのがあって、入ってみる。賽銭をあげる。
火の鳥』のモチーフになった猿田彦? 
鳥居の奥に白い四角い箱が置かれて、その周りを結界のように囲っていた。
あれはなんだったのだろう。


内宮に到着する。やはり入れず。職員総出で? 雪かきをしている。
背後には小高い山。木々が雪で覆われ、靄がかかっている。
おはらい町・おかげ横丁に入ってみる。
ちらほらと僕のように入れずじまいの観光客が歩いているが、総じて無人の街のよう。
「大雪のため」と貼紙をしてどこもかしこも店を閉めている。
赤福だけが営業していた。ぜんざいをもらって温まることにする。500円。
バイトの女の子たちがあれこれと働いている。今日も休めなかったのか。
聞くところではおはらい町・おかげ横丁が店を閉めて閑散としているなんて
年に一度あるかないかとのこと。
そんなときにぶち当たるなんて僕は「もってる」のか…
この日の夜入るつもりだった「豚捨」や「二光堂」の前を通り過ぎるとやはり無念を感じる。
あともう一軒営業していたのが、ファミリーマート


内宮前のバス停にバスが停まっていて、あ、再開してるのかと。乗って帰る。
バス乗り場の向かいに土産物屋があって、少し覗いてみる。
くまモン伊勢うどんを抱えている。
名古屋ではえびふりゃー、名古屋城、しゃちほこだったな。


外宮まで乗ってきて、歩いて駅前まで。
ほとんどの店が大雪により店を閉めている。
ファミリーマートを見つけて昼に見た、ビールとチューハイを買う。
駅はまだ多くの人でごった返していた。復旧したのだろうか? まだか。
チェックインする。部屋へ。
ソチオリンピックをつける。昼に見たフィギュアが再放送されている。
先ほど見かけたたこ焼きの店に買いに行く。
店を閉めかけていたところを作ってもらう。
タコ入り8個とエビ入り6個がそれぞれ500円。


たこ焼きを食べながら缶ビールを飲む。
「伊勢ピルスナー」という地ビール
軽めのエビスといった感じ。
夜のニュースのトップは雪で伊勢神宮にいけない人たちのことだったとか。
えーまさにそこに僕が巻き込まれたのか…
母からも電話がかかってくる。


その後スケートの女子1000メートル、男子クロスカントリー
カーリングの女子、イギリス戦をやってることを知って慌てて切り替える。
しかし、大差をつけられてやぶれる。
その後アルペンスキー


ニュースを参照すると
伊勢神宮がある伊勢市鳥羽市などの三重県南部では、
 記録が残っている昭和37年以降、初めて大雪警報が出されました。」
こんな日に行ってる俺なんて…
明日の朝外宮をもう一度訪れてみようとアラームを5時半にセットして23時半に眠る。