中目黒

昨晩は妻が快気祝いを、ということで中目黒へ。
上京して20年、40になっても行ったことのない東京の街って結構あるもんです。
中目黒は僕のなかでその最たるもの。
話にはよく聞くけど、これまで縁がなかった。
友だちが何人か30代前半に住んでいて、後半に差し掛かるとまた別の町に移り住んだ。
家族ができて、家を買うために。
中目黒にはそういうイメージがある。


妻が友人から教えてもらった中華の店で食べた後、川沿いをしばらく歩いて
その後『BALS』という高級なインテリアの店に入った。
リビング用のソファーのセットが20万ぐらいするような。
こういうの置けたらいいよなあと思いながら広いフロアを歩く。
お金の問題というよりも、
正確にはそういう大きくて立派なソファーを置けるような広い家に住めるかどうか。
なかなか難しい。
金曜の夜、閉店間際。客は他にいなかった。
ひと気のないインテリアの店は幻想的であった。


銀座通りへ。
二軒に一軒はお洒落な飲食店でさらにその二軒に一軒は今、バルであろうか。
確かにこれは30代に入ったばかりの頃は住んでみたくなる。
行きつけの店をつくって、常連の客と仲良くなって、
日々の出来事を酒を飲みながら語ってみたくなる。
そんなバーのひとつがカウンターだけの小さな店でいっぱいになっている。
気になった妻が後で調べてみたらピエール瀧がやっている静岡おでんの店であるという。
なんだか、らしい、と思った。


もう一軒どこか入ろうかとなって通りを歩く。
ごく普通の居酒屋がとても混んでいた。
吉田類が「酒場放浪記」の取材で飲んでそうな。
入ってみると全然そんなではなくて、学生・サラリーマン向けの安い店だった。
店員もアジア系のおばちゃんたち。厨房も運ぶのも。
壁にはネパールの国旗が書かれていたから、そうなのだろうか。
しまった、失敗したなと一杯で出るかと思ってとりあえずサワーを頼んだら
お通しのマカロニサラダがなかなかうまかった。
エイヒレを追加したらきちんと炙っていて、
思わず次はビールを頼んでしまった。
気が付いたら長居。
中目黒って面白いな、と不覚にも思う。


一人・二人で飲むよりも友達夫婦で集まってという飲み方が
40代に入ってからは合うように思う。
また来よう。