『SAPEURS THE GENTLEMEN OF BACONGO』

SAPEURS  - Gentlemen of Bacongo

SAPEURS - Gentlemen of Bacongo


最近話題の写真集、『SAPEURS THE GENTLEMEN OF BACONGO』を買ってみた。
http://gqjapan.jp/entertainment/book/20150530/the-gentlemen-of-bacongo-sapeurs
「SAPEURS」はサプールと呼ぶ。
「BACONGO」はコンゴ共和国の首都ブラザヴィルの郊外にあるバコンゴ地区のこと。


サプールとはブラザヴィルを中心にパリやロンドンなど
全世界に広がりつつある紳士同盟であって
ファッションを通じて「エレガンス」を実践する。
裕福ではない彼らは給料を貯め、食費を削ってでも服を買う。
スーツを、シャツを、靴を買う。
そしてその服を着て街を歩く。一人で、あるいは仲間たちと。


ピンク、イエロー、オレンジ。
一見それは原色の派手なものであって、目立ちたがり?
などと思ってしまうが、どうも違うようだ。
人の目を引くことは人の上に立つことであり、
それは人の手本になるということだ。
そこではファッションのルールを身につけるということは
紳士のルールを身につけることと同義となる。


これこそが「スタイル」なのだなと思う。
スタイルとは似た傾向を持つデザインの寄せ集めなどではなく、
あくまでも生き方の流儀、マナーの表れなのだということ。


そうか、この僕に欠けているのはこのスタイルというものか。
どこかに属するでもいい、自ら打ち立てるでもいい。
なぜそれを選んだのか、誰に問われても恥じることのないようにする。
そう、今、スタイルを持って生きていると胸を張れる人は
この東京にどれだけいることだろう。
同世代にどれだけいるだろう。


エレガントであるとはお金の有無ではない。
心のありようなのだ。
そのことがよくわかる。
一人一人のサプールが皆、いい顔をしていた。
夢を、理想を追う顔だ。