清原

昨日の清原逮捕のニュースはショックだった。
朝起きてテレビをつけて、びっくりした。
覚醒剤か…
数年前にも薬物問題があったのでそのこと自体は驚かなかった。
そうか、清原遂に、落ちるとこまで落ちたんだな
ということがショックだった。


ASKA小向美奈子酒井法子田代まさし槙原敬之がつかまったときは
ふーん、というぐらいのものだった。
彼らが芸能人で、清原は元スポーツ選手だからというのもあるんだけど
もっと根源的な何か。


僕らが小さい頃、特に青森はそうだったけど
サッカーはそれほど流行ってなくて、皆野球少年だった。
リトルリーグに入っていなくても、運動が苦手でも、野球帽はかぶっていた。
80年代半ば、まさに「KK」清原・桑田の時代だった。
スターだった。憧れの的だった。


それが引退後、坂道を転がり落ちていく。
巨人に移籍してから陰りを帯び始め、
ホームラン30本であるとかその華々しい経歴とは裏腹に
結局選手生活を通じて無冠の帝王。
引退時には監督になりたい、桑田と監督でKK対決をしたいと語っていたが、
どんどんかけ離れていった。
テレビの解説者にも呼ばれなくなり、バラエティ番組でたまに見かけるようになった。
2014年には離婚。豪邸は荒れ果て、盛り場を派手に飲み歩く。
それでも時々訪れる、2人の息子と会うひと時を楽しみにしていた。
ブログに楽しそうに綴っていた。


孤独だったんだろうな。
覚醒剤に逃げたい、覚醒剤から逃げたいという引き裂かれた生活。
誰か俺を止めてくれ、という声にならない叫び。
理解してくれる人はいない。
離婚に前後して、最後まで気にかけていた桑田を遠ざけている。


薬物の使用を否定せず、すぐ認めたというのもそういうことだと思う。
ようやく何かを終わりにすることができるという安堵感がどこかにあるんじゃないかな。
それは新しい何かの始まりでもあるんだけど。


彼もまた僕らのような壊れやすい人だった。
いや、誰だって壊れやすい。
そのこととどう向き合うか。向き合うことができるのか。


いつかの野球少年のように
ピュアな気持ちで野球のできる日が来ることを願う。