「Leave The Planet」

長すぎた雨季が終わって この星を離れるときが来た
迎えに来た船は 遠く霧の向こうにかき消され
雨に濡れた生きものたちが 河口を目指す
広場ではまた今日も 生贄の首がはねられた


世界の果てで鍵を失うものと 拾うものと
二度と出会うことなく 風に舞う砂の中へ
空を往く船がその頭上を ゆっくりと通り過ぎる
いつの日か客室のひとつで 再会するだろう


流れだした血が 強い光を浴びて銀色に染まり
川の底に沈んだ言葉が 泡となって浮かび上がる
天使たちが そのひとつひとつをつなぎとめる
この星で迎える最後の朝を 誰が覚えているだろう