渋さ知らズ「月間不破大輔」などの山賊盤

渋さ知らズ、続き。
「月間不破大輔」の音源など、現在入手が難しいものについて。
今から10年ぐらい前まで、通信販売で海賊盤ならぬ山賊盤が販売されていた。
CD-Rにプリントしただけの簡単なもので、
正規の音源にはしにくい(いい意味で)偏ったものが多かった。
僕が他に持っているのは1998年年末のライブ音源『付幸のDISK』
かつての異色のヴォーカル伊郷俊行の音源を集めた『玉音』
1st『Be Cool』のオリジナルマスターだったか、『Never Be Cool』など。


2006年3月までは入手できたとのこと。
ネットで探ってみるとこの頃 AVEX でメジャーデビューしたので
忙しくてそれどころじゃなくなったんじゃないかと。
案外そういうものなのかもしれない。


※付記:探してみたらもう一枚出てきた。
『未発表音源集 2002年8月京大西部講堂前”テント渋さ”にて』
 1. 出島
 2. 反町鬼郎
 3. 捨吉
 4. タイトルなし(即興)
これも「月間不破大輔」ではなく、何かの特典でもらったのか。


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『ケイハクウタガッセン』(2000)


1999年12月27日、江古田バディでのライブ。
これは「月間不破大輔」ではなく、オフィシャルな山賊盤か。
「NEW GATE LABEL」というところから出ている。


Disc 1
 1. MC
 2. ンディーライ (もちろん「RYDEEN」のこと)
 3. 諸行でムーチョ
 4. 渚の男
 5. 曲名不明 (「Love Me Tender」だった。何で伏せてんだろ?)
 6. サリー
 7. 犬姫
 8. 白波慕情
Disc 2
 1. 反町鬼郎
 2. 真っ赤な夕陽が燃えてるぜ
 3. ライオン
 4. Pちゃん
 5. 校庭
Disc 3
 1. DADADA
 2. 世界中のおかまに捧げるバラード
 3. 君はこたえよ
 4. 本多工務店のテーマ


まあその年末なので紅白歌合戦を意識して、いろいろと歌い手が登場するんだけど…
なんかもうやばい。
反町鬼郎の絶叫は、なんらおかしなことは言ってないのに
思わず停止ボタンを押したくなってしまう。
地下鉄の中で聞いたら周りの人に見られてるような気がした。


AV女優、のちにシンガーとしても活動した冴島奈緒もゲストで。
歌ってるのは「白波慕情」だろうか。焼酎賛歌。
この頃のソロアルバムで渋さ知らズとも共演してるんですよね。


「世界中のおかまに捧げるバラード」はもちろん歌詞がやばい。ご想像におまかせします。
「君はこたえよ」は寺山修司作詞で、天井桟敷のアルバム『薔薇門』から。
70年代初めという時代のアングラな空気を切り取っている。


その他、当時の渋さ知らズの代表曲たちで、ベストな選曲、ベストな演奏。
このアナーキーさ。彼らの裏代表作だろう。
2時間半を超えるので通して聞くと相当ぐったりくる。
強いて言えば歌ものならば「天城越え」を入れてほしかった。


でもいかんせん、ミックスが肌に合わないというか。
両脇にドラムなど大音量のリズム、中央にソロ楽器。
渋さ知らズのライブアルバムの中では
ステージで聞こえる音に最も近いんだけど、それを CD や iPhone で聞くとなんか落ち着かない。


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『EURO 渋さ vol.1 チューリヒ編』(2002)


その名の通りヨーロッパでの演奏なんだけど、残念ながら vol.2 以後は存在しない。


 1. アングラーズのテーマ
 2. 行方知れズ
 3. ステキチ
 4. Pチャン
 5. DADADA
 6. 犬姫


CD-Rのプリントにも、記録用に撮影した映像から抜き出しているため音が悪いと書いてある。
でもこの公演はとてもよかったと。
確かに。きちんとした録音だったらこれは渋さ知らズの代表作のひとつになったと思う。


ひとつひとつの音が分離せず、団子のようになっているのは
そういうものとして聞けばそんなに悪くはない。
それ自体がひとつの楽器、ひとつの生命体のように感じられる。
King Crimson 『Earthbound』に近いと言えば、わかる人にはわかるか。
『Earthbound』のようにやさぐれてはなくて、むしろポジティブな演奏だけど。


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『無臭?』(2001)


渋さ知らズが少人数の編成で「渋さチビズ」として大学の学園祭に出たときのもの。
「シブサガクサイ」なので無臭? ということ。


僕が聞いてきた中ではこれが最もアングラな怪しい、妖しい音かな。
CDをかけてて、妻が具合の悪いときにたまたま居合わせたらかなり嫌がった。
そういう意味では臭いがきつい。


 1. バルタザール〜アンタラーズ
 2. 天秤
 3. 大沼ブルース
 4. フルムーンパーティ
 5. 行方知らズ
 6. ボーナストラック


和光大学 1997.11.2