仙台遠征(2日目)

昨晩は缶チューハイ2本を飲んで、ジャンボモナカも食べて
何かの番組が延長したのか
お笑い向上委員会のマシンガンズが0時過ぎになってそれを見て。
気が付いたら午前1時を過ぎていた。
 
古いビジネスホテルを買い取ったのか
部屋は狭くツインのベッドは小さく、机も申し訳程度にあるだけ。
しかし仙台駅に近くで安いところなのだから仕方がない。
寝ていて何度も目が覚める。
隣で寝ている妻を起こさないように苦労する。
 
7時前に起きて大浴場。
戻ってきて1階のコンビニへ。
妻に頼まれてオレンジジュースを買いに行く。
外は夜、雨が降り続けたようだ。
こころ旅の再放送を2本見る。
備え付けの電気ポットでお湯を沸かし、インスタントコーヒーを飲む。
 
終わって8時半、リュックサックを背負い、散歩がてら先に外に出る。
駅前に出る。
パルコの2号館の隣に行列。親子連れも多く、なんだったのか。パチンコ屋ではなさそう。
駅の地下から3階までを行き来しながら時間をつぶす。
朝定食的に牛タンを食べられる店がないかと思うが、さすがに牛タンストリートにはなし。
一階の肉屋にイートインを見つけて営業していたが、残念ながら満席。
地下街に降りて西へ真っ直ぐな道を歩いて一駅、あおば通りまで歩いてみた。
壁に貼られた広告のポスターがあるだけであとは無機質な空間。札幌市に似てるな、と思った。
 
10時前に妻と落ち合う。
2階のコインロッカーは一杯になりつつあって、3階の牛タンストリートのを使うことにした。
人気店の「善次郎」は早くも数十人が並んでいた。
 
火星の庭が11時開店だったので時間があるからと昨日見かけたみうらじゅんFESに行ってみることにした。
東口の東北福祉大学の校舎へ。
入場料1500円は暇つぶしにしては高いなと最初は思ったが、それは大きな間違いだった。
1人の天才による圧倒的なまでの煩悩曼荼羅のマグマの如き本流であった。
小さい頃の壁新聞に始まり、怪獣、仏教、アイドルとどんどんマイブームを乗り換えていく。
その傍らの膨大なスクラップブック
牛、ワニ、マツキヨ(松本清張)、(今となってはすっとこどっこいな)シングル盤のジャケット、
Since、らくがお、ゆるキャラ、飛び出し坊や、はかせたろう、カスハガ、蟹パン、冷マ、二穴オヤジ……
その間にアウトドア般若心経勝手に観光協会、スライドショーといった仕事が挟まってくる。
そのアウトプットの量、熱量たるや。量が質に転換するとはよく言われるが、ここまで来て初めて言えることだな。
圧巻は『無意識スクラップ」というタイトルだったか、
見る人が見たら気違いとしか思えないコラージュ(このパートだけ写真撮影不可だった)と
ピカソの『ゲルニカ』と同じサイズだという巨大な『コロナ画』
みうらじゅんのこれまでの半生の好きを詰め込んだ涅槃図。
圧倒された。
みうらじゅんがここまで天才だったとは。
薄々気づいてはいても認めずにいた。なんとなく後回しでいた。
それが本気で、襲いかかってきた。勝負に出た。
これは見たほうがいい。日本人なら、アートを志すなら特に。
圧倒的なパワーで力をもらえる。元気になる。
これで1500円は安すぎ。図録はなく、写真を撮って脳裏に焼き付けるのみ。
 
物販コーナーで文春文庫を買うとミニサイズのサイン式紙がもらえるというので
週刊文春に連載されている『人生エロエロ』を改めて買った。
 
いやー、すごかったと妻と言い合いながら駅に戻る。
11時過ぎ。牛タンストリートは案の定どこも行列。
そんな中、一番奥の「伊勢屋」という店が並んでない。
大丈夫かな? と思いつつ入ってみることにした。
この先歩きながら店を探すというのもうまくいくかわからず、
時間切れで牛タンにありつけない、というのは避けたかった。
妻も僕も、牛タン3枚6切れ、南蛮漬け、ごはん、テールスープのセットにしてとろろを追加した。
すぐ出てくる。牛タンはあっさり塩で焼いている。
以前仙台で食べた絶品の店には及ばないものも、普通に美味しかった。
 
この日はこのあと、妻のリクエストで古本屋兼カフェの「火星の庭」へ。少し歩く。
僕は編集学校の集まりで訪れたのが10年ぶりか。
僕は一人、先に、気になっていた近くの中古CD屋『DISKNOTE』に行ってみた。
小さな公園を横切る。雑居ビルの3階。
老夫婦が営む小さな店。
半分はジャズかレコードとCDと。
しかし残念ながら肝心のジャズを見る時間の余裕がなく、ソウルとロックのさわりを見て終わり。
それでもこれは掘り出し物じゃないかというのを2枚。
free soul のTKレーベルのコンピなど。
 
火星の庭に戻る。
妻は本を買ってコーヒーとケーキのセットを楽しんでいるところだった。
僕も本棚を眺める。
ちくま文庫で2冊。北村薫宮部みゆきが選んだ短編傑作選と哲学者木田元の半世紀。
友部正人の所蔵していたCDを1枚400円で売るという棚があって2枚購入。
Marianne Faithfulのベストと、Joan Armatradingの90年代のアルバム。
友部正人が取り出してトレイに乗せたのかと思うとドキドキする。
他、The Rolling StonesJanis Ian などのCDやソウル、ワールド系など。
 
14時前。仙台駅まで歩いていく。
駅ビルS-PALの中を歩いて時間をつぶす。
土産物やの集まっている妻が笹かまの詰め合わせを買う。
昨日から気になっていた出張出店のおにぎりも。
肉巻きおにぎりの玉子入りであるとか、仙台味噌焼きおにぎりであるとか。
「七曜星」という店で、元々はフルーツサンドの店だったと店員の女性が言う。
 
15時前、ロックアイスと缶チューハイを買い込んで新幹線に乗り込む。
中島らも『バンド・オブ・ザ・ナイト』の続きを読んで
先ほど買ったみうらじゅん『人生エロエロ』も。
そのうちに東京に着いてしまった。やはり1時間半はすぐ。
郡山を過ぎた辺りから外は大雨。
16時半には東京駅に着いた。
駅は大勢の人。
 
18時に家に着く。
みみたは隠れて姿を見せなかったり、食べなかったり、遊ばなかったりと
ペットシッターさんを困らせていたようだ。どれだけ寂しかったのか。
 
買ってきたおにぎりを食べる。
ここ、ほんとおいしいな。
というか、仙台はおいしいものばかりだったな。
妻と次はドリカムのツアーがないときに車で来たいという話になった。
大学生時代に従兄弟に連れて行ってもらった定義山で油揚げも食べたいし、
青葉城跡に伊達政宗の像も見に行きたい。
僕にとっては近くて遠い東北。