館山へ その4(勝浦へ)

日曜のこと。「こだま」で勝浦担々麵を食べた後。
 
「海の博物館」はそのすぐ近く。
小さなトンネルをいくつか超えて、「鵜原理想郷」という国定公園の入り口を過ぎて、
鄙びた民宿の並ぶ通りがあって、その先に建っていた。
この博物館もさることながら「海中展望塔」がいいのだという。
車を停めてまずは海の博物館へ。
この辺りで見られる海の生き物たちのジオラマなど。
貝やヒトデや魚たちに限らず、アホウドリといった鳥類の剥製も。
各展示にはワークシートを用意していてクイズに答えたり、
子供たちが遊びながら学べるようになっていた。
小さな企画展では大正時代や昭和初期の貴重な古い図鑑を展示していた。
アメリカ留学帰りで東京帝国大学初の日本人教授が記した、といった説明を見て
朝ドラの『らんまん』を思い出す。
 
外に出て海辺にある海中展望塔へと歩いていく。
浜辺に下りて砂浜を歩く人たちがいる。
入り口で妻が入場券を買う。
今日は海中の視界が3m程度ということで650円の割引料金となっていた。
昨日までの強風で海が荒れているのか。
ごつごつとした岩場の間に張り出された通路を進んでゆく。
快晴、日が出て海面が白くまぶしく、波も次々に押し寄せてくる。
地層がむき出しとなっている。
はるか下の方、波打ち際の岩場を見ると
獲れたいわしを保存するいけすが岩の中に四角く掘られている。それがあちこちに。
かつおやマグロを釣るときの餌にしたのだと海中展望塔の解説にあった。
 
展望塔に入り、らせん階段を下りていく。底に下り立つ。
壁に並んだ楕円形の窓を通して淡いグリーンの海水を眺める。
海水は水面の波に合わせて一方向に流れていくのではなく
アトランダムに都度様々な方向に動いていた。
その中を魚たちの群れが、あるいは単独で、泳いでいた。
マアジやメバル、イシダイといった魚がここでは泳いでいるという。
パンフレットにはネンブツダイヘビギンポ、オキナヒメジといった名前があった。
魚のことはよくわからず。
さかなクンのサインしたポスターがらせん階段の壁に貼ってあった。
 
海中展望塔から渡された通路をまた歩いていく。
入り江に押し寄せる波、岩場を洗う白い波を見ているだけで飽きない。
それだけで入場料650円の価値があった。
遠くには勝浦の灯台も見えた。
 
このエリアにはレストラン兼スパの新しい施設があった。
2階の屋外に展望スパがあるようだ。
展望塔から戻ってくるときに水着姿で歩く若者が見えた。
料金を見てみると土日祝は2時間で4,000円。高い。
ここ、そんなに広くはないけど2時間もいて楽しい場所なのだろうか……
と不思議に思った。
 
車に戻ってあとは帰るだけ。
房総半島の内陸部へと分け入り、国道297号線に乗って北北西、木更津を目指す。
途中いくつも勝浦担々麺の幟を見かけた。
山の中の道を行くと右を見ても左を見てもゴルフコースの看板ばかり。
途中、干物、刺身の看板を見かけてなめろうイカの刺身を買った。
 
養老渓谷のある大多喜町を抜けて市原市に入ったところで高速に乗る。
すぐ次の高滝湖PAで飲み物を買おうと休憩するも、トイレと喫煙所があるだけで
ゴミ箱と自動販売機はありませんと貼り紙が。
代わりにあるのはなぜかピラミッドのように大きな展望台。
ぐるりと取り囲むようにスロープを登っていく。
結構な距離にフウフウ言いながら展望台には到達する。
なんだここは。ベンチがふたつあるだけ。
高滝湖はダム湖なんだろうな。それを見下ろす風景は悪くはないが……
なんでこんなところにこんなピラミッドを作ったのか。
ダムの工事現場から出たボタ山を固めたものなのか。
野焼きの白い煙が上がっていた。
風のない絶好の野焼き日和なのか、その後あちこちで煙を見かけた。
 
木更津を過ぎたところから海ほたる渋滞。
アクアライン手前の料金所で全然動かない。
ようやく抜けるもノロノロと。
海ほたるも満車とあったり空きありと出たりで結局は満車すれすれなのだろう、
駐車場の空きを見つけるのにグルグル時間がかかりそうと素通りした。
そこから先はしばらくは順調に飛ばせたが、出口でまた渋滞。
地上に出て夕暮れの光。
大井PAでようやく飲み物を買うことができた
 
大橋ジャンクションから西新宿、西池袋と進んで板橋方面へ。
中台で下りて環八、平和台と経由して帰ってきた。
17時前。暗くなる前に帰ってくることができてよかった。
みみたもおりこうさんにしていたようだ。
大相撲を見て、孤独のグルメ
妻は運転に疲れてリビングのソファーベッドでうたた寝