先週買ったCD #173:2024/02/12-2024/02/18

2024/02/12: tower.jp
Bobbi Boyle 「No Love Song Forgotten Session Tapes」 (\2540)
タワレコのポイントで
 
2024/02/14: BOOKOFF 札幌南2条店
Bobbi Boyl 「A Day In The Life +2」 \1890
(Soundtracks) 「Million Dollar Hotel」 \550
(Soundtracks) 「The Commitments」 \330
 
2024/02/16: www.amazon.co.jp
Nina Hagen 「Unbehagen」 \1645
The Mad Capsule Markets 「Humanity」 \276
 
2024/02/16: diskunion.net
ハレルヤズ 「肉を喰らひて誓ひをたてよ」 \5250
Katy Perry 「One Of The Boys」 \380
 
2024/02/17: BOOKOFF 自由が丘駅前店
Alkaline Trio 「Crimson Deluxe Edition」 \1430
 
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Bobbi Boyl 「A Day In The Life +2」
 
今回も札幌の狸小路ブックオフから。
ジャズ・ヴォーカルの棚を眺めていて、たまたま目に留まる。
ボビー・ボイルのことは何も知らなかった。
「A Day In The Life +2」(1967)
「Bobbi Boyl Sings」(1969)
この2枚の紙ジャケが並んでいた。
ジャズ・ヴォーカル+ソフト・ロックといったことが帯に書かれていた。
なんか気になって、まずは「Bobbi Boyl Sings」の方を買ってみた。
このボビー・ボイルの歌う横顔だけのジャケットがかっこよかったし、安かったから。
(「A Day In The Life +2」が1,890円に対し、「Bobbi Boyl Sings」が1,100円だった)
 
オリジナルはマイナー・レーベルから発売。
全然売れずにひっそりと消えていく。
しかし、知っている人は知っている。掘っている人は掘っている。
よくある『幻の名盤発掘』!系のようだ。(だいたいは眉唾物なんだけど)
フランク・カニモンド・トリオといったところも見え隠れする。
発掘系女性ヴォーカルものとしては今のところこの2者が両巨頭なのかも。
フランク・カニモンド・トリオ(というか、ヴォーカルのリン・マリノ)は東側のピッツバーグ
ボビー・ボイルとそのコンボは西海岸のロサンゼルス。
 
とはいえ当時売れなかったからいい、今再評価されたからいい、というものではない。
「Bobbi Boyl Sings」を聞いてピンとくるものがあって、
次にタワレコで在庫があったので、「No Love Songs」という未発表曲集の国内盤を購入。
(生前のアルバムは「A Day In The Life 」「Bobbi Boyl Sings」だけとなるようだ)
そしてようやく1作目の「A Day In The Life +2」へ。
表題曲はもちろんビートルズ
そこに ”This Girl's In Love With You”といったバート・バカラックの曲や
”Up Up And Away”といったジミー・ウェブの曲、
ボーナス・トラックでフレッド・ニールの ”Everybody Talkin'”
(映画『真夜中のカー・ボーイ』で有名ですね)
 
”A Day In The Life ”というとジョンのパートがあって、ポールのパートがあって、
オーケストラが入って最後にあのエンディングへ。
到底ジャズに向いてないと思うが、それが何の違和感もなくジャズコンボの小品へ。
この人はアレンジの才能もあるのだな、と思う。
 
ジャズ・ヴォーカル+ソフト・ロックは、確かにそう。
というかジャジーソフト・ロックかな。このアルバムは。
逆に「Bobbi Boyl Sings」はジャズ。
1人きりピアノ弾き語りという曲もあって、なおさら。
(1曲目の ”Something” がジョージ・ハリソンのあの曲で。
 トニー・ベネットはじめ、いろんなジャズ・シンガーが歌ってるけど、ボビー・ボイルのもなかなかよかった)
 
「Bobbi Boyl Sings」の解説を読むとオリジナルのアルバムは上記の、1960年代後半の2枚だけ。
演奏活動は続け、テレビドラマの音楽などを担当と書いてあったような。
スター性、カリスマ性はないけど、深みと広さをたたえた良質な音楽を演奏する。
これぐらい才能があった人が当時全く世に出れなかったのか。
運・不運というのもあるだろうけど、アメリカという国の層の厚さを感じる。
後世になって、死後ではあるが、少なからず再評価されてよかったと思う。
 
未発表曲集は「No Love Songs」この1枚だけにとどまってほしい。
人気が出てきてなんでもかんでも発掘音源を出されてしまう、
音質の良くないデモテープだのスタジオアウトテイクだのを集めて
ジャケットも間に合わせ、みたいなのが何枚も出てくると興ざめ。
何よりも本人がかわいそうだ。
死後の墓を暴くようで。
そうならないことを願う。