先週買ったCD #172:2024/02/05-2024/02/11

2024/02/05: BOOKOFF 札幌南2条店
Bev Kelly 「Love Locked Out」 \693
S.E.N.S. 「Movement」 \330
Terence Trent D'arby 「Vibrator」 \330
(V.A.) 「Endless Highway the music of The Band」 \550
 
2024/02/08: BOOKOFF 札幌南2条店
Bobbi Boyl 「Sings」 \1100
Gloria Estefan 「Greatest Hits Vol.II」 \550
 
2024/02/09: www.amazon.co.jp
岡崎広志 「Living Voices」 \2580
Duke Ellington 「The Duke At Fargo 1940 (Special 60th Anniversary Edition)」 \2357
 
2024/02/10: BOOKOFF 上野毛
Julie London 「ジュリー・ロンドン・イン東京1964」 \1760
Jo Stafford 「Jo + Jazz」 \792
Carmen Mcrae 「Great American Songbook」 \1760
Walter Bishop Jr. Trio 「Speak Low」 \1210
 
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Duke Ellington 「The Duke At Fargo 1940 (Special 60th Anniversary Edition)」
 
仕事の方は最後の追い込みで、1月後半から毎週札幌出張。
土曜は自由が丘の店の手伝い。行けたら日曜も少し顔を出す。
自宅と羽田空港経由で札幌の大通・すすきの界隈、
自宅と自由が丘の往復だけでほぼ終わる毎日。
自然と、息抜きの場所が札幌の狸小路ブックオフと自由が丘のブックオフとなる。
どちらもロックの棚を掘り尽くして、ジャズの棚ばかり見るようになった。
デューク・エリントンのビッグバンドが気になり、
TBM(Three Blind Mice)レーベルの日本の70年代のジャズが気になり、
ジャズ・ヴォーカルの棚で聞いたことのない名前の女性シンガーを手に取ってみる。
そんな1カ月を過ごした。
 
狸小路ブックオフは3フロアで繁華街にしてはかなり大きい。
いつ行ってもなかなかのラインナップ。
自由が丘はまあまあか。
先週末、自由が丘の店を手伝う合間に休憩がてら大井町線に乗って初めて上野毛の店へ。
とても小さかったが、近所に住むマニアックな方が大量に売ったのだろう、かなり質が高かった。
大御所の著名な名盤は少なかったが、中堅どころや、有名なアルバムの限定盤がごろごろと。
ジュリー・ロンドン・イン東京1964」をリアルで初めて見た。
amazon で検索したら 7,000円近かった。
カーメン・マクレエ 「Great American Songbook」の完全盤も3,000円以上。
それがどちらも1,760円だった。もちろん国内盤、帯付き。
なんとなく名前を知っていたウォルター・ビショップ Jr. やジョー・スタッフォードも買ってみた。
 
先週の札幌ではボビー・ボイルとべヴ・ケリー。どちらも知らず、ジャケ買い
カサンドラ・ウィルソンの近作を次来たら買おうと思っていたら、誰かに買われてしまった)
アビー・リンカーンがビリ―・ホリディを歌う、というのをずっと迷っている。
 
出張中はホテルに戻って仕事をしていることも多い。
そんなときも、iPhone のスピーカーでジャズを流している。
静かなピアノソロか、ピアノトリオを。
この辺り聞かないだろうなというロックのアルバムを iPhone から抜いて、
どんどんジャズに置き換えていってる。
 
そんな中、今回取り上げたいのはデューク・エリントン
ジャズ初心者でも「A列車で行こう」という曲のタイトルを聞いたことがあると思う。
SimCity』と並ぶ都市計画シミュレーションゲームの代表格。
そのタイトルはここから借りたんですよね。
(曲自身も聞いたことあるはず。他、「キャラバン」や「サテン・ドール」といった曲も)
 
1899年(19世紀!)に生まれ、1974年没。
リーダー・アルバムだけで何十枚。
全然コンプリートできるわけがなく、この1カ月で40年代、50年代、60年代を1・2枚ずつ。
聞けば聞くほど、バンドリーダーとして、作曲家として、ピアニストとして
この人がジャズ界に残した影響の大きさはとんでもないなと思う。
アメリカのジャズ界ではなく、全世界の。
 
僕が最初に聞いたのは「Money Jungle」(1962)
これはビッグバンドではなく、チャールズ・ミンガスがベース、マックス・ローチがドラムのピアノ・トリオ。
これが口当たり甘いラウンジ・ジャズになるわけがなく、もはや異種格闘技
60年代後半のフリージャズという『難解』なものとは別の、
70年代前半のエレクトリック・マイルスとは別の、
ジャズのひとつの極点だと思う。
その当時、60年代初頭のジャズとして行きつくところまで行ってしまった。
 
この 「The Duke At Fargo 1940 (Special 60th Anniversary Edition)」 は
1940年のライヴアルバム、2枚組。
40歳を過ぎていて、楽団は運営していたものの、当時レコーディングの機会がそうそうあるわけではなく。
アルバムとしてどんどん形になっていくのは
ようやく「Hi-Fi Ellington Uptown」(1952)など、50年代になってから。
(1940年代も「Masterpieces by Ellington」(1945)などありますが)
 
1940年の録音、よく残ってたなあ。
1950年代に入ってジャズが変革されてからのビバップやモードジャズの前。
かといってプリミティブなものではなく、スイング・ジャズとしてはこの時期既に全盛期を迎えている。
ゴージャスできらびやかな、大人の夜会用音楽とでもいうか。
しかし、この時代のデューク・エリントンの場合、白人向けに忖度したものではなく、
ジャズという音楽が生まれたときに孕んでいた猥雑なドロドロした部分をかなり抱えている。
聞いていると密林をかき分けすすむかのよう。
 
メンバーはテナーにベン・ウェブスターやアルト、ソプラノにジョニー・ホッジズなど。
(その辺りまではわかったけど、他メンバーのことはよく知らず…)
ピアノはデューク・エリントン自身が弾いているようだ。
 
今聞いても全然物足りないことはない。
ジャズはこの頃にして、ひとつの完成形を見せていたのだな。
「Masterpieces by Ellington」と、「Hi-Fi Ellington Uptown」と、
それがどんどん洗練されていく。
そういった聞き比べも面白い。