『虎に翼』と『オードリー』

今期の朝ドラ『虎に翼』が始まって、3週目。
『らんまん』『ブギウギ』と続けて、これはクオリティ高そうだなと。
それまでの朝ドラたちの迷いは何だったのろう? ハテ? と思ってしまう。
(ピンと来ないのは米津玄師の主題歌ぐらい)
 
このところ朝ドラのクオリティがかなり上がってるな、と感じたのは
前期のBSでの『ブギウギ』と『まんぷく』の組み合わせ。
まんぷく』はオリジナルの放送を見ていて、当時は面白く感じていたんだけど、
『ブギウギ』と比べたらかなり今一つだった。
 
特に後半。
まんぷくラーメン(チキンラーメン)、まんぷくヌードル(カップヌードル)の開発が
ストーリーのメインになってくるとそれだけでは話が持たず、
まんぺいさんの娘が外国人と恋愛?
要潤の画家に弟子入りした若者が恋愛?
といったサブストーリーと抱き合わせとなった。
それらのメインとサブは独立していて特に絡み合うことがない。
とってつけた感があった。
メインのストーリーでは間が持たなかった。
 
『らんまん』や『ブギウギ』にそれはなく、
メインとサブのストーリーが有機的に絡み合ってそれぞれに必然性があった。
それは要するに、それぞれのキャラクターがそれぞれの人生を歩んでるという
確かな手ごたえを感じさせることができた、ということなのだと思う。
『虎に翼』にもそれがある。
 
『虎に翼』がよくできてるなあと思うのは、
直前に放送される今期のBSの再放送が『オードリー』だから、というのも正直大きい。
初めて見た。
大竹しのぶ賀来千香子藤山直美國村隼といった配役が豪華なのに、
ストーリーというか設定がトンデモすぎて。
先週まで、日々明らかにされる設定がハチャメチャすぎて内容が頭に入ってこなかった。
 
大竹しのぶ演じる”おかあちゃま”の独善的な子育てスタイルとその強引な実現。
それに輪をかけて変人な段田安則扮する、アメリカでは”天才だった”父親の鬱陶しいだけの言動。
これ、普通なら病むよ…… 毎回ぞっとしながら見ている。
悪夢でしかない。
母親からの過度な期待と理想を押し付けられて娘の人生が破綻する、という話を最近よく目にするが、
よくこれ、再放送できたな。
これ以上の問題作、朝ドラにあっただろうか。
 
地獄の15分が終わって『虎に翼』となってホッとする。
どちらも、母は娘に対して自分の価値観を押し付けようとする。
しかし、『虎に翼』は母の方が理解を示し、方向転換することができた。
『オードリー』は一切変化せず、同じ毎日が繰り返される。
この一点だけでもだいぶ時代が変わったな、と思わせる。
 
いや、ほんとこれから『オードリー』どうなってしまうんだろう。
ヒロインの恋人役が長嶋一茂というのも、別の意味で不安。