本を出します その5(出版契約)

出版社より契約書類がメール便にて届く。
契約書類が3種類入っていて、自分の名前を書いて捺印して返送する。
出版社に出向いて顔つき合わせて「では、ここに押してください」とするのではなく、
ドライに機械的に行われる。ま、こんなもんかと思う。


著作権者(つまり僕)を「甲」とし、出版社を「乙」とし、
2通ずつ作成して1通は僕の方で保管する。
割印を押すときにうまくいかなかったり、
乾いてないのに触ってしまったりで
失敗した方を手元に残すことにする。


契約書を一応読む。
いろんな意味で「はー・・・」と思う。
めんどくさいもんだなあ、難しいもんだなあとか、
ここから僕はどっか行っちゃうのかもなあとか。
「契約を交わす」という行為はやっぱこの現代社会では
それなりに重いことなわけですよ。
いいんだろうか、これでいいんだろうか、と何かにつけて不安になる。
心の中がぎこちなくなる。
契約なんて普段しないですからね。
独身生活の長いサラリーマンだったりすると。
でもよく思い出してみるとアパートを借りるときにも同じように
甲と乙で気難しげな契約書を大家さんと交わしたし、
つい最近だと祖父の家を取り壊すときに
建築業者の事務所で契約書に判を押している。
大丈夫だよな、と思い名前を書く。


契約書とは別に著者のプロフィールを記入する用紙があった。
と言っても自己紹介カードみたいなものではなくて
住所氏名生年月日職業ぐらいのもの。
ただし項目ごとに公表可否を指定する。


写真を同封してくださいとあったが、ないことに気が付く。
ないんですよね、紙に印刷した写真って。特にここ2・3年。
なんかの申請で撮ったスピード写真の残りを使うってのも嫌だし。
(しかもそれをカッターで切り抜いたりするのはもっと嫌)
電子データの画像ファイルにも適当なものがない。
日々の暮らしで誰かに写真を撮られるってことがそもそもない。
結婚式の2次会ぐらいのときしかないのかもしれない。
そういうときの写真って誰かと一緒に写ってて酔っ払ってるものだから
やはりこれも使えない。


なんにしても本には顔写真は載せたくないですね。
恥ずかしくて。

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契約を取り交わして出版費用を振り込んだら、
担当の編集者がついて本格的に製作が開始される。