ロス(9/7)その23 さらばメキシコ

23時半に寝て、午前2時半に目が覚める。腹が下ってる。トイレに。
持ってきていた胃腸薬はどちらかと言えば飲みすぎ・食べ過ぎ用で、
正露丸を持ってくればよかったと悔やむ。
これ、やばいよな。飛行機乗ってる間とかロス観光の間とか。
昨晩は腹の中が熱かった。今はケツの穴がヒリヒリと熱い。


その後ベッドの中でうだうだしている間に眠ってしまったようで
6時に目覚ましが鳴って起きる。
身の回りのものを片付ける。リュックサックに詰める。


部屋を出る前にデジカメの写真を整理する。
スマートメディアの一番容量の大きい128Mを持ってきたものの
画質とサイズを最大限に上げているため、撮れる枚数は100枚もない。
到着3日目には使い切る。
その後イマイチな写真を逐次削除しながら撮影を続ける。
かなり消してしまった。
基準は絵的に構図が狂ってるもの。
警官に見つからないようにこっそり撮ったものであっても
斜めっていたら泣く泣く消す。ピンぼけは論外。
太平洋上空の夜明けだとか。
チャプルテペック城2階の大統領執務室であるとか。
メキシコシティの普通の通りを撮ったものはあらかた消してしまって、
これは「そこまでしなくてもよかったな」と後悔する。
等身大のメキシコシティよすがをしのぶものがなくなった。
残っているのは各博物館・美術館の外見や中庭や
国立人類学博物館の展示物のあれこれやティオティワカン遺跡。
高くついてももう1枚持って来ればよかったか。
でもそうしたらイマイチな写真が増える。
厳しく淘汰していくことでいい写真だけを残すようにしたい。


テレビをつけてニュースを見る。
中継にて日本が映る。なんだろうと思うと台風が上陸したようだった。


6時半にチェックアウト。特に問題なし。
ホテルから空港までどうやって行こうというのが日本を出る前の心配事項の1つだったが、
昨日の経験で地下鉄に乗るのは問題ないことが分かっている。
乗り換えは2回必要で面倒だが、空港まで走っている。
ホテルの前に止まっている黒い車たちはタクシーであることも分かった。
外に出るたびに「タクシー?」と声を掛けられる。
どちらにしよう?
地下鉄は既に始発が出ているんだけど、そして2ペソと格安だけど、
ラッシュなんてものがあったりしたらやっかいだし
昨日は厚手のビニール袋だけを持ってたから市民っぽくて安全だったのが
大きなリュックサックを担いでいたら「旅行者だ、カモだ」となるかもしれない。
タクシーで行くことにする。150ペソ。
行きが450ペソだったことを考えると「まあいいか」と思う。
ドルを別にすると所持金は残り100ペソとなる。
だいたいちょうど使い切った。2万円分。


メキシコシティはまだ夜。夜明けが徐々に始まったところ。
真っ暗なメキシコシティの街並みをタクシーは走る。
幹線道路を飛ばす。さらばメキシコ。


空港に到着する。アエロメヒコのチェックインカウンターは長蛇の列。
上のクラス、普通のクラス(Clase Turista)のトランク1つ、
普通のクラスのトランク2つ以上、と3つにカウンターが分かれていて、
トランク1つのところだけが大変なことになっている。
並んでるのはメキシコ人ばかり。
台の上に置いてあった出国票みたいなのを列に並びながら記入している。
トランク1つだと書いてあるのに2つも3つも持っている人がいたりする。
「1つだけ」というのが英語で書かれているからか。


見ると係員がトランクの中のチェックを行っている。割と念入りに。
昨日僕が買ったタバコは大丈夫だろうか?
(日本に持ち込む際は200本までだということがわかった。たぶん余裕で超えている)
持ち込み禁止の掲示のところには火器なんかと一緒に
CO2の発生するスプレーや台所の洗剤がリストに上がっている。
台所の洗剤も火がつきやすいからか。
どうしようかなあと思いながらチェックの台のところに差し掛かる。
外国人旅行者の利点か、係員は僕の姿が目に入ってないかのように扱う。
検査されているのはメキシコ人だけ。


掲示のところにはタバコとは書かれてなかったが、チェックインの手続きの際に
荷物の中にタバコやマッチは含まれてますか?と聞かれた。とっさにノーと答える。
タバコは免税店でも買えるのに、機内に持ち込んだらいけないのか。
いけない気はするが、だったらなんで免税店で売っているのだろう。
あれはパッケージがしっかりしているので安全ということなのか。


ロス到着時のリコンファームがうまくいってたのか
それともリコンファームって儀式的なものでしかないのか、
チェックインそのものはつつがなく終わる。


セキュリティチェックを通過して、後は飛行機に乗るだけとなる。
DUTY FREE の店が並んでいて、
スペイン語で(たぶん)「ようこそ」とか「さあ、見てってよ」とか声を掛けられる。
フライトは9時40分で、この時点で7時半前。時間はいくらでもある。
一番大きな店に入って、ゆっくり時間をかけてメキシコ土産を選ぶ。
母と妹、大家さんのところにはコーヒー豆とサルサソース、
会社にはアルコール入りのチョコレートを。
これは3種類あって、カルーアとマリブーとリキュール。
自分用にメキシコのテキーラの小瓶のセットを、とも思うがやめておく。
こういうの買うと飾るだけで飲まなくなるし、飲みたかったら東京でも手に入る。


時間が来るまでロビーで待つ。コニー・ウィリス「航路」の続きを読む。
アナウンスがあって、どうにか聞き取ると出発ゲートが変わったらしい。
大きなリュックサックを背負って移動する。
首都の国際空港だけあって、国内・国外合わせて32のゲートがある。広い。
27番のゲートへ行くと日本人らしき人が何人かいる。でもお互いに話したりはしない。
ただそれそれの時間を過ごすだけである。