メキシコ(9/3)その6 メキシコシティ到着

入国審査はなんてことなく終わって、有名?な税関へ。
パネルが立っていて、ボタンを押せという。
いろいろ調べて仕入れた情報では棒ということになってたんだけど。改良されたのだろうか。
押すと緑か赤が表示され、緑だとスルー、赤だとチェックを受ける。
どちらが出るのか、はランダムらしい。
押してみる。なんか当然のごとく赤になる。
僕の後ろもことごとく赤でチェックを受けている。
これってランダムなんじゃなくて、混雑状況によるのではないか。で、僕のときは空いていた。
チェックとは言ってもリュックサックの中を開けただけ。たいしたことにはならない。


この税関のポイントのすぐ近くに出口。
出迎えなのか客引きなのか、警官が立っていてその近くの柵は大勢の人たちでごった返している。
大勢は大勢であるが、暴動寸前の刑務所で囚人たちが柵を掴んでるような、ああいうところまではいかない。
(僕はそういうのを想像していた)
アジア人観光客ってだけであれこれ声を掛けられて身動き取れなくなるのではないかというとそれもない。
サーッと素通り。何もなし。拍子抜け。
あんまり危険な印象は受けなかった。こちらが頓馬な挙動をしない限り大丈夫ではないか。


タクシーチケットの買える場所を探す。
空港内にあったらしいんだけど、見つからない。
あちこち盛んに工事していたからそれでわかりにくかったのか。
「リブレ」と呼ばれる流しのタクシーを捕まえるとぼられたり、
場合によっては強盗に遭ったりで危険らしい。
なので「Authorized Taxi」という公認のに乗らなくてはならない。
施設の掲示を見たら乗り場があるようなので外れの方まで歩いていく。
行ってみるとタクシー乗り場とは思えないぐらい活気がない。
工事中なのかなんなのか売り場があっても人がいなかったり。
リュックサックをしょってカモが現れたのに誰も声を掛けてこない。
引き返してみる。空港の反対側とかどっかにないものか。
人ごみの中に入っていく。相変わらず僕は空気のように人々の目に付かず、混雑を通り抜ける。
空港の中央出口を出てみると「Authorized Taxi」のチケット売り場のブースがあって、
中では男が1人暇そうにしている。
もう1人の男がその外にいて、そのもう1人の方が僕に話し掛けてきた。
「観光客か、どこまで行くんだ?ソナ・ロッソか?」とスペイン語で。
スペイン語はわからないんだけど、雰囲気と「ソナ・ロッソ」という単語で意味を掴む。
「ソナ・ロッサ」とは僕が泊まることになるホテルのある、メキシコシティの中心部の地名。
ホテルがどうたらこうたらというので、バウチャーを見せてホテル名を告げる。
そのホテルまで乗せていくと言われる。金額は450ペソ。
450ペソ!?日本円にして5千円。
でもまあ仕方ないかと思う。他に見つからないし。
一応「Authorized Taxi」に乗せてもらえるみたいだし。
ものすごく大きな7人乗りのタクシーに1人で乗る。
僕が乗り込むと客引き?の男が運転手に行き先のホテル名を伝える。


走り出す。
メキシコの交通ルールはあってないようなものだと聞かされていたが、まあだいたいのところそう。
もっと荒っぽいのかと思ったらそうでもない。3年前の上海の方がよっぽど危険だった。
メキシコシティの街並みが夕暮れから夕闇へ移り変わっていく。
色とりどりの派手な看板が掲げられている一角もあるが、
もっと地に足が着いたような、ひっそりとした住宅地もある。
ラジオではDJが何かを喋っている。
交差点で停まったとき、火を吹く芸を披露する芸人が
持っていたたいまつのようなものを顔に近づけてゴーッとオレンジ色の火を拭いた。
たいまつを持ちながら車1台1台をめぐって歩く。お金を求めているのか。
僕のところ来るだろうなあと思っていたら案の定近付いてきて止まる。
運転手が彼と挨拶を交わし、世間話のようなことをわずかに話すと、彼はすぐにも他の車のところへ消えた。


ホテルには無事に着く。代金を2重に請求されないどころかチップも請求されない。
実はこれが正規の値段だったりするのかもしれないなんて思った。
7人乗りに1人で乗ってたからこんな値段になったとか。2・3人だったら安くなる。
インターネットのどこかでそういう似たような状況を読んだ覚えがある。
それにしても450ペソは高すぎだよな。


「Casa Inn」というホテル。
地球の歩き方」にも乗っていて、日本人がツアーでよく利用するとある。
でも日本人は見かけない。(その後ずっと、そう)
チェックイン。片言の英語で。向こうも片言の英語で。
チップを払いたくないのでポーターを雇わずに自分でエレベーターに乗っていたら
カード式のドアを開けることができなかった。
仕方なく引き返してフロントで事情を伝えると、
フロントの女性自ら僕の部屋まで赴いてドアの使い方をレクチャーする。
こいうのってとても恥ずかしい。


ようやく到着。1日の終わり。
テレビをつけるとワールドカップの予選でメキシコ対アメリカをやっていた。
メキシコの方が強いんじゃないのと思っていたらアメリカの方が勝ってしまった。2−0で。
そういえばアメリカもメキシコも代表選手の名前を知らないな。。。
その後メキシコ版「ミリオネイア」みたいな番組を見た。


浴室は残念なことに浴槽なし。シャワーのみ。
四つ星ってことになってるんだけど、冷蔵庫はないし、空調の操作もできない。
寒くて堪らない。。。


現地時点にして午前1時近く。メキシコシティの繁華街にも近い中心部だというのに、割と静か。
車の音しか聞こえない。