ジェレミー

そこには宇宙空間が広がっていた。
漆黒の闇。
その遠く向こうにとてつもなく大きな存在が真っ白な光を放っていて、
さらにその背後には無数の、透き通った輝きがあった。
ジェレミーは目を閉じた。
裂け目に向かって、強い力で体が引っ張られていくのを感じた。
風に煽られるような。突風が吹き荒れて裂け目の中へと吸い込まれていく。
足元を救われて倒れこむとジェレミーはモールの床にしがみついた。
何か右手に触るものが、しっかりと床に固定されていて引っかかった。
恐る恐る目を開けると、ショーウインドウには亀裂が走っていた。
そのささくれ立った筋が天井に向かって伸びていった瞬間、大きな音を立てて粉々に砕け散った。
とっさにジェレミーは両腕で顔を覆った。
分厚い破片がいくつか勢いよくぶつかってきた。
中に飾られていたジャケットや冬物のコートが鈍い音を立てて空中を飛び交う。
つかまるものがなくなって体が強い力で引きずられる。
あわてて床の上を手探りで探すが、ガラスか何かの破片以外に見つからない。
片手で顔を覆いながら薄目を開ける。強引に身をよじって背後を見つめる。
裂け目はさらに広がっていた。
マネキンがフッと吸い込まれるところだった。
いや、もしかしたら生き残っていた誰かなのかもしれない。
そうだ、もしかしたらあれは・・・
その瞬間、ジェレミーの体は浮き上がっていた。
ふわっとした感覚に包まれたのも最初だけ、
次の瞬間には全身を無理やり持ち上げられ、空中の一点に向かって運ばれていた。
その速さとか体を貫く強烈な痛みを感じている余裕はなかった。
最後の瞬間に目にしたものは真っ暗闇の向こうに浮かび上がる青と白の惑星、地球の姿だった。
地球は大小さまざまな裂け目で覆われ、かろうじて球体を保っていた。
ジェレミーは宇宙に放り出された。
分解された細胞の一つ一つが燃え尽きていった。

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試しにこういうの書いてみたんだけど、難しいもんだ。
まだまだ全然文章能力が足りないな、ということを思い知らされた。
今日これから一日仕事しなきゃいけないのに、朝からものすごくへこんだ。
基本的にリアルなアクションものは書けない。
臨場感ないよなー。


テーマは超ミクロなブラックホールに飲み込まれた地球。
地球最後の日。
そこでは次元がゆがめられている。
時間と空間が瞬間的に奇妙な接合を果たし、すぐにも破綻する。


修行あるのみ。
またこういうの書こう。次はSFっぽくないやつ。