「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」

昨日は会社を休んだ。祝日とくっつけて週の半ばの連休となった。
一昨日に引き続き、映画を見に行く。こっちは1人で。
1人となるとミニシアター系。
前から気になっていた「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬
トミー・リー・ジョーンズが主演にして初監督。
いきなり去年のカンヌで主演男優賞と脚本賞を獲得。


テキサスとメキシコの国境沿いが舞台。
カウボーイの初老の男が、殺されたメキシコ人の友人を馬の背に乗せ、
その(間違って)殺した若い国境警備員も無理やり連れて、
「死んだら故郷に埋めてほしい」という生前の約束を守るため
国境を越える旅に出る。


奇しくも「ブロークバック・マウンテン」と二日続けて
現代のカウボーイが主人公の映画を見たことになる。
恐ろしく完成度の高い「ブロークバック・マウンテン」と比較すると、
さすがに「メルキアデス・エストラーダの3度の埋葬」はあれこれ隙がある。
でも「ブローク・・・」が姿勢を正して「鑑賞」すべき映画だとしたら
「メルキアデス」はもうちょっとフランクでカジュアルに見れるところがいい。
「男の友情」「約束を果たすため無茶をする」「時代遅れな孤独な男」
というテーマも僕としては非常に好き。
(家族の待つ故郷ヒメネスがどういう場所かわかって、
 その家族というものが実はなんだったのかわかる結末部分は秀逸ですね)


僕は西部劇の雰囲気というものが大好きで、
タイムマシンがあってどこかの時代を見れるというのなら
カウボーイ全盛期を是非とも見てみたい。
生まれ変わったらカウボーイになりたい。時代を遡れるのなら・・・
ああいう無骨な生き方、憧れです。
二日続けて見てて何よりもやりたくなったのは
瓶から直接ウイスキーを飲むってことで、
今部屋の中でやってもしょうがないから、やはり火をおこして焚き火の側で。
燻製の肉を炙って焼きながら。カウボーイハットかぶって。
余計なことは何も口にせず、男のルール、西部のルールみたいなものが
無言のうちに共有されている。
ブーツにワークシャツにバンダナ。でも、似合わないんだろうな・・・
(そういえば先日、オカムラさんは「パンダに似てますね」と言われた)


なーんて西部劇の憧れを書いてしまったが、
トミー・リー・ジョーンズ自身は
この映画のことを西部劇ではないと言っている。
あくまでこれは国境に関する映画なのだと。
なるほどな、と思う。
これまた「ブローク」同様、たまたまカウボーイだったというだけ。
国境を越えるという行為、その難しさ、をメタファーとして
この時代に不器用に生きることの何たるかを語っているわけですよね。
なんかそう考えるとこれって男の見る映画であって、
女性が見てもピンと来ないかもしれない。


「だったら私、西部劇に出てくる酒場の女が憧れです」
という人いないもんかね。

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初回に恵比寿ガーデンシネマで見て、その後昼メシということで
前から気になっていたスープカレー屋「YELLOW COMPANY」へ。
行く途中、大学の後輩にばったり会った。
この近くで働いているのだという。
そいつもカレー好きで、
「YELLOW COMPANY」で食べてきたばかりってことだった。


入って、野菜とベーコンのスープカレーを頼む。
・・・うまい!!


下北沢の「マジックスパイス」もうまいけどこっちも負けてない。
マジックスパイス」がヴィレッジ・ヴァンガード系の雑多な店だとしたら
「YELLOW COMPANY」はさすが恵比寿にあるだけあって
美容室かカフェのよう。ボサノバが流れてそうな。
恵比寿の奥まった場所にあって、最初外から見ると何の店かわからなかった。


仕事はクリエイター系です、とかバリバリなキャリアウーマンですっていうような
おしゃれなお姉さんたちが連れ立っておしゃれな椅子に座って会話を楽しんでいた。
あるいは1人の時間をゆっくりと過ごしていた。
男性1人という客もちらほらと。
自分の時間を自由に使える会社員であるとか。
カレー屋とは思えない。


ちなみに、かかってた音楽はボブ・マーリー

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「YELLOW COMPANY」が明治通りにあったのでそのまま歩いて渋谷へ。
レコファンに寄っていく。
センター街の方の店がこの3月で閉店になるようだ。
学生時代から通ってたので少しばかり寂しい。


メンバーカードによる割引もなくなるとあって、
レコファンやばいのかもな・・・と心配する。
もう何年も前になるけど、吉祥寺の広かった店もなくなったしなぁ。