本を出した出版社が倒産した その10(その後のこと5)

昨日の朝日新聞にも、倒産のことが取り上げられていた。


フジテレビでもワイドショーで取り上げるみたいだ。
取材協力というか情報提供の依頼が僕のところにも来た。
僕は mixi のコミュニティに話を振っただけなんだけど、
その後何人かの人が熱心に情報提供を行なったようだ。
出版者の元社員の方に連絡を試みたり。


昨日18日の夜、家に帰って来たら碧天舎の封筒が届いていた。
「なんだろう?」と思って裏を見てみたら破産管財人の名前が。
何か決まったのかもな、と開けて読んでみたら
あれこれ進展して方針が定まったということで、その連絡だった。
書かれていたことを要約すると以下の6つ。
カッコ内は僕の補足です。


1.挨拶
FAXによる問い合わせが多数来ているが余りにも多すぎて個別に対応しきれない。
よって文書で統一的な対応を連絡する。


2.出版契約等の解除
碧天舎との出版契約は全て解除となる。
著作者は今後別な出版社と出版契約を結んでも問題はない。


3.原稿の返還
破産管財人の管理下にあるものは4月末までに順次著作者へと返還を行なう。
ただし、この頃までに返還がなされなかった場合は、
破産管財人の管理下にないものと捉えてほしい。
(たぶん、単純に見つからないとか誰のものか判明しなかったとかいうケースもあるだろうし、
 僕のように出版が1年近く前だと、返せるものは既に返されているだろう)


4.今後の出版
破産手続き開始後、「数多くの出版社」から様々な協力の申し出を受け、
諸般の事情を検討してみたのであるが、
破産管財人から他の出版社への引継ぎは行なわないこととした。
各著作者が直接、他の出版社と協議を行なってほしい。
(つまり、碧天舎の預かった原稿や出版物が一律どこかの出版社へと引き継がれて
 製作や販売が行なわれるということはない)


5.在庫書籍の著作者各位への頒布
倉庫に存在する在庫の書籍については、
倉庫業者に対して著作者であることを証明する書面を示した上で、
6月15日までの間、業者の担当の方に連絡し、在庫の確認を行なったのち
現金引換、現金書留または振込送金にて代金を前払いすることで、
定価の2割相当額で購入することが可能となった。
ただし、この購入に当たっての印税は発生しない。
また、6月15日を経過した場合は断裁処分となる。

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まあ、こんな感じ。
僕的には終わった。これが知りたかったことの全て。
引き取ろうかどうしようか。300冊あったら6万になっちゃうんだよな・・・
これはけっこう大きい。
しかもその300冊を今後どうするか?
(いや、残り何冊なのか全然わかってないですが)
amazonマーケットプレイスで売るのもありだけど、そんなすぐにはさばけないよな・・・
それ以前にどこで保管しようか。
ランクルームで眠ることになるか。
実は、使い道がない。


僕はこの決定でよしとするんだけど、今回の連絡では
自費出版・共創出版をしようとして契約して
振り込んだ直後に倒産してお金の返ってこないという
最も困難な状況にある人については何も触れられていない。
(諦めるより他にないということなのだろうか)


大きく分けて著作者(債権者)の立場は
「既に出版してる人」「まだ出版してない人」この2つに分かれるんだど、
前者は方向性が定まって一部沈静化(?)し、後者は引き続き暗中模索となるか。
なんだか思いっきり運命を分けたように思う。


mixi のような情報源を利用できず、
地方に住んでいて周りに相談相手のないお年寄りの方であるとか、
カードローンを組んだばかりで支払いが残っている方とか、
それぞれの人が様々な事情を抱えたままなのは何も変わらない。


あと、最大の謎である「なぜ倒産したのか?」
これは依然として闇の中。今のところ明らかになっていない。
いつか明るみに出ることはあるのだろうか。