「不都合な真実」

土日出た分の振り替え休日をきちんと取りなさいってことで今日は休み。
今週ずっとトラブル連発でその対応ばっかりやってて、昨日でいったん収束したものの。
休んでる場合じゃない。でも休む。
渋谷の HMVツジコノリコの新譜を買って(インストアライブの整理券を入手)
浜松町の貿易センタービル14階の内科で花粉症の薬をもらう。
椎間板ヘルニアの牽引治療を受けていた頃に、ついでに内科でもらうようになった)
東京駅地下の「くじら軒」でチャーシュー・パーコー麺に味付け玉子追加を食べて、
来週末の帰省に備えて団子を買って送った。
店員のおばさんは僕が伝票に書いた住所を見て、「あら、私の実家と近く」と驚く。
野木和公園のほうだと言う。
八重洲ブックセンターオアゾ丸善小学館文庫の中上健次選集を探す。
店頭在庫のみ。「十九歳の地図」「地の果て 至上の時」「日輪の翼」を見つけて買うものの
肝心の「岬」「枯木灘」が見つからず。代表作はなくなるのも早いね。
で、「不都合な真実」を見た後で出社。
来週の段取りの打ち合わせだけ顔出して、終わったら即帰る。

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アル・ゴアクリントン政権にて副大統領を務め、
2000年の大統領選挙にてブッシュに敗れる。
この敗れ方の是非についてはあれこれ取り沙汰されているので、
この人の名前をまだ覚えてる人も多いのではないか。
(「華氏911」など、参照)
それでなくても、情報スーパーハイウェイ構想って主唱者はこの人ですよね。


あと、僕が今個人的に思い出すエピソードとしては
夫人が、猥褻な歌詞は子供に聞かせるべきじゃないとして
アルバムにステッカーを貼るとかレイティングするとか言い出して、
かのフランク・ザッパが猛反対、公聴会で発言をしたってこともあった。
そのときにできたアルバムが「Frank Zappa Meets The Mothers Of Prevention」


大統領選挙での敗北後、アル・ゴアはライフワークの地球温暖化問題に本腰を入れ、
全米のみならず世界各地で講演を行うようになった。その回数は1000を超えるという。
その講演の模様がメインで、
アル・ゴアの日常生活がちょこちょこ間に挟まるという構成のドキュメンタリー映画
昨年のアメリカで大ヒット、アカデミー賞のドキュメンタリー部門の受賞は固いとされる。


面白い映画だった。思わぬ拾い物。
数値データを効果的に図表やイメージにしたものを背景に映しつつ、
地球温暖化問題についてアル・ゴアが語る。
さすが大統領候補だっただけあって、その語り口は親しみがありつつ、力強さも秘めている。
思わず聞き入る。英語が分からないとしても、その立ち振る舞いと口調だけで多くが伝わってくる。


見終わって「やばい」とこの僕すら思った。この地球がいかに危険な状況に陥ってるか。
「何かしなくちゃ」「できることはないだろうか?」と考えた。
月1で土日にできるボランティアとかそういうところからなんかできないか、
なんてことを見終わった後ずっと考えていた。
環境問題や地球温暖化問題についてはあれこれ日々目にするので
「そうだよなあ、まずいよなあ」とその都度思うことになる。だけどすぐにも忘れる。
でもこの映画を見終わった後だと、
忘れたり人任せにしてるわけにはいかないなと思わずにはいられない。
ココロに深く訴えかける作品ではない。
観測事実を元に淡々と語っているだけ。
それが逆に説得力を持つ。


何よりもアル・ゴアの魅力なんだよな。
誠実さ、強い意志、温和なユーモア感覚。
かっこいいとすら思う。
政治家だから恐らく裏の顔とか汚いこととかいろいろあって
そういうのはもちろん映画には出てこないんだけど、
これだけの活動をしてるのならば、全然ありでしょう。
これぞ政治家だ、政治家のあるべき姿だ、と僕は素直に感動した。
壮大な理想に向かって長い年月をかけてコツコツと突き進んでいく、
その分野の第一人者の言葉を真摯に受け入れていく、
ヴィジョンを様々な人たちに語りかけていく、問題を共有して仲間に引き入れる。
日本の政治家にはこんなすごい人出てこないかもな。
アル・ゴアを持ち上げすぎの映画にベタにはまってるだけかもしれないけど・・・)


エンドクレジットに
この映画を見たあなたが行うべきこと、みたいなのが出てくるんだけど、
そのなかの1つにアフリカのことわざがあった。
If You Pray, Move Your Feet. 「祈りとともに、行動せよ」
いい言葉だと思う。


最後に。映画のサイトは
http://www.futsugou.jp/
それにしてもすごいドメイン名だ。