The Molmott Undeground & Pico!

この世界だか宇宙だか言うものが
実はキチガイの神様によって遊びで作られたものだとする。
試作品45号とかいう名前で
ラベルが貼られて部屋の片隅にガラクタと一緒に転がっている。
他の世界だか宇宙だか言うものはもっと全然違うものだ。
頭が3つで手が1本の知的生物が暮らしているとか
酸素の濃度が異なるとかそういうレベルではなくて、
そもそも陽子とか中性子とかいう仕組からしてまるっきり的外れなぐらいの。


キチガイの神様にはもっとキチガイかあるいはかなりまともなママかパパがいて
いつも「部屋を片付けなさい」と怒鳴り散らしている。
それがもう何回も続いてさすがにうざくなってきて
「チェッ、しょうがねえなあ」と部屋を片付けることにする。
これまでに作った宇宙は全部捨てることにする。ゴミとして廃棄。
この宇宙にして200億年だか2000億年ぶりぐらいに
(そんなの神様の心の中では一瞬だ)
取り出して手に触れる。そして、ポイッと。


この宇宙、試作品45号は
神様たちの住む住宅地のハズレにあるゴミ捨て場にて
頭が3つで手が1本の知的生物ばかりがウジャウジャと繁殖している試作品46号や
そもそも陽子とか中性子とかいう仕組からしてまるっきり的外れな試作品47号や
結局何も生み出せず無のままの試作品48号と混ざり合う。
やがてゴミ回収車が拾い上げて、焼却場へと持っていく。灰になって死滅する。


そしてまたキチガイの神様は「なんか作ってみっか」と
別な新しい宇宙だか世界をプラモデルか理科の実験のように作り始める。
できそこないがいくつか生まれて、放り投げる。
すぐにも忘れてしまう。


神様の頭の中には人類とか大自然とか文明とか愛とか憎しみとか
そういうものの考えは全くない。
余りにもミクロな出来事過ぎてその視界に入ってくることはない。想像も及ばない。


この宇宙とか世界とか言うものは、そういうものなのだと思う。