青森帰省4日目−2

okmrtyhk2007-02-21


(2月19日後半)


「エルムの街」へ移動。
柏のイオンがつがる市で「エルムの街」が五所川原市と別々な市となっているが、
両者の間に距離はほとんどなくて車だと10分あったかどうか。
僕がここに住む高校生だったら、休みの日は自転車で往復するだろうな。


ここ何年か青森絡みで何かと「エルムの街」の名前を聞いていて、前から気になっていた。
http://www.elm-no-machi.jp/
とにかく大きいらしい。行ってみると確かに大きかった。
これはすごい。東京では見たことがない。
中に入る。柏のイオンが閑散としていたのに対し、こちらはかなり人が入っていた。
月曜の朝だというのに!駐車場もそれなりに埋まっていた。
2階建てで半分がイトーヨーカドー、残り半分がテナント。
「COMME CA ISM」「ABC Mart」から「ダイソー」「銀だこ」まで。
ネイルサロンに駄菓子屋にコレクター向けの Zippo の店に。
津軽ラーメン街道」ってので各地のラーメンが6店舗。
なんでもある。これだけ揃っていたら人によっては
仙台や札幌、東京といった大都市に出る必要性を感じることはなく、
地元にいても何も困らないってことになるだろう。
見方によっては、(ある種の部分は)東京と遜色ない生活を送れる。
宅配便さえ届くなら、インターネットで何でも買える時代だし。


輸入食品とワインを扱う「Kaldi Coffee Farm」は逆に、東京に欲しいとすら思った。
東京にも店があるのかなー。
五所川原に住む人が独力でやってたらすごいけど。
(今調べたら、どこにでもあることが分かった・・・ 
 住んでいる荻窪にも・・・ http://www.kaldi.co.jp/


柏イオンの文教堂ほどじゃないがそれなりの大きさの本屋があって
そこで「+81」を見つけてなんとなく買ってしまう。デザインとかクリエイターとかそういうの。
河出書房から出ている。知らなかった。
10周年記念特集とあって、10年も続いているのか!と驚く。


新星堂がこういう日に限って棚卸。12時になるのを待って入る。
例によって、青森で売れ残っている CD を探す。
大当たりを見つける。2枚。
Astor Piazzolla が Kip Hanrahan のプロデュースにより
ニューヨークで録音した3部作のうちの2枚目
「The Rough Dancer and the Cyclical Night」の日本盤。
これ最近ずっと探してたんだよなあ。たぶん店頭在庫のみだろうと。
(なお、1枚目は有名な「Tango Zero Hour」こちらは今でも入手可)
もう1枚も Astor Piazzola のもの。
「モダン・タンゴの20年」というタイトルで、
44年から64年までの自身の作曲した曲を振り返るというもの。
これ、初めて見た。98年発売。よく残ってたなあ。
(レーベルが「OMAGATOKI」だったので新星堂のみの発売なのかもしれない)
要するにロックのコーナーならばある程度入れ替わりが激しいのが、
アルゼンチン・タンゴのコーナーなんて誰も見向きもしないし、
話題の新商品なんてのもめったに出てこないから
何年もほっとかれるってことになるんだろうな。


「エルムの街」を出て、次に向かうは「立倭武多の館」これも五所川原市
http://www.tachineputa.jp/


この頃、雪がハラハラと舞い降りて寒かった。駐車場を見つけて入る。
五所川原の「立倭武多」(たちねぷた)は最近、弘前ねぷたよりも人気があるのだという。
全長20mにもなる、細長いねぷた
弘前ねぷたが四角い箱に絵を描いたものであるならば、
こちらは青森ねぶたのように立体というか姿かたちを作りこんだもの。
とてもダイナミック。確かに夏祭りとしてはこちらの方が見応えがある。
毎年一体ずつ製作する。祭りの夜、前年度のと前々年度のと
三体が市内をバラバラに練り歩き、市の中心部で相まみえるという趣向。
明治末期まで続いていた巨大な立ねぷたが廃れていったのが
青森市もそうだけど電線に引っかかるとかで小さくなっていった)
今から10年前に有志が集まって
実に90年ぶりに当時の図面を元にねぷたを復元させたのが始まり。
以来毎年続く。青森の夏祭りとしての認知度向上も著しく、
青森ねぶたと共に日本各地で披露され、
今や地上6階の「立倭武多の館」まで建ってしまった。
この勢いがそのまま祭りにも現れているんだろうな。
こういう町おこしっていいよなあ。成功例だ。
僕が高校の頃なんて五所川原って言われても何があるか知らなかったくらいだったのに。


展示室に入ると、いきなり立ねぷた。吹き抜け4階分。これはすごい。
これが3体並んでいる。これ飾ってあるの見るだけでもオールシーズンいけるよね。
エレベーターで4階まで上がって、
後はスロープでグルグル回りながら下まで下りていくという造り。
周囲の壁にはその歴史だったり製作過程だったりといった展示がなされている。
吊るされた大きなスクリーンにて立ねぷたを紹介する映像ってのも流れるけど、
それぐらいで他余計なものなし。立ねぷただけというシンプルさがいい。
製作中なのか役割を終えたのか部分だけの立ねぷたが飾られていたり、
ねぷたに色を塗ってみようのコーナーもあるようだ。
いいもの作ったよなあ。
青森県の観光名所で見るべきものとして僕はこれを一番に押すね。
三内丸山遺跡よりいいと思う。


6階の展望レストランで昼食。
6階って言うと東京だとたいしたことなさそうだけど、五所川原だと十分高いんですよね・・・
おまかせ定食と味噌おでんを食べる。
定食は(今日2回目の)貝焼き味噌とイカの刺身と焼いたハタハタ、
イカとネギの和え物、小鉢はジュンサイ
これで1050円は安いね。
おでんはホタテ、コンニャク、ウドが串に刺したもの。
貝焼き味噌には青森県外の観光客向けに作り方を説明した紙がくっついている。
「お願い:貝は持って帰らないでください!2500円もするんです!」とあった。
記念に持って帰る人が多いんだろうなー。


食べてると団体客が入ってきて、
ちらっと見ると「ストーブ列車の旅」みたいなことが書いてあった。
五所川原から出て金木の方まで向かう津軽鉄道。超ローカル。
これが冬の間ストーブを乗せて走る。
全国的に珍しいので、各地から鉄道ファンや旅行好きな人が乗車しようとする。
目的地への移動ではなく乗ることそのものに目的がある鉄道。
金木は斜陽館もあるし、県外から来て冬に太宰治ゆかりの地を訪れる人は必ず乗るんじゃないかな。


1階のホールにてあれこれ掲示を見ていると、
かつて東北一の富豪と称された豪商、佐々木嘉太郎氏が五所川原に建てた大豪邸の写真が。
皇族の方が宿泊されたこともあるという。
今でも残っていれば重要な文化施設となったはずが、
昭和19年の五所川原全体を襲った大火事により焼失。
後地に残されていたレンガが3個、
ここ「立倭武多の館」の1階カウンターの壁に残っているというので係りの人に見せてもらった。


「立倭武多の館」を出て、後は帰るだけ。
妹が金木の方に用があるというので、寄り道していく。
津軽鉄道で言えば金木の1つ手前、「嘉瀬」の辺り。
途中、吉幾三の建てた喫茶店(?)「いくぞうハウス」を見かける。冬なので営業していなかった。
ここ嘉瀬の馬肉屋がうまいってことで妹が馬肉の燻製を買う。1つもらう。


寄り道ついでに有名人(?)羽柴秀吉の豪邸っつうか有名な温泉を見に行く。
http://www.geocities.jp/tono_hideyoshi/
都知事選にも出てヘリコプターでパフォーマンスとかしてる人。
僕は最初都知事選で知ったけど、この人実は青森だったんですね。知らなかった。
で、この人はただの変わり者ではなくて実際は、実業家・資産家。
青森県内に温泉を持っていて、それがここ金木にある。
これがまた御殿のような・・・、とにかくなんというか一見の価値あるモノで。
1つの共和国に見立てて、私道を勝手に国道1号線と名乗ったり、
国道天守閣があったり、「防衛庁」を名乗る施設にはミサイルが立っていたり。やりたい放題。
これで温泉に客が入るってのが驚きだ。
月曜の昼だというのに駐車場に車が何台か止まっていた。
お湯そのものはいいのだという。
でも女湯はどこもかしこもピンクに塗られているようで・・・
http://www.odagawa.co.jp/


※HP を開設したはいいが、更新されていないようだ。
こちらを見たほうが面白い。マジでこういうのが建っている。
http://www.odagawa.co.jp/old_hp/


なお、羽柴秀吉の次男は
「たけしの元気が出るテレビ」の「口ゲンカ王」に出ていた三上大和である。
あれは僕が高校生だったときか。
今、どうしてるのだろうと Wikipedia で調べてみたら
その後俳優になってVシネマを中心に活動中とあった。


後はもう、ほんと帰るだけ。
家路につくまでの間、寝たり起きたりしていた。


夜、前の日に黒石で買った「菊乃井ヌーヴォー」を冷で飲みながら金木の馬肉屋の燻製を食べた。
どちらもおいしかった。


今回は思いがけず、黒石市、岩木町、柏村、五所川原市、金木町とあちこち回ることになった。
充実した2日間だったと思う。
還暦の母は満足してくれただろうか?