ツアーでペルー その7(4月21日)

El Tri


バスがシェラトン・ホテルに到着する。
なかなか大きい。さすがAクラスの高級ホテル。
入ってすぐのラウンジにて添乗員のKさんが手続きを行う。
パスポートはホテルに預ける。


手続きの間、時間ができる。
すぐ近くのラウンジでは、周りを白人の旅行者たちに囲まれて、
白い髭を生やした小太りの老人がピアノを弾き始めた。
ストーンズの「She's a rainbow」
美しいメロディを軽やかに弾きこなす。
終わって、拍手が巻き起こる。
さらにもう1曲クラシックの何かを弾いて、退場する。
流しのピアニストだろうか?と思う。


リマ市内で最も大きいとされるカジノは改装中ということで営業していなかった。
ペルーではカジノはごくごく一般的に店を構えている庶民の娯楽なのだという。
1階のバーからは騒々しい音楽が聞こえてきて、
見るとローマ字で「KARAOKE」と書かれている。
広告のカードが差し挟んであったラックには
地下のアーケードにあるアルパカの店の紹介をするカードが何種類かあって、
そのうちの1つが日本語だった。
英語やスペイン語以外の言葉、
ドイツ語やフランス語、中国語や韓国語のがなかったので
日本人は大のお得意様だということなのだろう。


チェックインの手続きが終わって、Kさんがそれぞれ鍵を配る。
配られた宿泊シートに各自サインをする。
次の日の予定が告げられる。
モーニングコールは9時。
朝食は6時から10時半まで1階のレストランで。
翌朝の観光は10時半出発。このラウンジに集合。
(次の日の予定がその日の夜ホテルに着いて発表、というのが儀式のように毎日行われた)


明日22日は急にリマ市街でお祭りが開かれることになって、
メインの通りでパレードが行われ、
ペルーのあちこちから集まった人々が踊りを披露することになっている。
そのため午前中の予定を早めて、
パレードの始まる前から市内観光を始めた方がいいだろうということに決まる。
本来午前中は長旅の疲れもあることだしと、もっと遅めに時間が設定されていた。


解散となる。このツアーでは1日1人1本ペットボトルで
ミネラルウォーターが支給されることになっていて、
この日の分を受け取るとエレベーターに乗ってそれぞれの階へ。
スーツケースはポーターが各階の入口まで運んでくれる。


エレベーターに乗ろうとしたら、白人男性の一団が降りてきて、
遅れて数人、ビデオカメラを回しながら着いてきた。
ペルーでは有名なロックバンド?
黒の革ジャンにTシャツ。ヘビメタっぽい。
胸には「El Tri」と書かれていた。恐らくこれがグループの名前なのだろう。
みな40代か50代超えていて、超ベテランバンドの風格。
先ほど「She's a rainbow」を弾いたおじいさんはこのグループのメンバーらしく、
一緒になって肩を組んで、ラウンジでの写真撮影に臨んでいた。
僕も紛れ込んで写真を撮った。
(日本に帰ってきてから HMV のサイトで検索したら CD が何枚かヒットした。
 海外の Wikipedia を参照すると
 60年代末結成のメキシコシティ出身のブルース/ハードロックバンドとあった。
 メキシコのロックバンドで初めて、80年代にゴールドディスクを獲得)


11階で下りる。20階近くあるホテルの中は完全に吹き抜け。
はるか下の階もはるか上の階も見渡せる。これはすごい、と驚く。不思議な眺め。


スーツケースを自分の部屋まで運ぶ。
中に入って一息つく。
本来はツインの部屋を1人で泊まっているのだろう。
・・・無駄に広い。落ち着かない。
外に出られたので、リマ市外の夜景を写真に撮る。


浴槽にお湯を満たして寝そべって横になる。
その後シャワーを流しっぱなしにして体を洗っていたら
シャワーカーテンがしっかり閉じてなくて
バスルームの床いっぱいにお湯が流れて大変なことになった。
あやうくドアの向こうまで溢れるところだった。
なーんかいつも失敗する。


ベッドに寝そべって外の物音に耳を傾ける。
午前1時を過ぎているというのに、
バイクが派手に走り回る音やパトカーのサイレンの音が聞こえる。