バンコク その9

okmrtyhk2008-09-28


バイヨーク・スカイの展望台を下りて、次はパッポン通り見学。
またしてもスカイトレインに乗るのだが、駅までは同じ道ではなくて別な道を辿ってみたい。
そう思って歩き出したらいきなり行き止まり。バイヨーク・ホテルの周りを一周して引き返す。


そういえばこのホテルの裏に「Bay York Boutique」ってのがあって
ホテル直営のショッピング・センターだろうか?中を突っ切れるだろうか?と思って入ってみたら
バンコクの裕福な若者向けの?デザイナーズ・ホテルだった。
とにかくスタイリッシュ。バーからインターネットのコーナーからおしゃれ。
もしかしてここがバンコクの最先端?一見の価値有り。


大通りに戻って北に少しばかり歩いて、線路に出る。
方角的にはここからひたすら西まで行けば、「パヤー・タイ」の駅に出る。
付近の住民たちなのだろう、線路を歩いて渡っている人たちが多かったので、
僕らも真似して歩いていくことにした。
使われているのかいないのか、工事中だった。ヘルメットをかぶった労働者が大勢いた。
この線路が、というよりは上の高架が。
線路と線路の間は水がたまって泥だらけになっている。
少し行くと、バラック沿いにコンクリートの細長いブロックをでこぼこに敷き詰めた、
というか放り投げた小さな道に出た。
縫うように歩いていく。


開け放たれたドアというか、ドア代わりの隙間から
それぞれの「家」というか「居住空間」というか、「生活」が垣間見えた。
どの部屋も薄暗い。明かりをつけたら電気代を払わなくてはならない。
汚れきったビニールかなんかのカーペットの上に何人か寝転がっている。
60過ぎたおじいさんと50前のおばさんであるとか。
テレビがついていて、何の感慨もなさそうに眺めている。
家具と呼べそうなものは取り立ててない。だけど何か雑多なものが転がっている。
若者たちがカブに乗って通り過ぎる。
夜の仕事をしてそうな若い娘がペラペラの服を着て、戸口に立って、家族に対して何かを言っている。
洗濯機が並んでいて、コインを入れる機械が無理矢理くっつけられている。コインランドリー。
今むしったばかりの鳥を焼く。
保温機に何らかの、油で揚げた食べ物が売り物として並べられている。
粗末な椅子やテーブルが外に並べられ、労働者向けなのか、こういう「店」がたくさんある。
40ぐらいの男がすることがなさそうにペプシの空き瓶を数えている。
地べたに座り込んだ人たちが賑やかにしていて、
なんだろうと思って覗き込んでみたらサイコロか何かで賭博をしていた。
小さな飾りのような神社が置かれ、
プラスチックの調味料か何かの容器に火の消えたロウソクが立てられ、
その横にはマグカップに砂を入れて線香の欠片。
栄養ドリンクなのだろうか、空き瓶が供えられている。
路地、路地裏。
子どもたちはどこで何をしているのだろう?
空き地の1つでセパタクローをしていた。しっかりした本物の?ネットが貼られていた。
器用にボールを蹴って相手側に返す。
この子供たちに幸あらんことを。


バラックの、線路を挟んで向かい側は今にも壊れそうな集合住宅。
窓が閉じられ人の住んでいる気配がないか、あるいは洗濯物をこれでもかこれでもかと干しているか。
バラックの人たちは広々とした空間でちょうどいいということなのか線路に物干し竿を出していた。


「パヤー・タイ」の駅へ。階段を上っていく。
「サヤーム」駅で乗り換えることになる。何時間か前に見た風景がまた、通り過ぎる。
スクウィット線からシーロム線へ。
16時ぐらいだっただろうか。
ホテルから近い駅は「チョンノンシー」なんだけど、1つ手前の「シーロム」で下りる。
駅を出ると、いきなり目の前に大戸屋があった。こんなところまで進出してるのか・・・
通りは屋台が立ち並ぶ。
例えばその1つでは袋詰めした野菜と小さなビニール袋の中にドレッシングを入れたものを売っている。


タニヤ通り」に入ってみる。
日本人向けの飲み屋がたくさん並んでいることで有名。店の名前は漢字、カタカナや平仮名ばかり。
クラブ「あなた」とか「更紗」とか「瀬里奈」とか。
クラブだけじゃなく、寿司屋やお好み焼き屋もあった。
たまらなく昭和の匂い。古きよき日本の寂れた飲み屋街。
日本企業の駐在員はこういうところを利用しているのだろうか?
日本から誰か来たら接待で行く高級な店と、自分たちで行く安上がりな店。
歩いていると客引きに声をかけられる。
「ソープ、どうソープ?2000バーツ」
無視しようとしてもしつこく食い下がってくる。タイ人のような、落ちぶれた日本人のような。
「ダメ?今ダメでも夜必ず来てよ」


パッポン通りに入ってみる。
こちらは外国人向け。ボクシングバーとかストリップバーが立ち並ぶ。
まだ夕方で客の姿はなく、夜になったらここで働くのだろう、タイの女性ばかりが飲んでいる。
あるいは、女性たちは屋台で買った簡単な食事を道端で食べている。
風俗関係の店か食べ物の店じゃなきゃ、それ以外で目につくのは皆、安手のマッサージ屋。
有馬温泉」って日本語の看板の店もあった。
揃いの緑のポロシャツなんかを着て店の前に椅子を並べて座って、喋っている。
僕らが通りかかると盛んに呼び込みをする。
こういうマッサージ屋って本当にマッサージだけなのか?
スペシャルメニューがあって個室で、ってのがあるのだろうか?
よく分からない。純然たるマッサージだけの店だって多いだろう。
店によっては制服が真っ赤で、どことなくやらしくて女の子は下着が見えていて、ってとこがあった。


ホテルまでは近くなので歩いていく。
途中のファミリーマートに寄って、コーラを買う。14バーツ。安い。日本円にして50円もしない。
タイのお菓子に混じって、プリッツが売られていた。パッケージはタイ語と日本語、両方で書かれている。


シルク製品で有名な「ジム・トンプソン」とそのアウトレットの店を見つける。
あと、「山小屋」というラーメン屋があった。
先輩も後輩も福岡出身で、相当ポピュラーなラーメン屋らしく
「むっちゃ懐かしい」「絶対行きたい」と鼻息を荒くする。


ホテルに着いたのは17時。ガイドの方との待ち合わせは18時。
シャワーを浴びたり、スニーカーをサンダルに履き替えたりして時間を過ごす。