バンコク その14

okmrtyhk2008-10-03


またバスに乗って、アユタヤの中心部へ。
まずは「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」という寺院。
水牛の像がお出迎え。入口には ATM があって、そういう意味ではなかなか世慣れた観光地という印象。
あまりの暑さに犬が寝そべって眠っている。


黄色の法衣を着た大きな寝釈迦仏の像を見た後で、尖塔が3つ連なる仏塔へ。
地球の歩き方を見たら「ビルマ王子との一騎打ちに勝った記念塔」とあった。
アユタヤの遺跡はどこもそうだけど、白と焦げ茶色のレンガを組み合わせて作っているように見える。
階段を上って中に入ると、祠のようになっていて、入口で20バーツ払って金箔の入った袋を受け取る。
10体ほど仏像があっただろうか、右回りに進んで、1体ずつ金箔を貼り付けて祈りを捧げる。
顔、特に目の辺りは何重にも貼られて分厚くなっている。
僕は地味に足や台座に貼り付ける。
祠の中心には、四角い井戸のような深い穴が空いていた。


仏塔の前には黄色の法衣を着た仏像と、
小さな椰子の木?など盆栽のような鉢植えがずらりと並んでいる。
小ぶりの仏塔があちこちに建っている。
戦いによって壊されたのか、細長い仏塔のほとんどが根元から折られ、崩れている。
根元には黄色の布がぐるっと巻かれている。
近付くと仏塔の一つには金・銀・銅を模したレンガが置かれていた。


本堂へ。金でできているのだろうか、大きなご本尊と
その周りにたくさんの、小さなサイズの、やはり金の仏像。
ユリの花と線香の入った袋を手に、皆、お参りをしている。
黄色いTシャツを着た一団がほとんどで、なんらかの仏教系の団体だったのだろうか?
帰りにバンコク近くのハイウェイで彼らを乗せたバスを見かけた。
本堂の中では御神籤があった。買ってみたくもあったけど、全部タイ語で書かれていたので諦めた。


本堂の前にはドラ?を鳴らすための小さな塔があって、
その隣の小さな社はそれがタイ風なのか、赤に黄色に緑にカラフルな紐の飾りが吊り下げられている。
世界各地から届けられ、供えられた人形やぬいぐるみの数々。
プーさんにドラえもん、クレヨンシンちゃんまであった。
テントの中ではお供え物セットなのかオレンジのプラスチックのバケツに
色とりどりのパッケージのお菓子のようなものが詰合せで入って、売られていた。


裏手の屋台ではライムのような果物が山を成していて、
絞ってジュースにする機械が置かれていた。
筒の中にライムを入れて、大きな鋏のような握りがあって、
おそらくそれを両手でギュギューッと。


次は「ワット・プラ・マハータート」へ。
ここには古びた大木に取り込まれた仏像がある。
複雑に絡み合った根の間から顔を覗かせている。


「ワット・ヤイ・チャイ・モンコン」と違って今も仏教徒が訪れる寺院ではなく、本格的な遺跡となる。
崩れた仏塔が原っぱに密集して、どこまでも続く。
頭部を打ち砕かれた仏像が無残にも並んでいる。
廃墟ならではの涸れ切った「世の無常」とでも呼ぶべき、静かな時間が流れていた。
何百年も昔、ここを大勢のアユタヤの人たちが往来していたのだろうか?
今はその面影もない。
レンガを積み重ねて作った段々を歩いていく。上ったり、下ったり。
軽くもたれて目を閉じてみたり。
マチュピチュに似ているなあ、と思った。


欧米人の観光客が多かった。
土日ともなるとこの辺りの遺跡は混雑するという。
よく見ると投光機のような照明がレンガの脇のあちこちにさりげなく配置されていて、
そういえば夜になるとライトアップされるんだよなー。
見たわけじゃないから何とも言えないけど、どうなんだろう。
遺跡が台無しなのか、それとも幻想的な美を放つのか。
このライトアップされる時間帯は遺跡の中に入れないことになっていて、
僕だったらやっぱり昼間、崩れ落ちた仏塔の間を歩いた方が嬉しい。


入口の土産物売り場近くでカメラを持った若者がいて、
カップルの写真を替わりに撮ってチップを稼いでいるのかと思いきや
帰りにバスの近くに台が置かれていて、
何だろうと見てみたら観光客1人1人の写真をラミネートで貼った絵皿だった。
100バーツ。誰がこんなの買うんだよ?と先輩と後輩はからかうが、結局僕は財布を出して・・・
買われなきゃ写真をはがして次の観光客のを貼るだけなんだけど、
忍びないんですよね。世界の片隅で自分の写真が捨てられるのが。
なのでどうしても買ってしまう。