33歳、最後の日(12/31)

嫌な夢を見た。
よく分かってないことについて適当な発言をしたら
それが波紋を呼んで、あちこちに影響が出て僕はいろんな人に弁明して回る。
夢に出てきたのは知らない人たちではなく、今、一緒に仕事をしている人たちばかり。
なので僕は本気で謝ってた。冷や汗をかく。
現実とならないことを願う。


8時に起こされる。
洗濯をして、朝食の準備をして、母はまた寝込む。
朝は昨日の昼に買った惣菜を食べる。
洗い物をして、家中に掃除機をかけて、「コンゴ・ジャーニー」の続きを読む。
ニコンポで音楽を聴こうとしても、部屋の寒さでCDプレーヤーが動かず。
どこかに水滴がついているのか、寒さそのものなのか。


11時過ぎにバス停のミニストップまで行って、ネットに接続。
編集学校の回答。mixi に書き込みなど。
昨日行った惣菜屋へ。
晦日の今日、13時に閉まることになっていて
普段ならサラダや焼き魚の乗るトレイが空っぽになっていた。
予約していた年越しそば用の海老のてんぷらを3本、受け取る。
他にもう一家族予約していて、取りに来ていない。
店はそのためだけに開けているようなものだった。
28日の帰ってきた夜、海老のてんぷらを予約していると聞いてどんなに豪華なのを?
1本1000円くらいのやつ?と思っていたらごく普通の総菜屋の海老だった。1本100円。
予約するまでもなさそうな・・・


冷蔵庫の中にあった讃岐うどんを茹でて食べる。
ネギを刻む。刻んでタッパーウェアに入れていたセリを加える。
先ほど買った海老のてんぷらを2本入れる。
調子のよくない母は食べることができない。
付属のタレを温めて、それを茹で汁で薄める。おいしかった。
ニュースを見ていたら、香川では年越しはそばではなくうどんだと。なるほど。


日に日に具合が悪くなる、入院したいと母が言い出す。
あちこちに電話をかけるが、救急車は来てくれないようだ。
この年末、急に入院を受け入れてくれるところもなし。
仕方なく、タクシーで救急病院まで行って点滴を受けることになる。
容態を診断した医者がその場で入院させることだってあるかも。
一緒に行こうかと言っても、「いい、家にいなさい」と。
僕はただ、待つだけ。
どう転ぶか分からず、行けるうちにと
母がタクシーで行くのと合わせて、銭湯へ。


こっちに戻ってきた高校の友人から今日飲む?とメールをくれたけど、
さすがに行く気になれない。断る。
高校の同級生たちがよく行く店で僕も行ってみたくて
今回年末に帰省したと言ってもいいくらいなのに。
まあ、仕方がない。


銭湯から戻ってきて、「コンゴ・ジャーニー」の続きを読む。
母の登山仲間の人に正月用のおもちを分けることになっていて、
取りに来る。母の代わりに手渡す。
母は連絡先としてこの方の名刺を置いていった。
見ると「青森県映画センター」とあって、肩書きは「普及アドバイザー」となっていた。
面白そうな職業だと思う。半官半民の団体だったりするのだろうか?
青森でここに転職できないだろうか?
いや、東京に事務所があったりしないだろうか?
銭湯の湯船に漬かりながら、そんな夢みたいなことを考える。
後で母に聞いたら、個人でやっていて昔は映写技師だったという。
僕が青森市のどこかの映画館で映画を見たときに、
この人が映写機を扱っていたのかもしれない。


母が帰ってきて、点滴を受けたらだいぶよくなったと。
ほっとする。


18時になって、年越し用に予約していた寿司を受け取りに行く。
吹雪。途中、ミニストップに寄って、追加のビールと焼酎を買う。
あとはもう部屋で一人飲んだくれてようと。
青森市民なら知らぬ者のいない隠れた名物「味の札幌大西」の
味噌カレー牛乳ラーメン」がカップ麺として全国発売されてると聞き、
探してみたらほんとにあった。
明日か明後日食べてみようとこれも買う。


寿司屋へ。ちょうど作っているところだった。
店は閉められていて、年越し用に注文されたのを店主とその息子がせっせと作っていく。
常連さんが来ては大きな折り詰めを受け取って「じゃあよいお年を」って感じで挨拶を交わす。
店の中には小さな水槽があって、大きな鯉が2匹閉じ込められていた。
身動き取れない。浮かんでるだけ。なんだか、かわいそうだった。


帰って来て、さっそく食べる。
これまでおかゆしか食べられなかった母が、点滴が効いて食欲が沸いたのか、
寿司をいくつか食べる。特上。ウニ、イクラカニ、甘エビ・・・
正月用だからか、カズノコが入っていた。
ガキツカのスペシャルを1時間だけ見る。山崎邦正 vs モリマン
リングサイドは叶姉妹小池栄子その他大晦日の仕事にあぶれた(?)芸能人たち。
いや、これも仕事か。
2人の応援団もエドはるみとかブラックマヨネーズとか、
紅白に声がかからなかった人たちっぽくてちょっと侘しい。
途中、裏番組の格闘技を意識してか、プロレスの試合が始まる。
アントキの猪木(もちろん、アントニオ猪木) vs 関根勉(ジャイアント馬場
この後、なんと武藤敬司 vs 佐々木健介ダイナマイト四国
それぞれ、そっくりさんを従えて、タッグ。
お笑いと格闘技と一粒で2度おいしい。


チャンネルを変えたら紅白で、美川憲一小林幸子ばりのド派手な衣装でステージに立っていた。
アホウドリの翼のように横に広がっていて、あれでは動けないだろう。


母はいつも居間で眠っている。
気分がよくなったとはいえ、そろそろ寝るだろうと僕は自分の部屋へ。
ストーブを消し、テレビも消す。明かりも消す。
真っ暗な部屋の中で、母はラジオで紅白を聞く。
僕はもちろん、紅白に興味はない。


部屋で焼酎のお湯割を飲みながら、「OL進化論」の最新刊とブラックジャックの22巻を読んだ。
アンドレス・セゴビアのギターが「アランフェス組曲」を演奏する。


こんなふうにして、僕の33歳が終わる。
外は吹雪がやんだのか、風の音がしない。


来年はどこにいて、どうしているだろう?
青森に帰っているだろうか?