スペイン一人旅 その1(要約の前半)

okmrtyhk2009-07-31


旅日記を展開していく前に、まずは要約を。
7/25 付けのシミュレーションと実はあんま変わっていない。
計画を立ててその通りに行動して忙しくすることがほんと好きなんですね。
(会社の仕事がそうならないのは、残念だが・・・)


何の計画もなく、スポンティニアスな旅も憧れるんだけど。
行き当たりばったりで成り行き任せ、みたいな。
その方が思いがけない、新鮮な出会いがありそう。
でもその分スカも多そうで、僕としてはそちらを嫌う。


書いてたら長くなったので、この日は前半まで。

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7/24(金)


朝から小雨。
新宿駅から成田エキスプレスに乗る。
5番線ホームってとこだったんだけど、普段絶対利用することがない、
ほぼ成田エキスプレス専用。奥まったところにこんなホームが隠されていたなんて、と驚く。
成田エキスプレスは高いけど、速くて快適。
お金があったら次も利用したい。


空港着。ルフトハンザのチェックイン・カウンターで行きの分の搭乗券をもらう。
背負ってたリュックは預けない。
海外旅行の保険に入る。一番安いのを。
10万円を両替して、750ユーロほどになる。


腹が減って、空港内の中華料理屋でマーボー丼を食べる。
持ってく本が足りなくなりそうな気がして(正解だった)、TSUTSYAで本を買う。


機内でジョン・ハートの「川は静かに流れ」を読み終えてしまう。
2008年度エドガー賞の長編部門を受賞。家族物のミステリ。
500ページ以上あって分厚かったのに、サクサクと読みやすく、一気に読み上げる。
その後うたた寝して、山本文緒の「プラナリア」これも一気に読み終える。
前から読もう読もうと思っていた短編集なんだけど、表題作が特に素晴らしい。
うまい短編の見本。


ルフトハンザ航空の機内で飲めるビールはもちろん、ドイツビール。
乗り換えも合わせて4・5本は飲んだだろうか。


フランクフルト到着。すぐ乗り換え。
入国審査と出国審査を兼ねた Passport Control を通過。


マドリード到着。EUから入ってきた場合、入国審査がないんですね。
パスポートにスペインのスタンプが押されないことになり、残念。


地下鉄に乗ってホテルのある駅へ。全然迷わず、楽勝。
ヨーロッパは旅行が楽でいいね。
ホテルでチェックインして、早速外に出てみる。
ホテルの近くのスペイン広場からモンターニャ公園へ、
そして市街中心部プエルタ・デル・ソルを経て、マイヨール広場へ。
スペイン広場の丘の上から眺めたマドリードの風景が心に残る。


グラン・ヴィアという通りを歩いていたら、派手な雰囲気の女性があちこちに立っている。
話しかけられる。恐らく街娼だったのではないかと。付いていったらどうなっていただろう。


機内食で腹がいっぱいだったので何も食べず、何も飲まずに眠る。

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7/25(土)


午前中、王宮へ。その後、プエルタ・デル・ソルまで歩いていって、
プラド美術館へ。ゴヤエル・グレコ・ベラスケス。
さすが名のある美術館だけあって、かなり大きい。
日本人含めて観光客も多い。
カフェでスペイン風オムレツと生ビール。うまかった。


次は向かいのティッセン・ボルネミッサ美術館。
ここもまた広くて、見てると時間がかかる。
プラド美術館のコレクションは16世紀−18世紀がメインで、こちらは近現代までカバーしている。
個人の蒐集品から始まっているので、時代に差はあれ、どことなくテイストが似通っている。
美術館の雰囲気によるものなのか。
円熟期のマティスの作品を集めた企画展が開催されていて、そちらも見る。


そして次。ソフィア王妃芸術センター。
(これら3つの美術館は1箇所に固まっている)
土曜は14時半から無料ということで時間を合わせていったら、長蛇の列。
ここはニューヨークで行ったら「MoMA」に当たる。現代アート専門。
スペインに限らず世界各地の著名なアーティストの作品が展示されている。
何はともあれ、一目散に「ゲルニカ」の部屋へ。感動。
こんなすごい絵、見たことない。人類の文化の極点。


母に絵葉書を出そうと、郵便局を探す。
ソフィア王妃芸術センター近くのツーリスト・インフォメーションに行ったら、
プエルタ・デル・ソルに1つ、
スペイン銀行(バンコ・デ・エスパーニャ)のところに中央郵便局があると言われる。
スペイン銀行まで行ってみると閉まっている。
うまい具合にここにもツーリスト・インフォメーションがあって、聞いてみたら、
プエルタ・デル・ソル内の「エル・コスタ・イングレス」という大きなデパートの
地下2Fにあって、こっちは夜までやってると。
行ってみたら地下の駐車場。確かに開いてて、絵葉書を出すことができた。


マヨール広場まで歩いていって、広場を取り囲むようにして並んでいるレストランの1つに入る。
パエリヤを頼む。11ユーロぐらいだったので、1500円ぐらいか。
観光客向けの店だったのでたいしたことなし。


帰りは最寄の駅の1つ手前で下りる。
スペイン広場からプエルタ・デル・ソルまでが目抜き通りのようだ。
三越があったので入ってみる。
1階と地下があるだけの小さな店。客の姿はなく、店員は暇そうにしていた。
お土産のコーナーがあって、オリーブオイルの詰め合わせを買う。
三越JCBのロゴがプリントされた厚手のビニールのバッグが置いてあって、
あれはタダだったのだと思う。
その後手荷物を持ち運ぶための大きなバッグを入手できなくて苦労した。
もらっとけばよかった。


19時頃ホテルに戻るが、外はまだ明るい。
ソフィア王妃芸術センターで買ったロバート・キャパの写真集を眺める。
時差ぼけなのか歩き疲れたのか、ベッドに横になると起き上がれなくなる。
ホテルの近くにいい感じのバルがあったのでビールでも飲もうかと思っていたのだが。

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7/26(日)


バルセロナへの移動日。出発時刻は12:30となっていて、午前中暇となる。
朝8時。1日目に訪れたモンターニャ公園に行ってみる。
ほとんど人の姿はない。ランニングをしている人や、犬を連れて散歩している人々。


チェックアウトして、プラド美術館裏の植物園に行ってみる。
中のミュージアムでは写真展が行われていて、マドリードのあちこちで共同開催されているものだった。
アーティストごとに会場が異なる。
昨日見たソフィア王妃芸術センターの4階の写真が並んだ一角もその1つだったようだ。


もう一度、ソフィア王妃芸術センターへ。日曜は無料。
ツアーじゃなくて個人で旅行していると、好きなときに好きなだけ見たいものが見られるのがいい。
ゲルニカ」を見納め。
昨晩パラパラめくっていた美術館のガイドにはゲルハルト・リヒターの絵が載っていて、探してみる。
見つからない。恐らくどこかに貸し出しているか、展示物を入れ替えて倉庫に眠っているのだろう・・・


AVEの駅へ。熱帯植物園がある、ユニークな駅。涼しげ。
待合室でしばらく待って、AVEに乗る。
発車する。2級だったのに、とても乗り心地がいい。日本で言ったらグリーン車に当たる。
日本で調べていたらどこかのサイトにて食事が出ると書いてあって、
期待していたんだけど出てこない。時間によるのか。
ヘミングウェイ新潮文庫の短編集「勝者に報酬はない・キリマンジャロの雪」を読み終える。
列車は荒野を突き進む。サバンナのように背の低い植物が生えているだけ。単調な景色が続く。


バルセロナ到着。地下鉄に乗ってホテルへ。
等級が低かったので裏通りにあるのだろうか?と探して、見つかるもののドアが閉じられていて入れず。
どうしたもんかとグルッと回ってみたら表通りに入り口があった。
チェックインするのだが、これまでの僕の人生で最も格下のホテルだった。
冷蔵庫なし(マドリードもそうだけど)。エアコンもなし(後に見つけたけど)。
ベッドと机が置かれているだけ。バスルームもそっけない。
恐らく、バルセロナのどこかで開催されているスポーツ大会に参加するため、
中学生たちが何チームか停まっていて、はしゃいで階段を駆け回ってうるさいったらない。
それが最終日まで続いた。
僕ももう30半ばだし、いいホテルに泊まった方がいいなあと思った。
泊まった地区がそういうものなのか、道行く人は柄がいいとはお世辞にも言えない。
男女問わず、刺青をした人ばかり。


日曜は闘牛をやってるということでモニュメンタル闘牛場へ。安い席のチケットを買う。
コロシアムの1階席、2階席、3階席という高さと、日に当たる・当たらないで値段が分かれる。
僕は日に当たる2階席にしたんだけど、それでも30ユーロという高さ。
1階のアリーナ近くで日陰だと120ユーロだったか。1万5000円。
でも、後でわかったんだけど勝手に柵を下りて下の席に移動することができた。


闘牛場はサグラダ・ファミリアのある駅の1つ手前。
この位置からでも普通にサグラダ・ファミリアが大きく見えた。すげーと思う。


始まりまで時間があったので、いったん、海辺に出てみる。
バルセロネータという海水浴場。駅を出るとビキニ姿の男女ばかり。ビーチは芋の子を洗うかのよう。
生まれて初めて見る地中海。砂浜を下っていって、足だけ浸してみる。
駅からビーチまでには観光客向けのレストランが並んでいて、そのうちの1つに入る。
シーフードのグリルを頼む。パーティーサイズで40ユーロなのを半分にしてもらう。
ハーフサイズなのにとんでもないのが席まで運ばれてくる。
注文がちゃんと伝わってないのかと冷や汗をかく。
ロブスター、タラ、イカ、30個近いエビ、50個近いムール貝
ここまで来て大食いチャレンジとなるとは・・・
周りの人たちが目を剥いてた。
ビールを飲みながら淡々と食べていったら、あっさり完食。
味付けはオリーブオイルとにんにくのみ。うまかった。


闘牛場に戻る。18:30を過ぎて、即に始まっていた。20:30頃まで6セットあったのかな。
ふーむ、こういうものなのかと思いながら見る。地元の人が半々と観光客が半々か。
日なたの席のはずが、うまいこと日が当たらずに済む。
マタドールより(闘牛士)もピカドール(槍付き)の方が目立つし、勇気も技術も必要に思えた。


帰ってきて、22時頃か。早々と眠る。
子供たちが叫び回っている。