スペイン一人旅 その17(7/27:十字架の丘)

okmrtyhk2009-08-16


次に向かうはグエル公園とその中のガウディ博物館。
最寄の駅がなくて、直線距離だとここだろうか?
と2号線の「Alfonse X」で下りて見当をつけて歩き始めるのだが、これがまた大変なことになった。
地図を見ると間違ってないはずだよなあと思いながら、
アルグエス公園を突っ切っると行き止まりになってまた引き返す。
公園の中では近くの幼稚園の子供たちなのだろうか、遊技場で遊び回っている。
2人の孫を連れたおじいさんがピクニック気分なのかテーブルに簡単な食べ物を広げる。
小学生ぐらいの3姉妹が黙々と木登りにいそしむ。
テニスをする音が聞こえ、そちらの方に行ってみると上半身裸でテニスをする老人たちの姿を見かけた。
公園の外に出て坂を上っていく。公園の壁はグラフィティ・アートの見本市となっていた。
一人一定のスペースを与えられ、さあ描いてみよって感じの。


住宅地の商店街に出る。西へ。
ここで日本から持ってきたミシュランバルセロナ超巨大地図が役に立つ。
あー確かにここに交番がある。競技場がある。大き目の交差点に出て、北へ。
これをまっすぐ行けばグエル公園の端にぶつかるはずだが・・・


閑静な高級住宅地に入って、坂を上っていく。
目の前には確かに、グエル公園らしき緑が広がる。
しかし、入り口がどこにもない・・・
仕方なく公園の端に沿うようにして通りを歩いていく。
炎天下、坂を上ったり、下ったり。
歩いている人などいない。高級車がゆっくりと通り過ぎるだけ。
地図の通りに歩いていたらやがて、丘の上の大邸宅の裏庭に出た。
巨大な番犬が鎖も首輪もなく放し飼い。まじでびびった。
これ、住んでる人か使用人に見つかったら大変なことになるんじゃないの?
こんなところ歩いて大丈夫だろうか?
敷地の中、枯れ草の生い茂る荒れ果てた空き地にかろうじて踏み分け道ができていて、辿っていく。
丘を下る。崩れかけた門に出て、その周りに鉄条網と有刺鉄線。
もしかして思いっきり罠にはまったのだろうか?
引き返してあの犬にまた会うのか・・・
様子を探っていたら鉄条網の破れたところに出て、事なきを得る。
外に出たらバルがあって、昼間から近所の人たちがビールを飲んでいた。
ひょっこり現れた僕に眉一つ動かさず。
もしかしたら僕みたいなことをしでかす観光客はたまにいるのかもしれなかった。


そしてまた坂を上っていく。
向かい側から下りて来る人がちらほら出てきたので、間違ってないのだと思う。
大学生のような若いカップルのうちの男性の方が「ハイ!」と声を掛けてきて、僕に向かって手を振る。


ようやく、到着する。
まっすぐ歩いていれば正面の入り口から入れたものを、
こっちが近道だろうかと余計に折れ曲がって階段を上ったりして裏口の一つへ。
とりあえず人の大勢いる方に歩いていって、真っ白で優雅な正面の大階段を上っていく。
列柱が無数に並ぶ広間に出る。日陰になっていて涼しい。実に1時間ぶりの日陰。
スパニッシュ・ギターを鳴らしてチップをもらおうとするミュージシャンがあちこちにいた。
空手の実演をする怪しげなアジア人がいて、僕を見かけるとニイハオ!と大声で叫ぶ。
階段をさらに上って、「ギリシア劇場」という名のだだっ広い広場へ。
端まで行ってバルセロナを見下ろす。
今通ってきた大階段やその前の広場にはうじゃうじゃと大勢の人がいた。
扇子にTシャツにサングラス、ペンダント、観光客相手に様々な物が売られていた。
階段を上ると、飲み物を買える小さな店があって、生ビールを飲んだ。4.5ユーロ。
高かったけど、炎天下歩き続けた後だったから死ぬほどうまかった。


広場の後方は椰子の木が生い茂る。ウニョウニョした洞窟が連なる。
少し道を迷って、ガウディ博物館へ。本来はガウディの住処だったもの。
居間にはピアノやタイプライター。寝室など。
ガウディがデザインした椅子があるみたいなんだけど、
客間っぽい部屋にたくさん並んでいたのがそうなのだろうか?
緑色の不気味に美しい光を放つあの部屋は何だったのだろうか?


グエル公園は本来とても大きなもので、数時間では回りきれない。
遠くから見えた丘に上ってみる。
楕円形のモニュメントのようなものがあって、その上に十字架。
多くの人がここまで登ってきていた。
とても眺めがよかった。バルセロナを一望にする。
クレーンに取り囲まれたサグラダ・ファミリアが遠くに見える。けど、かなり大きい。


丘から下りてくる。大道芸人の変わったところでは、
スティールパンを逆さにしたような鉄の中華鍋のようなものを叩いて、
スティールパンのような音を出す老人。
巨大なシャボン玉を作って空中に飛ばす若者。


帰りは他の観光客に混じって歩く。坂を下っていく。
観光客目当てのお土産屋がたくさん並んでいる。こういうのは万国共通か。


やはり全然違う駅から向かってくるのが正しかったようだ。
「Lesseps」という駅。坂を折りきって、右へ。
見たらちゃんと「Parc Guel →」と標識があった。


タバコを売ってそうなキオスクやお土産屋に出会う度に
切手を扱ってないか聞いてみたが、どこに行っても首を振られる。