サマソニ09 その7(8/7:Ghostland Observatory 〜 2 Many DJ's)

DANCE STAGE に戻る。
Ghostland Observatory ってのが演奏中。
かなり空いてて、最前列の2列目にスペースを見つける。
この分なら終わって1列目を奪取できるだろう。


この Ghostland Observatory ってのが素っ頓狂で訳分かんなくて。
ドラキュラの格好をした大柄のシンセ奏者と、
長身で髪を三つ編みにしてサングラスを掛けたヴォーカルの2人組。
このヴォーカルがあちこち世話しなく動き回りながら
ハイテンションなハイトーン・ヴォイスで Axel Rose ばりの絶叫。
なんなんだろ。サマソニの紹介を見たらロラパルーザのメインステージに登場とある。
周りの外国人の客たちには受けていた。
僕にはサタデー・ナイト・ライブのなんかの物まね芸としか思えない。
音も2世代前のエレクトロみたいなもんだし。
でも、振り返ってみるとこの音で気持ちよさそうに踊っている人が結構いた。
不気味な時間だった。


そして遂に、2 Many DJ's !
最前列でしっかりと見る。
ステージ上に DJ ブースが現れないまま時間となり、Stephen が大きなラジオ・レシーバーを手に登場。
日本のクイズ番組かなんかが流れて、いじってノイズになって、また番組に戻ってと。
それだけで場内大歓声。
Radiohead もそうだけど、ラジオ・レシーバーって楽器的飛び道具として妙に人気がある。
これって日本だけ?


David と共に DJ ブースが運ばれてくる。
David も Stephen も今度は黒の夜会服仕様。


曲は、The Chemical Brothers 「Hey Boy, Hey Girl」から始まる。
「Hey Boy, Hey Girl, 2 Many DJ's Here we go !」ってやつ。
最初のうちは普通に曲をつなげていって、途中からマッシュアップ・タイムが始まる。


僕が聞いたことあろうとなかろうと、覚えている限りで、だいたいの曲順としては以下の通り。
アルバム『』ないしは曲名「」で。


・Gossip『Standing In The Way Of Control』
・「jack Is Back」
・「Bonkers」
Zombie Nation
MGMT『Oracular Spectacular』
・Eurythmics 「Sweet Dreams」
YMORydeen
・Guns N' Roses 『Appetite for Destruction』
The Clash 「Rock The Casbah」
Queen 「Another One Bites The Dust」
・Major Lazer『Guns Don't Kill People: Lazers Do』
Aphex Twin「Windowlicker」
Tiga「Mind Dimension」
・「AA247」
・『Fame』のサントラ
・Slayer『Reign In Blood』
Dolly Parton「9 to 5」
Michael Jackson 「Off The Wheel」「Don't Stop 'Til You Get Enough」「Billie Jean」
Sheila E『The Glamorous Life』
AC/DC「Dirty Deeds Done Dirt Cheap」
・Walter Murphy「Fifth of Beethoven」
・「Saturday Night Fever」
Tiga「Shoes」
・Can「I Want More」
・『International Deejay Gigolos』
・Justice「PhantomII」
New Order「Blue Monday」
・Max Romeo「War In A Babylon」
Prodigy「Out Of Space」
NirvanaLithium


うーん、ロック系しか分からず。
ダンス系はタイトルが印象に残ったもの以外はことごとく取りこぼしている。
それにしてもこれだけでもすごいセレクション。
ヒップホップ系の曲のサンプリングで「大ネタ使い」とされていても
どれがどうなのかさっぱり分からないことが多い僕ですら分かるという、
これぞ本当の「大ネタ使い」


これらを重ね合わせて曲を成立させるだけでなく、
(Max Romeo「War In A Babylon」/ Prodigy「Out Of Space」が分かりやすく、その真骨頂だった。
 というか今調べてみたら、「Out Of Space」は「War In A Babylon」をサンプリングしている?)


後ろのスクリーンに、今掛けている曲のジャケットを元にしたアニメが映し出されて、これがすごい。
MGMT だとこんな感じ。
背景の蒼い空に月が昇っていく。
星が次々に現れてはあるべき位置に移動していく、やがて MGMT の文字となる。
水面をイルカがジャンプする。
MGMT の2人が遠くから現れて、
音に合わせて腕を振りながらこちらに近付いてくる(つまり大きくなっていく)。
ものすごく手が込んでいる。
こういうのを、全曲で。もちろん、もっと単純なのもたくさんあったけど。
これだけ曲があったら、こういうアニメを専門で作るクリエイターが雇われてるんじゃないか?
しかもあちこちの DJ セットで(たくさんかぶるとしても)
それぞれ異なる曲が必要だから、アニメのストックがもっと必要。


このアニメが曲と完全に同期取れていて、どうやって実現しているのだろう?と不思議。
2ちゃんで調べても、話題に上がっていてもどういう仕組みなのか結局分からず。
凄腕の VDJ がいるか、あるいは 2 Many DJ's の2人が映像に合わせて曲を動かしているのか、
あるいは、DJ と称しつつも実は事前に全ての曲が繋げられているか。
3番目じゃないことを祈る・・・
2人して右側に回ったり左側に回ったり、CDを入れ替えたり、すごい一生懸命になってやってたけど。


YMOだと「Solid State Survivor」のアルバム・ジャケットだった。
これ、教授が眼鏡を外して、細野晴臣がギクシャクと踊りだして。
「Sweet Dreams」だと Annie Lennox と Dave Stewart の頭に紙袋がかぶせられたり。
2 Many DJ's のシンボル、茶色の紙袋はいろんなところでかぶせられていた。


それにしても僕が今回感じたのは、まだまだ僕は不勉強だということ。
僕の隣にいた僕と同い年ぐらいのカップルはなんかかかる度に「あの曲だ」と当てあって、
女性の方は Gossip や Tiga を一緒になって歌ってた。
そんな人ばかり。場内大合唱。僕はそこまで詳しくはなかった・・・


・・・と思ったりもしつつも、いや、楽しかった。こんなの初めて見た。
生で見れて感動した。
2 Many DJ's のミックス CD だけ聴いてると「ふーん、よくできてるね」で終わってしまう。
プログラミングしたらできそうだし。
でも、これ、ほんとに生でやってるんですね。しかもシンクロする映像付きで。
今思い返しても「すげー」しか出てこない。


僕としてはベストアクト、誰が何と言おうと、Soulwax / 2 Many DJ's ですね。


DANCE STAGE を出て、午前0時半。終電は終わっている。
至るところに、まだまだ大勢の人がいた。
パチンコの台が眩いフードエリアは不夜城のようだった。
まだこの時間になっても食べ物を出す店があって、並んでいる人たちがいる。
いろんな方角から音楽とそのリズムが聞こえてきて、喧騒もまた果てしない。
ライヴは朝5時まで続く。
メッセの外に出る。
することもなく階段に座り込んでいる女の子たち、男の子たち。
ライヴの興奮を語り合っている人もいれば、眠り込んでいる人もいる。
メッセから離れて歩いていく人は少ない。
ホテルを取ってある僕は、駅の方に向かって歩いていく。