サマソニ09 その11(8/8:YUKSEK 〜 Birdy Nam Nam)

隣の DANCE STAGE に移動。思いがけなく多くの人が入っている。
ステージにはラップトップやターンテーブルに囲まれた白人男性が
変調されたマイクに向かって歌っている。
YUKSEK というらしい。僕は知らなかった。
サマソニの紹介を見るとフレンチ・エレクトロの新鋭、ポスト DAFTPUNK / JUSTICE とのこと。
そう言われると日本では人気出るだろうね。
周りでは気持ちよさそうに踊っている人たちばかり。
フレンチなので奇矯な音が入りつつ、全体的に丸くてふわっとした感じ。
いや、音そのものは尖ってるんだけど。カラフルなんですよね。
というか何よりも感じるのは、エスプリ。


終わって、最前列の柵を獲得。
セットチェンジで30分待つ。
座り込んで「人にはススメられない仕事」の続きを読んで、気がついたらうたた寝
最前列は皆座り込んでいて、疲れたのか眠っている。
見渡すと壁沿いに座り込んだ人たちもまたぐったりとしている。
中には昨日から来ていてほぼ徹夜の人だっているのだろう。
フロアに人はいなくて、ペットボトルやプラスチックのカップが散乱している。
ペットボトルの水を撒いて、水溜まりとなっているところもあちこちに見受けられる。


Birdy Nam Nam が登場。
サマソニの紹介文をそのまま引用させてもらうと、
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パリ出身のエレクトロ・バンド。
4人のターンテーブリストが4つのターンテーブルを"生の楽器"のように操り
スピンすることで生まれた進化型スタイルの DJ バンド。
02年に DJ の世界大会で見事優勝を手にしているが、
個々の DJ としても Crazy B は DMC フランス大会で優勝7回、
DJ Pone は同大会で4度の優勝を手にしている超実力派のスター DJ 集団だ。
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4人がターンテーブルを操って音を出すとなったらそりゃすごいと思った。
昔、「Scratch」という、その名の通り世界を代表するターンテーブリストたちの
神業を撮影したドキュメンタリーを見に行ったことがあって、
Q-bert や Cut Chemist が出ていたんだけど、
その中に4人並んでという場面があってとてつもない迫力があった。音もすごかった。
それを思い出した。生で見てみたくなった。


この時間帯、マリンスタジアムでは Placebo が演奏していて
最近のUKの中では好きなバンドなんだけど、迷った挙句に Birdy Nam Nam へ。
裏では Ego-Wrappin' で、これも見たかった。


4人が登場する。音を出す。割とオーソドックスなリズムとウワモノ。
正直、これ、わざわざ4人がかりで出す必要あるのだろうか?と思ってしまった。
でも良く見るとベースの音が右端の人の左腕とタイミングがあってるし、
実はほんとに楽器としてスクラッチしてるのか?
残念なのはステージの下のフロアからだと、
ステージの上の動きが何となくしか見えないんですね。
カメラで撮影してスクリーンに映し出すというのもできたはずなのに。もったいない。
そこのところが見えたら、印象が違うんだろうな。
いや、もしかしたら彼らはただ単に音を聞いて楽しんで盛り上がって欲しいだけであって、
「どうだこの繋ぎすごいだろ?」ってのをアピールするつもりはサラサラないのかもしれない。


4人並んだうち、真ん中の2人が優勝しまくりのスターなのかな。
対照的なキャラで1人は寡黙な裏方職人的で、
もう1人は Guns N' Roses「Appetite For Destuction」の真っ黒なTシャツを着て、
堂々とステージの上でタバコを吸っていた。1人だけ髪が長い。DJというよりは、ロッカー。
この2人がスクラッチしているときに出てきたリズムの効いたメロディーは確かにかっこよかった。


フランスから来た DJ っつうと実情を知らず、
おしゃれな人たちというイメージを勝手に抱いていたけど、
4人とも地味っちゃ地味で着てる服もその辺で売ってそうなチェックのシャツだったりして、
ターンテーブルを操作していなかったらペンキ職人のよう。
でもみんな凄腕なんですよね(たぶん)。


僕が想像していたのは、ヒップホップで言ったら The Roots のようなこと。
生楽器で演奏するのをターンテーブルでっていう。
でもそんな感じじゃなくて、攻撃的なエレクトロに近かったな。
要するに、ターンテーブル8個あったら8曲同時に重ねて流して不協和音込みで
音の洪水を作り上げるとか、そんなではなかった。


ターンテーブルとそれぞれの前に灰色の Mac Book が並んでて、
なんだ、ストイックにターンテーブルだけで音を出すんじゃないんだと。
しかも4人がせっせせっせと絶えずスクラッチしまくってるわけじゃなくて、
1人だけ音を出して3人は休んでるっていう局面も何度かあった。
フランスから来たプレスの男性がビデオを撮っていて、DJブースの裏に回ってきたときは
4人が並んでターンテーブルに背を向けて記念写真みたいに撮っていた。
その間もリズムトラックは淡々と流れて・・・


4人ともプロの DJ ということもあって、フロアを煽るのが好き。
「今すごいことしてるのはこいつ」と隣でスクラッチしてるメンバーを指差してみたり。
そういう1つ1つの動作が決まってた。


終わって、次は Metronomy となる。
これ目当ての人が多いみたいで、最前列のほとんどの人は Birdy Nam Nam から引き続き陣取っていた。


話変わるけど、SONIC STAGE と DANCE STAGE って接しているのになぜ隣の音が聞こえてこないのだろう。
(ときどきベースの音だけ聞こえることはあるけど)
しかも壁らしい壁はなくて、薄い幕が張られているだけ。しかも天井付近は透明で向こう側が透けて見える。
この幕にものすごく高性能な防音効果があるのだろうか?


22:30 からの LADY GAGA の時には入場規制が想定されますとアナウンス。
ものすごく見たいけど、大ヒットした「Pokerface」を生で聞いてみたくはあったけど、
終わったら 23時半で中央線の終電がかなり危うい。
見れないかも、ぐらいだったらさっさと諦めようと決める。
その代わりに 21:40 から始まる中田ヤスタカcapsule)の DJ を見るべきか。
23時頭の京葉線に乗れたら、中央線は充分走っているだろう。
そこのところに悩みが移っていく。