飛行機はハバロフスクの上空を飛ぶ。
しばらく本を読んで、時計を見ると15時。シベリア、ヤクーツク。
読書灯を点けようとしたらボタンを押しても反応しない。
パーサーを呼ぶ。故障だとのことで、隣の人のを向きを変えて使うことになった。
食後に少しウトウトした他は眠れず。日本時間だと普通に午後。
コニー・ウィリスの『犬は勘定に入れません』がやめられず、読みふける。下巻へ。
これは大変面白い。『ドゥームズデイ・ブック』も『航路』も面白かったが、
というかこの3者甲乙付けがたいが、『犬は勘定に入れません』が一歩抜きん出ているか。
タイムトラベルの歴史改変ものなんだけど
複雑に絡み合っていた歴史的事象の全てがスーッと収束する瞬間があって…
そんで、途中で推理小説とは何ぞや? という話になって、そこで語られたトリックが…
いや、やめておこう。とにかくこれは読むべき。百点満点の小説。
その辺のミステリやSFや歴史物が全て独りよがりなゴミに思える。
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隣に座っていた外国人(英国人)が前方のアテンダント詰め所にて
シーフードヌードルをもらってきて食べているのがうまそうだった。
彼の体が大きくてまたげない。通路に出られず、トイレに行くのも我慢する。
本を読んでいたらスナックの箱が運ばれてきてもらう。
クラッカーやマドレーヌなど。クラッカーは野菜のスプレッドをつけて食べる。
窓を開けてみる。分厚い雲が見渡す限り広がっている。
それがずっと続いている。
ノルウェー上空に差し掛かってようやく視界が開けて、フィヨルドが広がる。
到着前の機内食。
「Seafood with Rice」と言っていたのでスシかと思ったら、中華丼だった。
チョコレートとコーヒー。
気流に入って揺れる。
入国カードが配られるが、乗り継ぎだけなので記載しない。
到着。気をつけていたので今回は眼圧の痛みなし。外は曇り。
空港が混雑していて、ゲートに移動するまで時間がかかった。
飛行機を出る。HSBCの広告。
アジアがテーマなのか、ポスターの1つは相撲取りがマンガを読んでいた。
Terminal5の中を他の旅行客と混ざって歩く。
「Flight Connections」の指示に従って進む。エスカレーターを下ったり上ったり。
セキュリティ・コントロールで簡単なパスポート審査があって、次に液体物のチェック。
エスカレーターで上の階へ。手荷物検査を受ける。
解放される。後は出発待ちとなる。
到着が14時半過ぎで、出発が19:20となっている。5時間以上時間が空く。
電光掲示板を見てみるとベルリン行きBA988はどのゲートになるのか未定。
1時間ぐらい前にならないとアナウンスされないようだ。
ヒースロー空港は国際線利用者数では世界一というだけあって、さすがに大きい。
免税店などをブラブラする。Harrods / NOKIA / PRADA / Paul Smith ...
HMVがあった。イギリスが本拠地だということを思い出す。
Slipknot の昨年出たライブアルバムで僕が見たことのないのがあった。
Download Festivalでのもの。買うべきか迷う。
空港で売ってるぐらいなのだから日本でも買えるだろうとその場はやめておく。
(しかし日本に帰って来て HMV と amazon を見てみたが売ってなかった…)
CDは安ければ4.98ポンド。1枚ものだとだいたい、セールス価格なのか7.98ポンド。
日本と比べると安い。今思うと何枚か買っておくべきだったか。
コーエン兄弟の6枚組DVDボックスセットがスーパーディスカウントで19.98ポンド。
『ビッグ・リボウスキ』『未来派今』といった日本では入手困難なものから
『バーン・アフター・リーディング』『シリアスマン』といった最新作が入っていた。
これは安い! と思うが残念ながら再生方式がPALで日本のプレーヤーだと再生できない。
お土産屋にて絵葉書を眺めていると、さっそく
婚約したウィリアム王子が2人で並んで立っている絵葉書があった。
隅の方の空いているゲートで本を読んで待つ。
自販機でコーラを買う。1.5と書いてあったのに、1.5ユーロ分入れても反応しない。
さらに0.5ユーロ分入れてようやく買うことができて、いくらか小銭が戻ってきた。
10PENCEとある。そうか、イギリスはユーロじゃなくてポンドなんだとここで気付く。
ガラスの前の席に座る。向こうには整備中の飛行機。
野田努『ブラック・マシン・ミュージック』を読み始める。
1970年代ニューヨークのディスコから、
1980年代のシカゴ・ハウス、後半のデトロイト・テクノへと至る歴史を綴る。
ものすごく詳しいことを書いているのに文章が平易で読みやすい。
変に思い入れをぶち込んだりもしない。
淡々と雑誌での発言などを適切な分量で引用していく。
史実的な出来事、レーベルやディスコという場、具体的なリリース、インタビュー。
これを読むと非常に多くのことが分かる。見えてくる。
パラダイス・ガラージのラリー・レヴァン、シカゴのフランキー・ナックルズ。
デトロイトのデリック・メイ、ホアキン・アトキンス、ジェフ・ミルズ…
全ては Underground Resisitance へとつながる。
語られるべき歴史としてはそういうことだったのか、とどこを読んでも目からウロコ。
これもまた素晴らしい本だった。
http://www.amazon.co.jp/dp/4309264948/
座っていると空港の職員のおばさんが現れ、話しかけてくる。
どうも椅子の一連なりをもう少し前に移動させたいようだ。手伝う。
おばさんが反対側の端に座る。
本を読んで疲れてくると空港の中を歩き回る。またいつもの席に戻る。
日が暮れるにつれて眠くなってくる。17時は日本時間だと時差が9時間で26時。
(ロンドンと東京の時差はそのまま、グリニッジ標準時との時差となることにアッと思う)
午前2時は普段寝ている。起きていられない。耐える。本を読んでると、眠くなる。
18時半を過ぎてゲートが決まっただろうかと電光掲示板
(大きなモニターに映し出される今、これはなんと呼ばれるのか?)
を見に行くと19:20ベルリン行きのゲートが決まっていない。
これだけではなくて、ほとんどの便が Delayed 遅延となっていた。何かが起きているのか。
しばらく待ってもう1度見に行くと
ゲートのオープン時刻が19:31で出発は20:30と表示された。
1時間遅れなのか。ベルリン到着は23時を過ぎそうだな…
さらに待って19時半に掲示板を見てみるがゲートのアナウンスはなし。
少し前の時刻に予定されていたフライトのゲートがバタバタと決まっていく。
Terminal5 を端から端までウロウロと歩きながらゲートが決まるのを待つ。
20時近くになってようやく決まってA22ゲートへ。席に座る。
どんどん人が集まってくる。さらに10分ほど待たされて搭乗となる。