まだ、昼前。
Friedrichstr. から地下鉄に乗って、熱気球まで戻ってみようと思う。
3駅先の Kochstr. まで乗って、下りる。
地上に出ると目の前に、有名なチェックポイント・チャーリー。
東西ドイツの境界線上に置かれた国境検問所。
先ほどWikipediaを見てみたら
ジョン・ル・カレなどのスパイ小説にたびたび登場するとあった。
ちなみに「チャーリー」そのものに意味はなく、「検問所C」といった程度の意味。
航空業界で「ABC」を「エイブル、ベーカー、チャーリー」というあれですね。
アルファベットを聞き間違えないようにという。「エイブルのAです」とか。
正しくは「NATOフォネティックコード」ということを知った。
各国ごとに拡張がなされ、国ごとにABC…がそれぞれ何を指すか異なる。
航空業界のは「イギリス海上無線 JAN」から来ているようだ。
検問所は壁崩壊時に撤去されたが、ドイツ統一後復元される。
それが今も道路に残されている。
アメリカの国旗がはためき(ソ連・ロシアはない)、検問所の裏には土嚢が積み上げられている。
ソ連側の将校とアメリカ側の将校の大きな写真が裏表になって掲げられている。
(この人が「チャーリー」なのかと最初思ってたが、違った)
アメリカ軍兵士・ソ連軍兵士の格好をした人が立って、観光客と共に写真を撮っている。
ここの「壁博物館」に入ってみる。12.50ユーロ。かなり高い。
入ってみたら大混雑。なぜこれほどまでに人を集める?
http://www.mauermuseum.de/english/frame-index-mauer.html
なぜ高いかっていうと、私設の博物館だからだろう。
創設者ライナー・ヒルデブラントが1962年に国境線近くのアパートの一室で始めたものが
拡張に拡張を続けて、アパート全体に広がる今の姿となった。
日本語のパンフレットがあったのでもらって読んでみると、
逃亡計画がここで練られ、亡命者が一息ついたという。ふーむ。
印象としては、東京タワーの蝋人形館。あの、一生懸命なんだけど雑多な感じ。
セクションはいくつかに別れている。
逃亡してきた人たちの苦労や工夫を今に伝えるために
彼らが実際に使用した気球や小型飛行機を展示している箇所。見るべきはここか。
この辺りが最も混雑していた。
昨日ナショナル・ギャラリーで見かけた「The Fraternal Kiss」
ブレジネフとホーネッカーのキスの原画? あるいは模写があった。
これらの隙間に、個人的にあんまり好きになれない感じの現代アートの絵画。
知ってる人は見当たらなかった。
アパートの奥へ奥へと進んでいくと、世界平和を訴えかけるセクション。
サハロフ博士のデスマスクやガンジーの彫像、パブロ・ピカソ「ゲルニカ」の制作風景。
チェックポイントチャーリー近辺?の犠牲者の眠る墓地の模型。
「You Are Leaving The American Sector」とそのロシア語訳が大きく書かれた有名な立て札。
(恐らく、当時無数にあったものがここに1つ現存しているのだと思われる)
3歳半の息子を東側に誘拐?された女性の記事を集めた部屋。
そしてミハイル・ホドロフスキーとプラトン・レベデフの釈放を訴えかける部屋。
その所持品やメモなど。
どっかで聞いたことあるなあと思って日本に帰って来て調べてみたら
ロシアの石油会社ユーコスのCEOにしてロシア一の大富豪とそのビジネスパートナー。
ロシアの資源をアメリカに売ろうとしていたということで
ロシア政府(プーチン)によってシベリアの刑務所に送られた。
正直僕はプーチンとホドロフスキーが正しいのか、欲深いのかよく分からず。
(どっちもどっちというか…)
館内の何箇所かでミハイル・ホドロフスキーとプラトン・レベデフを自由に!
という絵葉書が2種類、無料で配られていた。
ミハイル・ホドロフスキーを描いた絵やマンガもたくさん飾られていた。
これら大きなものから小さなものまで全て
「どれも大事!」と言わんばかりに並列に並んでいる。
ガンジーもホドロフスキーも。そしてホドロフスキーの方が扱いが大きい。
このようなところに主催者側の「趣味」を感じる。
公立の博物館の客観性ではなく、私立の博物館の主観性。
面白いといえば面白いが…
ミュージアムショップで「You Are Leaving The American Sector」の絵葉書を買う。
ベルリンの壁崩壊の日の新聞が15.0ユーロ。
欲しかったが高かったのでやめた。
その日のオリジナルなら欲しいけど、複製かもしれないし。
博物館の前のインビスでカリーヴルストを見つけ、食べてみる。2.5ユーロ。
パンに挟まれて出てくる。
単にケチャップがかかっただけのホットドッグだった。
そういえばソーセージとウインナーってどう違うんだろうと思って調べてみた。
ウィンナーはソーセージの一種で、羊の腸に詰めたのがウィンナー、
豚の腸だとフランクフルトソーセージとなるとのこと。
http://www.tomato-ks.com/topics/mamechishiki/vol_28_p01.html
熱気球を再度訪れてみるが、やはり窓口は閉まったまま。
この日は諦める。
向かいの通りでロシア人と思われる女の子が
軍服やマトリョーシカ、ロシア帽などの露店を開いていた。