午後になってこの日の後半戦。美術館巡り。
Friedrichstr. の反対側を訪れてみる。
Kochstr.から地下鉄に乗って、Friedrichstr.を通過して、
そのまま Oranienburger Torへ。
ここでの目的は「タヘレス」という芸術家村?と、クンスト・ヴェルケ現代美術館。
「タヘレス」は元々20世紀初頭に建てられたデパートだったのが
戦後東ドイツ政府によって接収され野ざらしとなり、
東西ドイツが統一された1990年に解体が行なわれることになったのを知って
芸術家のグループが占拠して今に至るというもの。
建物の歴史ははてなのキーワードが詳しい。 http://d.hatena.ne.jp/keyword/Tacheles
パッと見は廃墟。
上から下までびっしりとグラフィティで覆われていて、何も知らなきゃ怖くて近づけない。
僕はグルッと裏から回っていた。入り口を見つけて入ってみる。デパートの正門。
雨の降って水溜まりのできた地面にバラックがいくつも建っていて、
それらが作業場兼ギャラリーとなっている。
鉄屑で作られたオブジェ。人間や鳥、犬、亀、鶏、架空の生物たちが道のあちこちに立っている。
相当、怪しい。時間と空間が歪んでいる。
バラックの中は工具やガラクタが散らかり放題で、芸大の寮生活ってこんななのかと思った。
あるいは核戦争後の地球。
個人のギャラリーは日曜だからかどこも鍵がかかっていた。
一番大きなバラックが共同のギャラリーなのか、
右側にはコマゴマとした作品が展示され、左側には大きな顔の形をした暖炉。
芸術家の1人と思われる男性が火に当たっていた。
ここでは大きな音で音楽がかけられ、僕が最初入ってきたときには Depeche Mode だった。
それが David Bowie「Heroes」に続いたとき、妙に感動してしまった。
そうだ。「Heroes」はベルリンの壁を前にして生まれた曲だった。
”僕たちは1日だけなら英雄になることができる”
中庭へ。ステージがあった。夏には演劇やコンサートが行なわれるのかもしれない。
サイケデリックに塗られたバスや小屋。
デパートの1階に入るとなぜか卓球場があって、芸術家なのか旅行者なのか、
熱心に卓球をプレイしていた。
デパートの中のギャラリーへ。この階段がまたとんでもない。
スペースというスペースが全てグラフィティで埋め尽くされている。
4階か5階まで上がる。
デパートは例えて言うならば「門」の字型の構造になっていて、下の階は階段だけとなる。
上の階が細長く伸びるフロアとなって、個人のギャラリーが中に入っている。
その中の1つでは大きなフサフサとした犬を2頭放し飼いしていた。
いくつか覗いてみる。
韓国系のアーティストがハングルをモチーフにした作品を作成していたのを覚えている。
最上階が Alexandar Rodin 1人に当てられていた。ここでの大御所なのか。
http://www.bellabelarus.com/en/component/option,com_jsgallery/mode,by_artist/artist_id,23/Itemid,49/
偏執的なまでに細かい目次録的な絵の数々。
ある種のアール・ブリュット(アウトサイダー・アート)かと思った。
全ての作品? が展示されていて、それらが様々なサイズの写真となっている。
一番小さいのを一枚買った。2ユーロ。
受け取った年老いた男性は本人だったかもしれない。
もう1人気になったのは、Tim Roeloffs という人。
この人のコラージュがダントツでよかった。
http://www.roeloffs1.com/
↑上記のサイトのギャラリーを見て欲しいんだけど、カラフルでキッチュ。センスよすぎですよ。
何をどう組み合わせようが怖いものなしのような。
ベルリンをテーマにした絵葉書を5枚買った。
その場に居た初老の男性に支払って、「あなたが描いたのですか?」と聞いたら違ってた。
で、Tim Roeloffs という名前を教えてもらった。
このタヘレスも運営が順調ではないようで、
最上階では引き続きこの建物をタヘレスとして使用するための署名活動が行われていた。
http://super.tacheles.de/cms/
サイトを見てみると、ここで活動している日本人がけっこういた。
808 State のメンバーだった、A Guy called Gerald の名前もあった。
ここはとても面白い。ベルリンに来たら絶対訪れるべき。
建物を出て、駅の方に戻る。
カリーヴルストのチェーン店があったので入ってみた。
「Viva La Wurst」という。客なし。店員の若者が暇そうにしていた。
カリーヴルスト、ポテト、コーラのセットで5.2ユーロ。
ファーストフードとして、それなりにうまかったと思う。