ベルリン その7(2/5:コノプケス・インビス)








13時過ぎ。
初日の昼にしていきなり旅行のクライマックスを迎えてしまった。


駅まで引き返す。そのまま、歩いていく。駅の反対側の「壁公園」へ。
iPhone で Einsturzende Neubauten「Zeichnungen Des Patienten Ot」を聞きながら歩く。
鉄屑を叩いて、チェンソーやハンマーで破壊しながら、叫ぶ。
取り除かれた壁の鉄骨を見たとき、その音楽の根底にあるものが少し分かるような気がした。
壁の悲劇とは直接の関係はない。
しかし、コンクリートと鉄骨によって壁として形成されるものとその崩壊、
自然的な、同時に反自然的なそのプロセスがいったいなんであるのかを音楽で語ろうとする。
それは物言わぬから、人間が音にし、声に出さなければならない。
僕自身は素直に、現代アートに直結したロックとして
最もコンセプチュアルな成功を遂げたのは80年代の
Einsturzende Neubauten であるように思う。


ふと見上げると電柱には滑車が取り付けられ、電線が巻き取られている。
通りにいくつか、ポツンと「インビス」(屋台)が立っている。
安普請の小屋で酒と飲み物を提供しているような。儲かってそうにない。
建物のいくつかには壁一面に絵が描かれている。
そのような建物がベルリン中にあった。


壁公園へ。何があるか分かってないで行ってみたんだけど、実際何もなかった。
「壁」が残されているのでもない。
スタジアムがあって、その壁は隙間なくびっしりとグラフィティ・ペインティングされていた。
スタジアムに限らず、階段や子供用のブランコにも絵の描けそうな場所には全てに。


公園の脇にはバラック小屋みたいなのが並んでいて、夏の間は蚤の市で賑わうようだ。
しかし今は全く人気なし。付近の人が散歩に来るぐらい。


このスタジアムの小高い丘に立って見下ろしている間に、わずかに雪が降り出した。
この日は朝から小雨が降ったりやんだり。
そんなイメージはなかったんだけど、ベルリンって東京よりも寒くて、
最高気温が零度以下の日もあるんですね。
3日間、青森並みに寒かった。
特にこの日は風がハンパなく強く。青森だったら猛吹雪となるような。


近くの、オーダーベルガー通りへ。
この辺り一帯、プレンツラウアー・ベルクはガイドブックを見ると流行の発信地であるという。
歩くと古着屋が何軒もあって、そのうちの1つは「Goo」という名前で、
Sonic Youth のあのアルバムのジャケットが看板に使われていた。
おしゃれなカフェも並んでいた。
一回りして戻ってきて、Uバーン Eberswalder Str.駅近くのコノプケス・インビスへ。
ベルリンといえばカリーヴルスト、つまりカレーソーセージですが
(ってガイドブック読むまで僕も知らなかった)
最も有名な店がここ。


行列になっていて、すぐ分かった。
紙のトレイに輪切りのソーセージとポテト、
そこにケチャップを主体としたスパイシーなソースがたっぷりかかっている。
皆、インビスの前の広場で立ち食い。
この寒い日に人によってはビールを飲んでいる。
僕も行列に加わる。20分ほど待つ。
ポテトなしのカリーヴルスト、1.7ユーロにする。
そもそもソーセージがうまいんでそれだけで満足する。
ソースはほぼ、濃厚なケチャップ。カレーの味はしない。若干スパイシーかなという程度。
夏に来てればここでソーセージ何種類か食べてビールなんだけどな。そこがちょっと残念。


検索してみると東京でも食べられるみたいね。
丸の内の「カイザーホフ」は職場から近いので行ってみたい。
http://r.tabelog.com/tokyo/A1301/A130102/13112145/dtlphotolst/P4331662/
ミッドタウンでの「オクトーバー・フェスト」でも食べられるようだ。
今年もやるなら絶対行こう。
http://www.eyema-ent.co.jp/event/biergarten/2010_menu.html