磐梯熱海温泉へ(その3 東京に戻る)

目が覚めると4時。
その次が5時20分。起き上がったちょうどそのとき、地震が。
震度で言ったら2ぐらいの小さなもの。
5時半から温泉に入れると聞いていたので入りに行く。
誰もいない。露天風呂に浸かってあれこれとりとめなく考える。
これまでのこと、これからのこと。
昨日は夜眠るときも風が強くて宿が揺れていたけど、
今日はそんなこともなく穏やかで空も澄んだように晴れている。
そのうちポツポツと他の客がお湯に入りに来て、入れ替わりに僕が出る。


午前6時前。午後の感門之盟に出席するために
荷物をまとめて一足先に宿を出る。
帳場でタクシーを呼んでもらう。
震災後の磐越西線の運行状況について宿の男性の方と少し話す。
わざわざ外に出てタクシーが到着するまで一緒に待ってくれる。


タクシーは1メーターちょっと。5分も乗らない。
最近は大変なんですかと聞くと、やはりそうなのだと。
泊まっているお客さんのほとんどが
県内外から避難してきた方たちなのだそうだ。


6時過ぎに駅に到着したものの、始発電車は6:54発でだいぶ時間が先だった。
まあいいかとノートPCを立ち上げるが、イーモバイルは圏外。
明日の25守開講の事前準備として
今日の早いうちに教室に何通かメールを送ることになっている。
宿もまた圏外で、駅まで行けばなんとかなるかと思ったのだが…
当てが外れる。


自販機の紙コップのレモンティーを飲みながら
駅で配布されていた磐梯熱海温泉の案内と
今月末からの青森観光キャンペーンのパンフレットを眺めて時間をつぶす。
朝は寒く、駅員が石油ストーブを運んでくる。


磐越西線に乗る。周りは部活動に出る高校生たちばかり。
隣のコンパートメントでは丸刈りで学ランを着た高校生が
どこそこの高校は強いとずっと野球の話をしていた。
次の駅を出て試しにイーモバイルをつなげてみるとアンテナが立った。
ノートPCを膝の上に置いて、必要な情報をダウンロードする。


郡山の駅に到着する。
もしかしたら感門之盟のリハーサルに間に合うかもしれないと
新幹線の特急券指定席、9:34を7:54に1本早く変更する。乗車券も買う。
待合室で数十分待つ。さすがJR、コンセントがあった。
メールを準備して送信する。受け取り側でうまくいかず、焦る。
利用するシステムのマニュアルが手元にない状態で
どこをどう設定するべきか分からず。手探りでここだろうというのを試す。
「あ、分かった」というところまで来たものの時間切れ。
新幹線到着のアナウンスが聞こえ、
慌てて荷物をリュックサックに突っ込んでエスカレーターを駆け上がる。
多少時間があったので駅弁を買う。


あまりのバタバタさに磐梯熱海温泉土産、郡山・福島土産を買う時間無し。
会社に配るお菓子や、福島の地酒は入手できず…


乗り込んで、作業の続き。車内もコンセントがある。よし。
しかし、いざ送ろうとしたらトンネルに入ってイーモバイルがつながらなくなる。
小刻みにトンネルが続く。郡山⇔宇都宮間ってこんな多かったか。
諦めて山を抜けるのを待つ。
駅弁を食べる。「小原庄助弁当」会津若松の民謡に歌われるあの小原庄助
包み紙にもユーモラスな絵が描かれている。
「なんで身上つぶした
 朝寝朝酒朝湯が 大好きでそれで身上つぶした
 ああもっともだもっともだ」
弁当としてはしめじご飯、にしん昆布まき、牛糸こん煮、
菜の花しめじ、みつばなめこ、鶏肉のみそ焼き。
なかなかうまかった。


宇都宮を過ぎて新幹線は都市部を走るようになる。
ようやく、この日送るべきだった5通の送信を終える。
ほっとした。こんな苦労するとは…
緊張してるつもりはなかったけど、ドキドキの連続で
忘れられない開講前日となった。


到着予定時刻9:24だったか。
東京駅にはすぐ着いて中央線で新宿へ、山手線に乗り換えて恵比寿へ。
10時のリハーサルにはどうにか少し遅れで間に合う。