『我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか』

このところ、ポール・ゴーギャンタヒチ時代、1897年の大作
『我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか』
(D'ou venons-nous? Que Sommes-nous? Ou allons-nous?)
http://www.salvastyle.com/menu_impressionism/gauguin_nous.html


このことばかり考えている。
タイトルがいいよね。そこに過去と現在と未来がひとつのパノラマとなる。
人類というものの全てがある。
ミーハーな意見だけど、パブロ・ピカソゲルニカ』と並んで重要。
2年前、日本で見ることができてよかった。


神話的世界。そこは人類最後の楽園なのか。
それとも始まりなのか。再生なのか。
希望と悲しみと。
完成後、ゴーギャンは服毒自殺を遂げたという。


僕にはやはりこの絵は
ゲルニカ』同様、破滅・終末の一瞬前のように思われる。
一瞬ののち、この世界は消えてなくなる。


いや、そう思うのは以前の自分、以前の僕か。
今の僕にはこの絵が、力強く絶望というものを肯定しているように思われる。
そして”Life Goes On”.
多様性はさらに多様性を生んでいく。
やはりこれは移ろいゆく何気ない一瞬を捉えたものだ。
儚くて、切なくて、だけど、続いてゆく。
妬みがあって、裏切りがあって、そして、続いてゆく。
いつかそこに喜びが生まれることもあるだろう。


キャンバスの中の登場人物たちも年老いて、
新しい世代の子供たちでそこはいっぱいになる。
死んで、生まれ変わって。
果てしなくそれは続く。
永遠。久遠。