「としまえん」というもの

昨日の夜、窓を開けていたら花火の音が聞こえた。
としまえん」の花火なのだろうか?
しかし、何年か前に終わったはずで、調べてみたら2003年が最後だったとのこと。
いや、終わったのは花火大会であって、
単発の花火は打ち上げられているのかもしれない。
断続的に何発か続いた。一回きりじゃなく何かの音と聞き間違えたはずはない。
としまえん」じゃないとしたらいったいどこなのだろう?
毎年この時期になると、どこなのか分からない花火の音を時々耳にする。
東京ってそういう場所なのだと思う。


としまえん」のことを思い出す。
もう何年も行ってない。というか最後に行ったのは中学一年のときか。
祖母と妹と夏休みの間を新島で過ごして、その前後の1日のどこか。
としまえん」は祖母としか、行ったことが無い。
僕と妹が乗り物に乗っていると、小柄な祖母が日傘を差して下で待っている。
僕らが手を振ると祖母もまた気付いて、手を振り返す。


…あ、学生時代に一度行っている。
だけどあれは自分が撮っている映画の撮影だった。
主演の女の子と誰かもう一人スタッフ、監督兼カメラの僕。三人で。
夕暮れ時の遊園地を高いところから俯瞰して撮影して、エンドロールで使った。
帰り支度の人たちばかり、出口をくぐって消えていく。
園内のいろんな場所でポッカリと穴が開いていた。


としまえん」って確か日本で最初に、流れるプールを設置したんですよね。
昨年か一昨年、広告業界の本を読んでいたときに
「プール冷えてます」という広告が一世を風靡したとあった。↓ここ参照。
http://www.japandesign.ne.jp/KUWASAWAJYUKU/KOUZA/1/A/OONUKI/


自転車があれば行けなくもない距離。
というか荻窪から直線距離だとすぐ。
入場料だけ払って中に入って、アトラクションには乗らず、
ただただ夏の遊園地の雰囲気だけを味わう。
そういう過ごし方もありか、ということを考える。
一人きり、ビールでも飲みながら。