極夜というもの

朝、最近は6:15に目覚まし時計が鳴るようにしている。
起きたときには外が真っ暗だが、
着替えたり歯を磨いたりしているうちに明るくなる。
もっと高緯度な地域に住んでいたらまだずっと暗いままなのか、
ということを考える。そんな今日は冬至
一年のうちで最も日が短い。


夏の白夜、あるいは冬の極夜のことを時々思い出す。
特に「極夜」のことを。
1日中、日が昇らない状態ならばそれほど面白くない。
緯度や時期の絡みによって1日に1時間、ないしは数十分だけ空が明るくなる
となるとあれこれイメージが広がる。
そのわずかな時間の間に起こるドラマのことを思う。
恋人たちの逢瀬や、旅先の一人きりの孤独にて見つめる風景のことを。
そんな冬の一日。


URLをメモらなかったが、
YouTubeで北欧の高緯度地方のそういった数刻を捉えた動画を見たことがある。
もちろん空は明けきることはなくて、白むことはなくて、
紺色にオレンジ色の入り混じるような、そんな光景だったように思う。
夜明けのわずかばかりの光が空の端のほうを漂う。
天頂では星が瞬いている。
ゴツゴツとした北欧ならではの海辺。水平線が広がっている。


逆もあるのか。
夏。日は沈まないけれども、ほんの少しだけ空が暗くなる。
しかし、夜は訪れない。そしてまた明るさを取り戻す。
何事もなかったかのように。


白夜というもの。そして極夜というもの。