今年を振り返る その2

今年も残すところあと2日。もう一度振り返る。
前回書かなかったこととして、3.11東日本大震災がある。


新聞やニュースサイトでは今でも毎日何かしらの報道を見かける。
先日首相は「冷却停止状態」発言で物議をかもした。
福島での除染作業のことや
宮城・岩手の復興状況の悲喜こもごもに関する記事やコラムをよく目にする。


しかし、全てのそういった情報源を断ち切るならば
東京では震災前と何も変わらない生活を送れるようになった、なってしまったと思う。
節電を呼びかける声も聞かなくなったし、交通機関の遅れもなくなった。
スーパーでの品揃えも一部入れ替わったものの何かがなくて困るということも無い。
またそれまでのように無頓着なまま、生きていけるようになった。
意識的に、無意識的にそれを遠ざけようとすれば遠ざけることができるようになった。
「日常」というものの恐ろしさを感じる。
そういうものなのか。それではいけないのか。


なぜか報道写真を集めた写真集を何冊か買った。
写真の中でしか、僕はそれを知ることができない。


夏になった。
そしてまた冬になった。三陸地方は雪が降っているのだろう。
あさって、青森に帰る。
東北新幹線は何事もなかったかのように走り抜ける。
遠くから町を見下ろしても今の僕に見つかるものは何もない。


震災から一週間後、僕は博多からフェリーに乗って釜山へと向かった。
一週間後の黙祷をフェリーの待合室のテレビで眺めた。
それはどこだったのか。低い音でサイレンが鳴っていた。