『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』

「プロの映画研究者が選ぶ「映画を語るなら観ておくべき作品」20選」
http://careersupli.jp/lifehack/eiga/


というのをこの前読んだ。
『100人の子供たちが列車を待っている』
僕らのミライへ逆回転
『マチネー/土曜の午後はキッスで始まる』
最初の3本がこのラインナップなのでこれは信用できそうだと。


日本映画が2本。そのうち1本が
『生きてるうちが花なのよ死んだらそれまでよ党宣言』
おっ、と思う。
TSUTAYA DISCAS から届いてて見てないまま年越ししてしまった。


タイトルがいいですよね。
フィルムアート社の『映画暦1986』の1本に選ばれていて、
主演の倍賞美津子が映っていた。
ほとんどのページに代表的なセリフが1行載っていて、
「バーバラですよ、ごはん食べたァ?」


うーん、何だろうこの映画は。
子ども心に気になっていたけどビデオが見つからなかった。
上京しても出会わず。
それを最近ふと思い出して検索したらDVDになっていたのでさっそく借りた。
なのにバタバタとそれっきり。
やっぱこの映画いいんだよね、と今晩見てみた。


沖縄で生まれ育って島を出たものの職がなくヌードダンサーとなった倍賞美津子
原発ジプシーで全国の原発を転々とし、今はチンピラの原田芳雄
この2人を軸として、
倍賞美津子の妹? の不良女子高生や
彼らの旅にひょんなことから加わることになった元担任、
福井の原発のある町で出会ったフィリピンからのじゃぱゆきさんの娘。
などなど。そんな彼らの引き起こす悲喜こもごも。


なにがいいって、80年代ならではの得体の知れないパワーが漲っているところ。
それだけでイッキに見てしまう。理屈じゃなく面白い。
80年代の映画ってそういうとこありますよね。
さらば愛しき大地』とか『台風クラブ』(『ションベンライダー』も可)とか。
日本映画のこういうとこってバブルの崩壊と共になくなってしまったのか。
ATGの映画というのが、そもそも昭和的だったり。


そういや『さらば愛しき大地』の根津甚八も年末に亡くなってしまった。
なんだか寂しい。
原田芳雄も数年前か。
日本映画が少しずつ遠ざかっていくように思う。