引用まとめ その1

これまで Twitter に残してきた、
日々あれこれ読んだ中で引用した文章をいくつかまとめます。
ここ一年ぐらいのを。


イタロ・カルヴィーノ『見えない都市』
「人はタマラの都を訪れ見物しているものと信じているものの、そ
 の実われわれはただこの都市がそれによってみずからとそのあら
 ゆる部分を定義している無数の名前を記録するばかりなのでござ
 います」


高山宏『表彰の芸術工学
フランス革命前後から描写文学というものが登場する。これは文
 学の盲点です。「描写ってナニ?」と聞いてもたぶん誰も答えら
 れません。誰も研究したことがないからです。1行ですむところ
 を100行も費やして書くことがいつ、どうして快楽になったのか」


久世光彦 毎日新聞夕刊より
「汽車にあって電車にないのは”未練”である」


鈴木いづみ『いづみ語録・コンパクト』
「悲しい歌をうたうとき、本当に悲しい顔をしていてはだめなのだ。
 未熟な人間はすぐに自分をむき出しにしたがる」
「苦労しなくても娼婦の話をうたえればそれが天才というものだ」
「ごくふつうの、まじめな、という男や女は、恋を苦しみたがる」


クリス・ロビンソン(The Black Crowes)Rockin'onより
「レコードを作るっていうのは、そのレコーディング・セッション
 や楽曲の中で関わった人たちとの間でどういうことが起きたのか、
 それを記したタトゥーのようなものなんだ」


レイ・ブラッドベリ『たんぽぽのお酒』
「17歳のときはなんでもわかっているものです。27歳になって、も
 しまだ相変わらずなんでもわかっていたら、まだ17歳のままなん
 だわ」


ジョーゼフ・キャンベル『神話の力』
「生命体の本質は、それが他のものを殺して食べることにある。そ
 れこそ神話が扱うべき偉大な神秘だ」


トマス・ピンチョンLAヴァイス
「聖書には「水の上を歩く」とあるが、それがサーフィンする、と
 いう聖書流の言い換えでなくてなんだろう」


マルセル・デュシャン
「正解はない。なぜなら問題がないからだ」


Chim↑Pom『芸術実行犯』
「政治が社会を変えるものだとしたら、アートは人間が変わらない
 証です」


メルロ・ポンティ
「私は空間をその外皮に沿ってではなく内側から見るのであり、そ
 こに包みこまれているのだ。要するに、世界は私のまわりにある
 のであって、私の前にあるのではない」


アルベルト・アインシュタイン
「いま、ある空間中を一個の内部が空洞の巨大な箱が移動し、その
 巨大な箱の中にそれよりも小さな箱が別の運動をしているとする。
 このとき、大箱の外の空間、大箱の中の空間は、それぞれどのよ
 うな関係にあるといいうるか」


ポール・ヴァレリー
「私の右手と左手はたがいに無縁の存在だ。どちらか一方の手が他
 方の手をつかむとき、人は自分のなかの他人をつかんでいるのだ」


杉浦康平
「輪郭をおろそかにひくことはできない」


J・G・バラード
「地球上に唯一残されている資源は、ほかならぬ想像力である」


フェデリコ・フェリーニ
「芸術の唯一の作品性は自伝性の中にある。次にしなければならな
 いのは自伝性と他伝性の相互乗入れです」


ヤンキースの捕手:ヨギ・ベラ 毎日新聞の余禄より
「試合は終わるまで終わらない」
「野球の90%は精神力、あと半分は体力だ」
「やつらが俺について言っているデタラメの半分はうそだ」
「言ったことの全部を言ったわけではない」
「分かれ道に来たらとにかく進め」
「未来はかつてのような未来ではない」


楊逸 毎日新聞より
「けんかをしたい時に相手がいないというのは人生で一番つらいこ
 とですね」


九代目市川団十郎 毎日新聞の余禄より
「間というものには二種ある。教えられる間と教えられない間だ。
 教えてできる間は間という字を書く。教えてもできない間は魔の
 字を書く。私は教えてできる方の間を教えるから、それから先の
 教えようのない魔のほうは自分の力でさぐり当てることが肝心だ」


ミヒャエル・エンデ『モモ』
「人生でいちばん危険なことは、かなえられるはずのない夢が、か
 なえられてしまうことなんだよ」


『クレイジー・ホース・パリ』より、芸術監督アリ・マフダビ
「25歳を過ぎたら、女性の美しさは自分で築き上げるものだ」