引用まとめ その2

ケヴィン・シールズMy Bloody Valentine) Rockin'on より
「子供のいない大人って、ある年齢を過ぎたら、周りの世界との繋
 がりがほとんどなくなってしまうんだよね。なくなってしまうと
 いうか、世界との関わり方が周りの人たちとは違ってくるんだ」


老子
「人は柔らかな体で生まれてくるが、死んでしまうと堅くなる。あ
 らゆる生き物も草木も柔らかく生まれてくるが、死ねば枯れて水
 気がなくなる。つまり、堅く強ばったものは死が寄った様であり、
 柔らかなものは生の宿りである」
「三十本の輻が車輪の中心に集まる。その無の空間があって車輪の
 働きがある。粘土をこねて器を作る。その無の空間に器の働きが
 ある。戸や窓の穴をあけて、部屋を造る。その無の空間に部屋の
 働きがある。つまり、形有るものが利益をもたらすのは、何もな
 いことの働きのせいなのだ」
「有ると無いはともに相手があって生じ、難しさと易しさは相手が
 あって成り、長さと短さは相手があって形になり、高さと低さは
 相手があって決まり、音と声は相手があって調和し、前と後ろは
 相手があって順序になる」


石黒正数ネムルバカ』
「後でコンビ二行って目に付く物手当たり次第買って 朝まで飲も
 うな」


藤原新也西蔵放浪』
「地表は、あちこちでタイム・スリップをしている。地球に住む様
 々な民族は、同時に今という時間を共有しているわけではない。
 人々は、それぞれ固有の地層年代に居る。(略)地球に住まうそ
 れぞれの人々には、それぞれの今というものがあるのだ」


アルフレッド・ヒッチコック
「普通作家というものは人生の一断面(ピース・オブ・ライフ)を
 切り取って見せると言われるけれど、私の映画はケーキの一切れ
 (ピース・オブ・ケーキ)を差し出すというわけだ」


Squarepusher Rockin'on より
「リズムを構築する上で『空間』は非常に重要な意味を持っている」


菊地成孔東京大学アルバート・アイラー
「ジャズのイディオムの九割は全部(チャーリー・)パーカーです。
 それを世間が分かっていない」
「イディオムの回避は、人間に記憶力と快感がある限り無理だよね」
「美しいと思ってしまうことは危険だ、そこで思考が止まってしま
 うからだ」
「物語の拡大は、死という概念の拡大ってことで」
「バップはカンザスのリフ・ミュージックが、ニューヨークのスピ
 ードと出会って生まれた」
「あらゆる「イズム」ってのは、もともと備わっていたものがだん
 だん極端になったり、デフォルメーションされたりっていう傾向
 を持っています」
平均律=それまでの音楽のデジタル処理化」
「およそ人間が編纂する歴史は総て偽史である。この「歴史」が持
 つ構造的な不全生が近代を牽引しているのではないかと思われる」


つかこうへい 毎日新聞の余禄より
「芸とか間とかは車庫入れのようなもので、難しくても見る人はい
 ない。時速300キロでコーナーに突っ込むからお客が見に来てく
 れるんです」


浅川マキ 『淺川マキII』のセルフ・ライナーノーツ
「やっぱりね。どうしようかしらね。流れ者なんてかっこいいわね。
 でも、どっちかと言うと流される方だしね。せいぜいふんばっち
 ゃうわけよ。すると陥ち込むのね。陥ち込んでも滞まるところは
 なさそうだし」
「何が意気かな 気がつく時は  みんな手おくれ 吹きざらし


キース・レヴィンによる The Slits
「重要なのは、あの連中が女だっていうことだ。そしてそれよりも
 重要なのが、あの連中が女だなんていうことはどうでもよかった
 ことだ」


手嶋龍一 『別離』プログラムより
「いまのテヘランに淡々とした人々の生活があってもすこしもおか
 しくはない。だが一方で日々の暮らしを映像に隈どり、一つの物
 語として巧みに表現できる国は多くない。自己を見つめ、物語に
 紡いで、観客に伝えるわざをもつ国は、高い文化の力を蓄えてい
 る」


エリック・ドルフィー
「音楽は終わってしまえば空気中に消え去ってしまって、二度と捉
 えることはできない」


ピーター・フック(New Order) Rockin'on より
「自分が変えることのできる人は世の中にはひとりしかいなくて、
 それは自分自身だけだ」
「ミュージシャンとしてやれることはひとつしかなくて、それはや
 ってることをやり続けて前に進むっていう、それだけなんだよ。
 その継続していく力をどう生み出していくかが努力のしどころな
 んだよ」


アーシュラ・K・ル=グィン「ラウィーニア」
「実のところ、詩人はわたしに名前しか与えず、わたしがその名を
 自分自身で満たしたのだ。でも彼がいなかったら、わたしは名前
 すら持たなかっただろう」
マルスは境界線上にいて、いつでも踊れるように待ち構えている」
「わたしがもっとも恐れる神は、わたしが礼拝することのできない
 神だ。境界を歩く神、雄羊に雌羊を、雄牛に雌牛を襲わせ、農夫
 の手に剣を握らせる神」