『野球太郎 No.003』トークイベント

仕事を終えてすぐ裏の三省堂へ。
『野球太郎 No.003』発売記念のトークイベントを見に行く。
全然野球に詳しくない僕でも前回聞きに行ったらとても面白かったので。
http://knuckleball-stadium.com/


この前はドラフトの直後だったな。
順位と投球映像を見ながら選手と各球団を評価する。
今回のテーマもやはりドラフト。一年後の注目選手。
最初に話題に上ったのが九州共立大学のピッチャー大瀬良。
流しのブルペンキャッチャーこと安倍昌彦氏は一位になるでしょうと。
早くも年明け10日にその球を受けたのだそうだ。
普通のピッチャーなら正月休み明けで覚束ないところを彼はいい球投げてきた。
年末も投球練習を行い、年明けは5日から。
「球を投げていないと不安だから」
天才型ではなくコツコツと努力を積み重ねてきたタイプゆえに。
阿部氏はもっと体重を掛けて前のめりに投げるようになったら、
もっと右手が前にギリギリまで伸びてマウンドを広く使うようになったら、
面白いことになりそうだという。
野球もバックネット裏で球の速さを見るよりも
1塁側・3塁側の真横からピッチャーの投球フォームを見るのがいい。


次は東海大の菅野へ。
彼は体重を掛けずに重心の位置が変わらずにコントロールよく剛速球を投げる。
その投球はどこに特徴があるかというと左腕。
ギリギリまでミットを伸ばしてそれをさらに外側に反らす。
それを戻す一瞬の「ため」が大事なのだという。ふーむ。


話は途中で日ハムに説得されてメジャー行きを翻した大谷へ。
やはり渋い発言となる。
なぜ高卒でメジャーで成功する選手が少ないのか、
両親も交えて日ハムサイドは滔々と説明したみたいだけど
だったらなぜ二刀流が成功するのかを説明しないのか? なるほどなあ。
ここ40年でもしかしたらそれができたかも、と言えるのは江川卓だけではないか。
そんな逸材を若いうちに翻弄してしまうのはどうか、
まだ未知数の魅力を放つピッチャーとしてじっくり育てた方がいい。
そう、大谷はその身体能力の高さから素晴らしい球を投げるけど、
それだけで勝負してしまっている。
ピッチャーとしてのいやらしい駆け引きを学んだらもっとすごいことになる。


などなど。最後に質問コーナー。
なんでドラフトはピッチャーばかりがもてはやされるのかと聞かれて、
「金属バットの野球と木のバットは全く別の球技です。
 握り方に始まり、切り替えるのに何年もかかる」
「そして今の高校野球の監督は、金属バットで育ってきている」
この発言に何か深いものを感じた。